
2025年度から、母子手帳に先天性サイトメガロウイルス感染症の早期発見へ、検査記入欄追加。
こんにちは、翼祈(たすき)です。
この記事では、「先天性サイトメガロウイルス感染症」がテーマですが、まずは説明したいと思います。
「先天性サイトメガロウイルス感染症」とは、子宮内の赤ちゃんにサイトメガロウイルス(CMV)が感染し色んな症状を発症してしまう感染症です。
症状を伴う感染症が発生しやすいところは、初めてお母さんが妊娠中にサイトメガロウイルス(CMV)に感染する、初感染のケースです。初感染では、お母さんの血液にはサイトメガロウイルス(CMV)を異物だと認識し、攻撃する抗体という免疫のたんぱく質がないことで、赤ちゃんが発症しやすく、症状が重症になる恐れが上がってしまいます。
また、以前お母さんに感染していたサイトメガロウイルス(CMV)が身体の中に潜んでいる時には、そのサイトメガロウイルス(CMV)が妊娠中に増殖し、子宮内の赤ちゃんに感染してしまう時もあります。
サイトメガロウイルス(CMV)は、ウイルスを含む尿や唾液などを介して感染します。健康な人が感染しても多くは無症状ですが、妊娠中に感染すると、赤ちゃんに感染し、発達の遅れなど発達障害や難聴、小頭症、肝炎、紫斑(皮下出血)、てんかんなどが起こるリスクがあります。新生児の0.3%が「先天性サイトメガロウイルス感染症」だったとのデータもあります。
2025年4月、こども家庭庁は、先天性の難聴の原因となる「先天性サイトメガロウイルス感染症」を早期発見する自治体の体制強化を図ります。
母子健康手帳に、サイトメガロウイルス(CMV)の感染を解析する新生児聴覚検査を受けた結果の記入欄を新しく設置し、難聴が疑われる赤ちゃんが新生児聴覚検査を受けたか否かを保健師などが確認可能な様にします。
今回は、こども家庭長が、2025年度から母子手帳に検査記入欄を記載する「先天性サイトメガロウイルス感染症」で、得られる効果などを説明します。
母子手帳に、「先天性サイトメガロウイルス感染症」の記載ができることで、赤ちゃんを救えることとは?

早期発見の手がかりの1つが新生児聴覚検査です。全ての新生児が、概ね生後3日以内に新生児聴覚検査を受けます。難聴の恐れが判明した新生児には、サイトメガロウイルス(CMV)の感染を解析する尿検査が推奨されています。
生後3週間以内の実施が望ましいですが、医療関係者にも「先天性サイトメガロウイルス感染症」の認知度が低く行われず、サイトメガロウイルス(CMV)の感染が見過ごされているケースがあります。
これを受けてこども家庭庁は2025年度から発行する母子健康手帳に、尿検査の日付や結果の記入欄を新しく設置します。自治体の保健師などが、母子の自宅訪問をし、授乳などを指導する時には、難聴が疑われた新生児が尿検査を受けたか確認する様に要求します。必要に応じ、病院の受診を促進するなどサポートをします。
参考:「先天性サイトメガロウイルス感染症」の早期発見へ、母子手帳に感染症の検査記入欄を新設 読売新聞(2025年)
「先天性サイトメガロウイルス感染症」は、子どもの難聴の原因では、遺伝性に続き2番目に多いとされ、2023年になってから、初めての治療薬が登場しました。生後2ヵ月以内の治療薬の投与開始が望ましいといいます。
サイトメガロウイルス(CMV)が専門の、日本大学板橋病院小児科の教授の男性は、
「母子手帳に『先天性サイトメガロウイルス感染症』が記載されることを機に、医療関係者や妊婦に、速やかに治療すれば、聴力を改善する可能性もあることなどを周知することで、周りの人たちにもサイトメガロウイルス(CMV)への理解が浸透して頂けることに期待を込めています」
と説明しました。
時々ある妊娠と出産のエピソード
私が知人から聞いた話をしたいと思います。
ご主人が母子手帳を貰いに来ました。「出産予定日はいつですか?」と聞くと、
『今朝生まれました。病院にはかかっていませんでした。私も妻も妊娠していると思っていませんでした』。
「えっ?なぜ?」と深く聞いていくと、
『妻は今朝腹痛で救急車で運ばれ、出産しました。私が仕事から帰宅すると、妻がいない。隣人によると、救急車で運ばれ、どこの病院に行ったかも分からないと。私が確認すると、産婦人科でした。行くと、赤ちゃんが誕生していました。
妻は前からふくよかな人で、妊娠しているのか分かりませんでした。前からふくよかだったので。
妻は月経不順で、生理が来ていないことを気にしていませんでした。私が赤ちゃんが誕生したことにびっくりして、母子手帳を貰いに来たというわけです』。
その後このご夫婦はどうなったのか分かりませんが、出産自体は順調にいったそうです。
上のエピソードは決して珍しい話ではなく、今でも聞くことのあるエピソードだと聞いています。
本題の「先天性サイトメガロウイルス感染症」に戻りますが、感染で難聴や発達の遅れになることは非常に悲しいこと。
それでも母子手帳に記載されるということは、一定数の患者がいるということ。
私は片耳難聴ですが、実際に色々不便です。
この間、耳鼻科の通院で、「低い音が聞こえづらくなっていますね。2024年の2月より、低い音のところの右の聴力が下がっていますね」と言われて、ショックでした。
今回の導入で、「先天性サイトメガロウイルス感染症」を早期発見できる、そんな社会にしたいです。
