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エッセイ〈しとせいかつ〉

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エッセイを綴ってゆきます。作ること、生きること、いろいろと。/詩人(亜久津)・歌人・俳人による、作りながら生きていくための同人「Qai〈クヮイ〉」。Qaiでは月毎にテーマを決め、…
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#エッセイ

部活と私|勝利を許された場所|亜久津歩

部活と私|勝利を許された場所|亜久津歩



「部活」について口を開こうとするといろいろなところが開いてしまい、何から話せばよいかわからなくなる。胸がいっぱいになる。わたしが「部活」を終えた日から、もう17年も経っているのに。

わたしのいた「バスケ部」(を含む「体育会系」)というと「陽キャ」的なイメージが強いようだ。友だちが多く活発で……と言えば聞こえはよいが、声や体や態度が大きく粗野でやたら群れている連中、という印象も拭えまい。部内や

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自己紹介と記事3選|亜久津歩

自己紹介と記事3選|亜久津歩

こんばんは、Qaiの亜久津歩です。外出自粛のゴールデンウィーク、皆さまはいかがお過ごしでしょうか。口を開くと止め処なく漏れ出しそうなので、ひとつ大きく深呼吸をしたところで、ふつうの顔で書き始めてみたいと思います。

2020年5月のテーマは〈自己紹介とQaiのnoteよりおすすめ記事3選〉です。ここで自己紹介をしていなかったと急に気づきました。びっくりです、すみません。QaiのTwitterの固定

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2020年3月|散らかった部屋で散らかった話をするね、あの場所へ帰れるように|亜久津歩

2020年3月|散らかった部屋で散らかった話をするね、あの場所へ帰れるように|亜久津歩



(亜久津歩 Facebookより)

……というような日常です、こんばんは。皆さまはいかがお過ごしでしょうか。わが家は基本的にこもっており、キッズのジャンプで床が抜けそうです。

「2020年3月」をテーマとしたQaiのnoteの締めが近づくも、何を書いても肯定できずにいる。シンプルに今を記録しようとスマホを開くと、LINEでデマのコピペが届いた。次いで訂正と謝罪。体を冷やすなお湯を飲めと言わ

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創作とこども|強姦のような青空だった|亜久津歩

創作とこども|強姦のような青空だった|亜久津歩

こんばんは、亜久津歩です。 #Qai#note 、2月の共通テーマは「創作と #こども 」。作品もよし散文もよし、各自思うままに綴ります。

わが家の兄弟のほんわか育児エピソードを書こうかとも考えたものの、ここを避けて通ることはどうしてもできないという出来事があり、向き合ってみることにしました。十年以上を経た後日談とは言え気が重く、公開ボタンを押す直前まで開いたり閉じたりしています。自分語りにな

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2020年の抱負|欲ぶかく楽しく夢を全部盛り|亜久津歩

2020年の抱負|欲ぶかく楽しく夢を全部盛り|亜久津歩



新年明けましておめでとうございます。国内外を問わずおめでたいとは言い難い情勢ですが、ともかく生き延びてまた新たな節目を迎えられたと喜んでみようと思うのです。皆さん、おめでとうございます。

さて。同人4名が共通のテーマで書き交替に更新しているQaiのnoteですが、今年から順序が変わり、先鋒はわたくし亜久津歩となります。早速ですが2020年最初のテーマは「今年の抱負」。ひねりなしの正拳突き!

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【創作と道具】詩の道具/亜久津歩

【創作と道具】詩の道具/亜久津歩

こんばんは、詩人の亜久津歩です。そう名乗らないと忘れられてしまうくらい、詩の完成しない生活を送っています。ンガググ。

さて。今、この記事をiPhone Xで書いている。書くにも読むにもスマートフォンは必需品だ。日常的に子の寝かしつけをしている方なら、共感をもってお分かりいただけるのではないだろうか。

相棒のアプリは「iテキスト」。縦書き・横書きを選べる。日本語の書体は明朝体もゴシック体もヒラ

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【創作と仕事】やめないこと。今はそれだけで/亜久津歩

【創作と仕事】やめないこと。今はそれだけで/亜久津歩

「Qai」のnote、今月のテーマは「創作と仕事」。いざ書き出そうとして、無意識のうちに「仕事」を「稼業」へと置き換えていることに気がついた。

わたしはDTPやライティングでお金をいただいている。そういった「仕事」が詩作にどのように関係・影響しているか‥‥‥を書き出そうとして、そうじゃないなと思った。今、伝えたいことは。

稼業は「仕事」の一部に過ぎない。テキストや書籍を扱う職種なので分野とし

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【創作をやめようとした日】亜久津歩

【創作をやめようとした日】亜久津歩

作るという楽しみまたは症状について

わたしはいつ創作を始めたのかわからないし、創作を「やめる」ということも、本当はわからない。詩を発表しなくなることはあるかもしれないが、何かしら作ってはいるだろう。

そもそもやめ方を知らない。唯一、これで終わりかもしれないと感じたのは、生きること自体をやめようとした日、もう少し正確に言うと、やめるしかないと信じ込んだ日日のことだ。27歳くらいで読まれない詩と

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詩|誰かのために詩を書ける?

詩|誰かのために詩を書ける?

わたしは自分や自分の人生に意味づけたくて、理不尽な暴力にも理由がほしくて、詩のようなものを書き始めた。詩というものも、生き抜く術も、知りようのなかった頃のことだ。

誰にも言えない苦しみに自分なりの意味を与え、名づけ。そうして一つずつ小石をつくり、岸になるよう積んだ。すぐに崩れてはまた。

抱えきれない感情や衝動を、言葉を憑代に身から剥がした。排出されたそれは、まるでわたしの分身か、作品のよう

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