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花粉症対策の「少花粉スギ」などが、特別天然記念物のカモシカに食べられる被害!

こんにちは、翼祈(たすき)です。

私は花粉症ではありませんが、今罹患しているRSウイルスが、黄砂以外にも、花粉症でなくても、花粉にやられている可能性があると病院で言われて、「花粉め…」と思っています。

4月なのに、福岡県でも28度以上を記録するなど、会社でも半袖を着ている方も出て来ました。

この記事はnoteでは3本目の花粉症の記事なのですが、以前書いたものとも共通点があって、少し違う角度の話ですが、大事な話だと思っています。

東京都が花粉症対策として植樹した「少花粉スギ」などの苗木が、野生動物に食べられる被害が相次いで発生しています。多くはシカ(ニホンジカ)による食害と見受けられますが、中には国の特別天然記念物・ニホンカモシカが出没して食害に遭うケースもあります。ニホンカモシカは捕獲が禁じられていて、関係者は「『少花粉スギ』から、追い払うこともできない」と対応に苦虫を噛んでいます。

今回はニホンカモシカが与える花粉症対策への影響について考えていきます。

ニホンカモシカによる被害。なぜ防げない?

2024年春、JR五日市線武蔵五日市駅から4km足らずの距離にある、東京都あきる野市深沢で、花粉症対策事業地でニホンカモシカを目撃しました。親子と考えられる2頭が悠然と動き回り、若木の葉を探して食べている様に見えました。

この現場は、東京都が花粉症対策とし一般的なヒノキやスギなどの人工林を伐採し、2018年に花粉の少ないヒノキと、「少花粉スギ」をおよそ2万本、広葉樹をおよそ4000本植樹したエリア一帯となっています。

東京都の花粉症対策を担当する外郭団体によりますと、植林から5年以上が経過しても「少花粉スギ」の苗木が上手く育っていないといいます。原因はニホンカモシカなど野生動物による食害があるからでした。

東京都あきる野市の山中に出現したニホンカモシカは、現場は東京都の花粉症対策事業で通常のスギなどを伐採し、「少花粉スギ」に植え替えたエリアですが、食害に悩まされているといいます。

シカは鳥獣保護法で捕獲が許可されていますが、ニホンカモシカは特別天然記念物として保護する必要があるので、原則として捕獲は禁止されています。関係者は「ニホンカモシカを頻繁に見かけるのに、『少花粉スギ』の苗木を食べられても指をくわえて見ているしかできません」と苦しい胸の内を吐露します。

東京都によりますと、関東山地が保護対象地域に指定された1984年以降、ニホンカモシカの保護を続けています。東京都のレッドデータブックによりますと、東京都内に生息するニホンカモシカの個体数は推定207頭で、この数年ほぼ横ばいの個体数で推移しています。

参考:「犯人」はカモシカ? 花粉症対策のスギ食害「駆除できぬ」 毎日新聞(2024年)

ですが、昔は山奥にいたニホンカモシカが市街地に近い山林でも目撃されるケースが増えています。人家の近くまでニホンカモシカの生息域が拡大している理由は明らかになっていません。

東京都の花粉症対策を担当する外郭団体は、「防護柵を作って、『少花粉スギ』の植林をやり直します」と説明しました。

良い対策だと思ったのに

noteで1本目の花粉症の記事を書いた時に、最後の自分の感想に、「少花粉スギ」について触れました。

「花粉症は今後もかかる人が増えつつある現代病だから、花粉が飛ばないスギを植えることで、かかる人を少しでもこれから無くせるかもしれない」と考えたら、凄く良い対策だと思っていました。

しかしこの記事では、「少花粉スギ」がニホンカモシカの食害に遭って成長できず、ニホンカモシカが国の特別天然記念物だから駆除できない、という負のループを辿っています。

少し話が逸れるかもしれませんが、ベランダなどに来るハトやカラスも、鳥獣保護法によって守られ、どんなに迷惑でも、駆除ができない法律になっています。それとニホンカモシカを駆除できないのは、似ている観点だと思います。

動物は賢い生き物ですから、遠ざけようとして対策をしても、動物も考え、それを潜り抜けて、また人は対策を1からし直しといった、本当にイタチごっこになっています。

どんどん気温が上がっている中で、毎年花粉の飛散量も増え、「少花粉スギ」のニーズは高まっていく。でも、成長過程で「少花粉スギ」は、ニホンカモシカの食害に遭ってしまう。書いていて、簡単に「これで解決」とは言えない、難しい問題だなと感じました。


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