霊性を否定したる宗教はありえない
カルマに法則はない
神の定義が明確でないと明確に伝えることができない。例えば、天界を統べる存在や、この世界で言うところの大統領や権力持つような高位の神々、絶対者がいる。これらの存在があるからこそ、カルマ(業)の概念が成立するのであって彼らなしではカルマの法則は成り立たない。
カルマ自体は単なる記録であり、それ自体では因果は働かない。裁く者がいるからこそ、カルマが作用する。ちょうど裁判所がなければ法が無意味になるのと同じだ。カルマは、過去世での行為が記録されており、その記録に基づいて次の転生でどのような境遇や体験をするかが決まる。そして、その転生を送り込む存在がいる。それがここで言う神々や絶対者だ。
裁判や法の執行を専門とする神々がいる。彼らなしでは、カルマや因果の法則は成立しない。神々が不正を働けば、過去の悪行が帳消しになり、次の転生も起こらないかもしれない。そうなれば、カルマは無意味なものとなる。神々が賄賂を受け取れば、カルマは返されない。
だから、霊的な存在を仮定しないとカルマの法則は成り立たない。カルマの法則が自動的に宇宙で働くと考えるのは誤り。(竹下雅敏説)
正当な因果応報の原理もない
例えば、過去の日本の天皇は、歴史を振り返ると、極悪非道な行為をしていたことがある。人を殺したり、陰謀を企てたり、天皇の座を巡る争いで無実の者を陥れたりして、自らが天皇となった者もいる。一般的な常識では、こういった行為をした者はカルマにより地獄に行くと思うだろう。
例えば、雄略天皇は兄弟を殺し、武烈天皇は非常に残虐な行為をしたと記録されている。これらの行為から、彼らが地獄に行くのは当然だと思うのが普通だ。しかし、日本の天皇で地獄に行った者はいない。なぜなら、天皇は法を超越した存在であり、この世でどれだけの人を殺そうが、どれだけ残虐なことをしようが罪に問われないのだ。
この法を決めたのはホツマの神であり、天皇や位の高い者がどれだけ悪いことをしても罪に問われないようにしている。この法は現世の法ではなく、霊的な法である。因果応報の世界においても、天皇や高位の者は特別な存在として扱われ、罪を問われることはない。記録は残っているが、誰も罪に問うことができないのだ。(竹下雅敏説)
ブッダが言った「一切」というのは、宇宙森羅万象すべてのことではなく、「五蘊」のことを指している。五蘊は相互依存の関係であり、生成と消滅を繰り返す無常のものである。ブッダは、五蘊を観察すれば無常とわかる。この無常である五蘊は、永久不変のアートマンではありえない。と言ったのだ。また般若の智慧の瞑想をやっても解脱には至らない。
自立的・恒常不変・単一:龍樹の実体の定義
自然は自立的である。確かに自然はそれ自体で存在するが、常に変化しているため、恒常不変ではないし、単一でもない。また、分けることもできない。これが自然の本質と言える。サーンキヤ哲学でも、自性から宇宙が展開してくるとされている。宇宙は現れ、複雑に展開していく。つまり、自性と宇宙は切り離すことができない。我々が見ている自然や宇宙は自立的であり、無常であり、常に変化し、複合的である。単一でありながら複合的でもある。これを実体の定義に用いるべきではないのか。
この観点から見ると、ナーガールジュナの定義が間違っていると感じる。彼の彼の間違った定義に基づいて「あらゆるものに実体がない」と言うなら、それは当たり前のことだ、当たり前すぎて意味がない。そうした論法は無意味。自性をこのように定義すると、全てのものに実体がないことになる。
しかし、別の定義をした場合、例えば物理学者のように電子やクォークといった実体を定義すると、全てのものに実体がないというのは納得しがたい。電子やクォークでできていると考えるのは間違いではないが、それを実体とみなすかどうかで議論は永遠に平行線をたどることになる。
ナーガールジュナの論法:「縁起」=「無自性」=「空」という定義が根本的に誤っている。「縁起」とは、物事が他のものに依存して存在することを意味し、それ自体が自立して存在しないことを示している。この意味では、「縁起」は「非自性」と言えるが、「無自性」とまでは言えない。
たとえば、コップがクオークや電子で構成されているとする。もしクオークや電子に実体があるとすれば、そのコップにも実体があることになる。この場合、コップは「無自性」とは言えない。しかし、コップが壊れることを考慮すれば、自性を持たない「非自性」と言える。
ナーガールジュナは、もし物事に自性があれば変化しないはずだと主張する。しかし、これは自性の定義を過度に拡大している。説一切有部でも、物事は要素の集合体であり変化するとしているため、この論理は破綻している。つまり、「縁起」は「非自性」を示すにとどまり、「無自性」や「空」まで結びつけるのは論理的に無理がある。(竹下雅敏説)
般若心経全訳
参考文献
仏教の基礎知識シリーズ一覧
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