お線香とねこ
つうう と のびていく
その 白い線を
見上げている ねこ
のびていく
白い線の
じゃまを するなんて
無粋なことは しない
少しの動きでも
その 白い線が
ゆらり ゆらり
体を くねらせてしまうことを
ねこは 知っている
その身を
みっともなく
くねらせる
白く のびる線を
ねこは ことさら
嫌悪する
そのくせ
そよぐ風の いたずらに
白い線が 身を よじると
ねこも じっとしていられず
その身を よじる
右に
左に
白い線と
おんなじように
ねこは
その身を よじる
恋でも しているかのように