発明された「恋愛」と閉じこめられた現代人
神聖なモノはだいたいウソ
満たされない生活のなか、ついに現実と幻想が逆転してしまったのが現代人です。もう冬のはじめ、凍てつく新宿の華やかな幻想の群れ、酔った人々がはしゃいでいる。店頭、アニメの美少女が微笑んでいる。広告バスが、空虚なまでに明るい歌をたれながしている。幻想だらけの街。誰もが人生への実感を失っている。それでも貧乏人だって恋愛くらいします。恋愛は、人生の実感をひとときであれ回復してくれるから。
だからこそ「恋愛」という、新たにつくられた近代思想が、貧乏人にたいす