読書まとめミニ『リアルサイズ古生物図鑑』
『古生物のサイズが実感できる! リアルサイズ古生物図鑑』土屋 健、群馬県立自然史博物館
概要
今年は古生物がアツかったです。来年も継続する見込み。
今年の締めくくりに、古生物に関する図鑑を3冊読み終えました。発売当初に結構話題になっていたそうで、古生代編の表紙は私も見覚えがありました。
3冊の時代区分は、すごーくざっくりいうと、下記のとおりです。恐竜を扱った本は多々あるので、古生代と新生代がオススメ。
古生代=恐竜登場前(エディアカラ紀~石炭紀)
中生代=恐竜の時代(三畳紀~白亜紀)
新生代=恐竜絶滅後(古第三紀~第四紀)
本稿では、3冊の図鑑を読んで感じた「古生物を知ること」について語ります。なお、あくまで図鑑なので重く考えながら読む必要は全くなく、「古生物すげー!」と気楽に眺めても十分楽しめる本です。
① 未知を知るよろこび
現生生物とはまったく違う生態系が示され、驚きとよろこびを感じます。古生代は言うに及ばず、時代的には最も近しい新生代ですら、かなり不思議な印象を受けます。
新生代だとカリコテリウムとかいいですね、腕(前肢)が長いウマみたいな。何千万年の時間をかけた進化を理解するには、現生人類はまだ若すぎるのでしょう。
② 過去はアップデートされる
過去そのものはもちろん変わりませんが、過去に対する認識は常に変わり続けています。歴史学でも聖徳太子が教科書から消えたりしてますが、古生物学でも新種だと思ったら別種の幼体だったとか、そういったアップデートが続いていることがわかります。
大規模アップデートに翻弄された例といえば、カンブリア紀の珍生物・ハルキゲニアです。Wikipediaに「上下・前後とも逆さまに誤解釈されたことで有名な古生物」とまで書かれています。
③ 環境に適応しすぎるリスク
地球の過去を振り返ると、大きな環境の変化や生物の絶滅は繰り返し起きています。環境に適応した生物が時代の覇者となりますが、ある環境に適応しすぎたがゆえに、環境の変化によって覇者は滅びを迎えます。
異常気象の本質は、今までを「正常」な気象と考えていることに過ぎないのかも、と考えました。今の環境に適応しすぎているから、変化を「異常」と敵視して捉えてしまう。環境の変化を見定め、適応しすぎない程度の軽いフットワークでいたいものです。
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いつも図書館で本を借りているので、たまには本屋で新刊を買ってインプット・アウトプットします。