ザワつく脳細胞に蓋をするように過食する。
私の身体の中には小さい頃から魔物が住んでいる。
魔物は少しの妥協も許さない。
暑い寒いのストレス、人間関係のモヤモヤ、頭や目の疲れ、血糖値の乱れ、生活リズムの少しのズレがあると身体中の細胞(特に脳)がザワザワしてくる。
そうなると、もう冷静にものを考えられない。頭の中に言語が浮かばなくなる。ただ食べることによって、このザワザワに蓋をしたいという衝動だけがある。
ザワザワは別の方法で解消することも出来る。たとえば身体を動かすとか、音楽を聴くとか人と話すとかだ。
でもその時は、本当に食べること以外考えられないのだ。
「食べ物」という一つの大きな物体が、ザワザワした脳細胞の一つ一つに蓋をして一旦心を鎮めてくれる。
私は「蓋」に食べ物を使うけれど、これがアルコールの人もいれば、友達に電話して長話をするという人もいるだろう。
もう無理かもしれない、とさっき思った。
これだけ工夫して生活に気をつけているのに、一向に魔物はいなくならない。まるで解けない強力な呪いのように。(別名カルマともいう。)
ほんのちょっとのズレで過食が始まって、
一旦スイッチが入ると数日は続く。
こんな体質では外で働くことも結婚することも難しい。
すべて諦めて、家で出来る仕事を探した方が良いのかもしれない。
結婚だって、私が健康で幸せでないなら相手に迷惑をかけるだけだからする意味がない。これはそういうサインなのかもしれない。
と同時に、私と同じ特異な体質の人がもし地球に存在するのだとしたら私はその人の希望になりたいと思う。
なぜ皆パンやラーメンや甘いものを食べても平気なんだろう。なぜ私はそれが過食の引き金になって、日常生活も送れないほどになるの?
この前「過食が治ったと言うのをやめる」と言ったけれど、その通りちっとも治ってなんかいなかった。
私の身体の中の魔物は今後もしばらくは居座り続けるんだと思う。
だったらそいつを上手いこと押さえつける、封印する方法を徹底的にやる。そのまま幸せになる。このカルマを利用して幸せになるしかない。
封印し続けていればいずれはきっと鎮まる。そうじゃなきゃ生まれて来た意味がないから。