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【今日の短歌】七坪書店のイベントレポートと短歌


●今日の短歌

舌で読む我が創作をステアした世界でひとつのサンセットピーチ

歌意はイベントレポートを参照

●日記

今日は最近よく遊びに行っている七坪書店さんのイベント、『400文字とカクテルのコンテスト』に参加してきました。

イベント概要としては、ノンアルコールカクテルの『シンデレラ』『サンセットピーチ』『シャーリーテンプル』にまつわる400字の物語を書き、その物語を読んだバーテンダーさんがベースのカクテルにアレンジを入れてくれるというもの。

そして、物語の内容とできたカクテルに投票し、優勝した人には賞品が授与されました。

担当してくださったバーテンダーさんは、書店の所在地出身の、稲垣さん(インスタへのリンクを下記)
普段は公務員として働きながらバーテンダーとして賞を取ったり、シニアバーテンダーライセンスという資格を取られたりしている凄い方。

カクテルというものに憧れがあるものの、バーに行ったりはできていなかった自分としてはとても楽しみにしていました。

私は、『サンセットピーチ』を題材に一作書かせていただきました。
サンセットピーチは、烏龍茶とピーチネクターを混ぜ、グレナデンシロップを注いだカクテル。その色味からサンセットビーチの名前をもじって名付けられたそうです。

今回はスーパーで揃う材料でというコンセプトのもと、ピーチネクターではなくピーチジュースで作っていただきました。

デフォルトのカクテル飲んでみると、桃の瑞々しい甘さに烏龍茶が爽やかさを足していて、非常にさっぱりとした飲み口で美味しかったです。

私は事前に、サンセットピーチの名前に着想を以下の作品を送っていました。


俺は何物にもなれない。
何かに見せかけた偽物でしかない。
そんな予感を感じながら生きている。

無性に酒を呑みたくなりバーに入ったが、よくよく考えると明日は朝が早く酒を呑んでる場合ではない。とはいえ席に座った手前、何も頼まないわけにはいかない。
ふと、『サンセットピーチ』というノンアルコールカクテルが目に留まる。サンセットビーチをもじった名前らしい。

(本物の夕日になれないお前も、俺と同じ偽物か。)

偽物同士、お似合いだ。自分が自嘲気味に笑ったのがわかる。

「サンセットピーチです。」

ひとつため息をついた俺の前に注文の品が届く。手に取り、オレンジがかった照明を透かすと、カクテル越しに光が透けて見える。

(綺麗だ……。)

ほぅ、と息を吐く。そうか、サンセットピーチ。お前はお前なんだな。決して紛い物なんかじゃない。

そうだ。俺だって、俺なんだ。口に含むと、心慰める甘さと鼓舞する渋さが残る。
明日からも、頑張ろう。


400字という長さが絶妙で、意識して削らないと辿り着けませんでした。
小学校の時の原稿用紙を埋めれなかったのが嘘みたいです。

この物語を受けて、稲垣さんは『オレンジ色の照明』と『明日への活力』のイメージから通常のレシピにオレンジジュースをプラス。

普通のサンセットピーチよりも、明るい色味になって、味もエールを送られるようなオレンジの酸味が加わって非常に美味しい。
自分の物語をフックに味を組み立てて解説してもらえる経験がとても面白かった。
元の味との劇的な差も感じれて良かった。

配っていただいた冊子とアレンジされたサンセットピーチ

最初、物語をベースに味をアレンジするとはどういうことなんだろうと思っていたが、しっかりアレンジされつつまとまっており、バーテンダーさんはすごいんだなと素直に思いました。

他の方のカクテルを題材にした物語やそれをフックにしたアレンジの解説を聞くのは面白く、同じ題材でも全然テイストが違って勉強になりました。

とても楽しみにしていたイベントでしたが、とても楽しく満足でした。

同じ形式のイベントであれ、別のイベントであれ、また参加させていただこうと思いました!

七坪書店さん、本日は本当にありがとうございました!

●余談 

七坪書店さんは歌集『宇宙時刻』を購入させていただいた書店さんで、私の中に短歌の一大ブームをもたらしてくれた書店さんです。

年末年始を共に過ごす、本日の購入書籍たち

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