「蜘蛛ですがなにか?」で学ぶ、生き残るための最強のメンタル
✔「蜘蛛ですがなにか?」という作品
ゲーム好きの陰キャ女子高生が、突然、自分が蜘蛛に異世界転生していることに気づくのですが、ひとしきり驚いた後静かに「受け入れよう…」と言います。この瞬間、私はこの作品が大好きになりました(笑)…だって、それ、受け入れられます?(笑)
蜘蛛子の中の人は「幼女戦記」ターニャ役でおなじみの悠木碧さんなので、蜘蛛子の緩急ある独り言とノリツッコミに似合いすぎていて、聞いているだけで楽しい「悠木碧独演劇」です。
また、実は蜘蛛子だけではなく、同級生たちも一緒に転生していて、多くは人間の姿です。コチラは人間パートとして、蜘蛛パートとは別で進んでいきます。こちらは、イケメンキャラもカワイイ女の子キャラも出てくるので、飽きさせないように作られているのでしょう。
✔チートスキル無しでコツコツ頑張る蜘蛛子
異世界転生といえば、主人公がチートスキルを持つ最強キャラがお馴染みですが、ここ最近は「…それが前提なのに、なんで自分にはないのか?!」 というボヤキで始まるケースが多いようです。
蜘蛛子もその例にもれず、チートスキルはなく、当初使えるのは、しょぼい鑑定スキルと蜘蛛の糸を出すのと、移動スピードが速いというくらいです。あとは、異世界転生者のユニークスキルともいえる「知恵」。これらだけを使って最底辺から、魔物の巣窟を生き延びていきます。
蜘蛛子は元々、生粋のゲームヲタでした。なので、LV上げのコツを掴むのも早いのですが、それ以上に、的確な現状分析とそこからの状況判断が的確で、自分が持つ数少ないスキルを、効果的に使って自分よりもLVが上のモンスターを倒し続けます。
移動スピードが速い事と、蜘蛛の糸を出して操るスキルだけを最大限に使って、上のLVのモンスターを倒すことで、自分のLVを上げていきつつ、自分のスキルを増やしていく、ということを、明るくハイテンションでコツコツ積み重ねていく姿には、陳腐な言い方ですが元気と勇気を貰えます。
✔「この世界で蜘蛛として生き抜いてやる!」
生きるためには、どんなに不味いモンスターでも食べ、着実にLVを上げていく蜘蛛子の逞しさは、見習いたくなります。そして、そんな極限状態でも、楽しみを見つけて明るく過ごす蜘蛛子に、真の強さを垣間見ます。
蜘蛛子は陰キャで、高校では目立つ女子に苛められていました。ですが、蜘蛛になってからのハイテンションの独り言と、LVの高いモンスターと戦う時のメンタルの強さを見ていると、苛められていた子にはとても見えません。
当初は、糸で作ったマイホームに掛かった餌を食べれていれば済む状態だったので「安全に暮らしたいなら引きこもってればいい。レベルを上げたいなら外に出なきゃならない。うん。決めた。引き籠ろう」と、LV UPよりは安全なひきニート生活を選びます。
ですが、渾身のマイホームが燃やされてしまった時に、安全な場所なんてないと気づいた時、人間時代学校にも家庭にも居場所がなくイジメられるままだったことを思い出し「もう二度と負けたくない!逃げたくない!強く!強くならなきゃ!これ以上私らしさを奪われないように、私は誇り高く生きるんだ!そのためには、実践経験を積まなきゃ!」と、メンタルを立て直します。
自分が弱いことを認識し、でも生きるために最善の策を考え続けられるのは、とにかく生きる意志が強く、追い詰められても追い詰められも、ハイテンションでノリツッコミをしながら頑張る蜘蛛子、大好き…。
✔楽しんでいる人が一番強い
蜘蛛子がなぜ、こんな状況でメンタルが強いのかを考えると、何よりこの状況を楽しんでいるからだと言えます。元々人間世界に居場所がないと思っていたのですから、誰にも気を遣わず、苛める人もいない世界は過ごしやすいのは間違いないです。
そして何より「この世界ってゲームみたいだよねー。だってちょっとワクワクしてきちゃってるんだもん。ケーマー魂には逆らえないよね」というセリフの通り、この世界を思いっきり楽しんでいます。
常々思うのが、楽しんでいる人、大好きで打ち込んでいる人は、本当に強いです。どんなことでも、楽しいだけということはなくて、その中には苦労も悩みも様々ありますが、根っこに「楽しい」「好き」があると続けられます。
実は、何事も「ゲーム」と捉えられる人は、高いパフォーマンスを発揮できます。うまくいかない状況すらも楽しめるので、そういう人は仕事にせよ恋愛にせよ成果を上げやすいです。ちなみにこの場合のゲームは悪い意味での「遊び」ではなく、楽しむとか、心から好きで打ち込むみたいな感じです。
✔明確な目的を持つ
最初は、生きていられるだけで幸せだと思っていた蜘蛛子ですが、「生きていられるだけで幸せ?ハッ、私も生粋の平和ボケした日本人だったってわけだ。誇りもなく生きてるのなんて、それは死んでるのと変わりない」と思ったり「お前ら私を殺す気で喧嘩吹っかけてきたんだから、自分も殺されることを覚悟しろっての」と言ったりします。
命がけで生きる日々から、ただメンタルが強いというよりも、戦う意思と勝つ意思が強くなっていきます。自分がラスボスになれる可能性があることが分かった蜘蛛子は、がぜんモチベーションが上がります。
ですが、冷静にまずば中層攻略を目指すことを目標にして、訓練に励みます。ただ生きるということから、具体的な長期目標、中期目標が定まったことで、さらに生きる目的が強化されたことになります。
特殊な状況でなくとも、普通に仕事をしていく中では、自分の得意分野をちゃんと知って、その使い方をできる限り磨きをかけて武器に育てていく必要があります。
そのためには、自分の目的を明確にする必要があります。結局は、最終的に達成すべき目標が定まっていないと、向かうべき方向性が見えないので、途中で迷走してしまいます。
ですが、最初から目標をはっきり設定できなくていいのです。蜘蛛子のように、とにかく懸命に生きながらも、冷静に自分の特性・特技を知り、自分が獲得してきたスキルを分析していくことで、方向性が見えてくることもあります。
みみのすけが、まさにそうでした。だから、今、将来や目標、目的が見えなくて焦っていたり、不安になっている人もいるかもしれませんが、そういう時は、まず、今の自分の「スキルとしての」できる事とできない事を明確にしてみてください。そして、できる事から取り掛かってみてください。そして、蜘蛛子のように、楽しいと思えることで突き進めることを見つけてください。