【読書感想】 目を向ければ、あちこち小鳥。
こんにちは、天音です。
とりあえずひとつ小説を書き終えた反動でしょうか。
現在は読書欲が高まっており、オリジナル小説の方は隅においてせっせと積読を消化しています。
note読書感想の記念すべき第一冊目は、川上和人さんの『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』です!
ありきたりな感想ですが、とっても面白かったです!
ツンデレっぽいタイトルとは対称的に、鳥愛に溢れてました。
中身はツンデレ要素なしですよ。
ざっくりと概要を説明しましょう。
この本は、鳥類学者の川上和人さんの研究や調査のエッセイです。
孤島へ行って虫に襲撃されたり、調査地が焼かれたりします。
内容は至って真面目です。
とてもしっかり鳥について書いてあるのですが、その間隙をつくかのようにポコポコ笑えるところがあるんです!
帯にある「笑えます!」という言葉は真実でした。
以下、読んでいて楽しかったり、ほぅほぅと思った内容を書いていきます。
……鳥だけに🦉
第三章では、かつて放牧されたヤギが島に生えている固有種の植物をもりもり食べてしまったので、生態系保全のために駆除します。
その後、在来植物は回復。さらに海鳥も増加しました。
しかし一方で外来植物が激増し、その上ネズミまで増えると言う弊害も生じてしまいます。
また、東南アジアでは、違法な伐採や焼畑で森林減少や調査地の消失が起こることがあるそうです。(第五章より)
越冬地の森林減少や渡りの中継地の乱獲により、日本の夏鳥の数にも影響していると考えられています。
生物多様性の保護は、限られた地域でしても効果は出にくいと思い知らされました。鳥も種も飛びますしね。
遠くにあるようで世界はどこかで影響しあってるんだなぁと。
そういえば、昨年読んだM・R・オコナーの『絶滅できない動物たち』という本にも、国の経済情勢のために調査地が開発されることになり、調査が急かされたと言うお話があったとぼんやりと思い出しました。
結構前なので曖昧ですが……。
なんにしろ、自然環境が相手の研究は不確定なことが多い。
多くの苦労が文章から伝わりました。
目から鱗だったのは、「防御機構が進化している生物は生態系ピラミッドの下位に位置する」ということです。
考えると確かにって感じだけど。
とげとげは強そうなのに被食者なんです。
……つまりとげとげのかっこいいクッパは被食者であり、おいしいということ!
日常に応用できる、生物の基礎的な知識が得られるのもこの本の醍醐味だと思います。
皮の硬いドラゴンも実は焼いたらおいしいみたいです。
被食者なので多分簡単に捕まえられると思います。
今度見つけたらバーベキューにしましょう。
真面目な話とお茶目な話題がドコドコと立て続けにやってきて、休む間もないくらい楽しい本でした。
この本のおかげで、鳥のことを知ることができた気がします✨
確かにそう思って周囲に目を向けると、いろんな鳥がいますね。
川では鴨が泳いでるし。
のっぽのあれは多分サギ。
庭ではヒヨがうるさい。
そういった鳥たちを見る目が変わりました。
鳩がなぜ首を振って歩いているか今は知っています。
メグロが東京固有種なのを知りました。わたしは都民じゃないですけど。
車に落とされた糞の生産過程を知っています。
庭の木に刺さってるはやにえも、モズかなにかのせいなのでしょう。
まじでやめて欲しいです。
閑話休題。
こんなふうに、楽しく笑えて、そして少し鳥に詳しくなれる素敵な本でした!
選書の参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただいてありがとうございます🌸