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カネコアヤノの大阪野音ライブに行った話

カネコアヤノの大阪野音ライブに行った話

7月23日に、大阪城野外音楽堂で行われたカネコアヤノのワンマンショーに行ってきた。彼女のライブに行くのは初めてだった。
私はカネコアヤノのことを知ってまだ2年くらいだし、全部の曲を遡って聴いたことがあってイントロや歌詞を全部覚えてるとかでも熱烈なファンとかでもないけど、好きな曲がいっぱいあって、それらは飽きることなくいっぱいいっぱい聴く。
特に「タオルケットは穏やかな」がリリースされてからの半年は

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窓の外の朝焼け(2023.3.31)

窓の外の朝焼け(2023.3.31)

2回生最後の日の夜、あともう少しでやってくる朝を思い浮かべながら、書きました。1ページしかない、とても短いエッセイです。

まだ知らない言葉の美しさに出会いたい?

まだ知らない言葉の美しさに出会いたい?

(ある1日の記録)

『キッチン』は私にとって大切な本。
ものがたりや、文芸を好きになるきっかけをくれた本だから。

高校2年生の冬、当時読書にはまって図書館に通い詰めていた私に、中一からの大親友が図書館までついてきてくれておすすめしてくれたのが出会いだった。
こんなに短い文章でも、こんなに軽やかで易しい言葉でも、こんなに切なくて奥行きのある物語を紡いで、誰かを深いところから救うことができるのか。

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手放すことで満ちるものはなに

手放すことで満ちるものはなに

(エッセイ)

初めてこの曲を聴いたのはちょうど二ヶ月前だった。
その晩、一日中降り続いた三月の雨は飽きることなく街を洗いつづけており、街角のカフェの橙色の明かりが大きな窓から漏れ出でて、濡れたアスファルトを照らしている。
私はそれをぼうっと眺めながらカフェでだらだらブラウジングをしていたのだが、仲のいい先輩が今度好きな人と観に行くという映画について見ていたら予告編がとても良いので主題歌をフルで聴

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エターナル

エターナル

[エッセイ]
夏休みの最後に友だちと宮古島に行った思い出について書きました。

そのときの風の

そのときの風の

(エッセイ)
文学部の文芸誌に寄稿したエッセイに加筆修正をしたものです。

長い夏休みの最後の方をパリで過ごした。

その期間に知り合ったある人の話をしようと思う。その人はこれからファッションデザインの修士課程に入学するという中国人で、初めて二人で会う日、待ち合わせ場所にYOHJI YAMAMOTOの黒いシャツを着て現れた。背が高く、形のいいシャツと形のいいパンツを履いた、とてもかっこいい感じの人

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