愛・地球博記念公園内を走る「ネコバス」が、盲導犬を連れた視覚障害者の乗車断る!
こんにちは、翼祈(たすき)です。
皆さんは、「合理的配慮」をご存知ですか?今月から「合理的配慮」の在り方が変わったこともご存知でしょうか?
2024年4月1日に「改正障害者差別解消法」が施行され、国や自治体など以外にも、民間の事業者にも、障害を抱えている人の要望に対して「合理的配慮の提供」が義務付けられました。
内閣府によれば、「合理的配慮の提供」とは、障害を抱えている人が社会生活を送る上でハードルとなっているものに関して、取り除いて欲しいと要望があった場合に、ハードルを取り除くための行動を行うこととされています。
例えば、筆談をする時に文字が小さくて読みにくい場合には大きな文字を書くことや、段差がある時にはスロープなどを付けて補助する場合などです。
私たち障害者が「合理的配慮」が足りないと感じたことは、以下の様なことです。
▽「職場や仕事」が40%と最多で、
▽「公共交通機関」が36%、
▽「飲食や買い物などのサービスを利用する時」が29%
など
自由記述では、
「買い物をした時の袋詰めを店員に拒まされた」
「筆談を求めても対応して貰えなかった」
などの声が寄せられたということです。
こうした「合理的配慮」は負担が重すぎない範囲で行うことと定義され、食事の介助を行っていない飲食店が介助を求められた場合に断ることもあるなどは法律に違反しないと想定されています。
その反面、「もし何かあったら」という漠然としたリスクを理由に対応しないことや、前例がないからと個別の事情を検討せずに一律に対応を拒否することなどは避けるべきだと定義しています。
違反行為を繰り返し行なった時などには、国から報告を求められることや、勧告や指導を受けたりする可能性もあります。
内閣府は、社会的な障壁を取り除くためには障害を抱えている人と事業者が対話を重ねて一緒に解決策を導くことが重要だといいます。
そんな「合理的配慮」が強く求められる様になった、2024年4月に耳を疑う様なニュースを耳にしました。
愛知県長久手市にある愛・地球博記念公園内を走行する「ネコバス」に乗ろうとした盲導犬を連れた視覚障害者の方が、安全性を理由に乗車を断られていたとして、愛知県の大村秀章知事は2024年4月16日、定例の記者会見で「認識不足だったとしかいいようがありません」と陳謝しました。愛・地球博記念公園の運営者は、盲導犬を連れている視覚障害者の乗車を想定していなかったとして、愛知県などは乗車できる様に、「ネコバス」の運用を見直しました。
現在は盲導犬を連れた視覚障害者の方も乗車できる様に、希望があればスタッフが同乗するなどの対応も含め、「ネコバス」の運用を改めました。
この件が起きたのは、2024年3月だそうですが、今回はこの「合理的配慮」に基づかない誤った対応をした、この問題を炙り出します。
2024年3月、
「ネコバス」は、ジブリ映画[となりのトトロ]のキャラクターをモチーフに作られた車両で、2024年3月16日に運行をスタートしました。愛・地球博記念公園を管理する愛知県によりますと、同日2024年3月16日にに乗車券を購入した盲導犬を連れている視覚障害者の方へ、車両の側面に飛び出しを防ぐ囲いがないことなどを理由に、視覚障害者の方と盲導犬の安全を確保できないと現場のスタッフが判断しました。乗車も断りました。
同日2024年3月16日に、こうした状況が愛知県に報告され、乗車を断られた、盲導犬を連れていた視覚障害者の方からも苦情が届きました。車両を運行する、東京都にある「モネ・テクノロジーズ」が福祉関係者から、訓練を受けた盲導犬が急に車両を飛び出すことはないといった指摘を受け、2024年3月29日以降は「ネコバス」を利用者に車両の特徴を説明した上で、乗るかどうかを利用者本人に判断して頂ける様に運用に変更しました。
参考:“ネコバス” で盲導犬連れた視覚障害者 乗車断られる 愛知 NHK NEWS WEB(2024年)
大村知事は「車両には囲いがないことから視覚障害の方の乗車を断ったということでしたが、盲導犬は急に飛び出すことはないとのお話を聞いて、認識不足だったとしか言いようがありません。対応を受けた方には大変申し訳なく、乗車を断られた方にはお詫び申し上げます。大いに反省し、皆さん全員に楽しんで頂くことが必要だと思っています」と説明しました。
さらに「皆さん全てに楽しんで頂ける様に、私からもしっかりと指示をしています。来週の閉園日に、中部盲導犬協会や障害者男体や日本介助犬協会の方々をお招きして『ネコバス』の試乗を行うと話も聞いております」と述べ、対応を改める様に「ネコバス」の運行を担当する「モネ・テクノロジーズ」などに伝達したことも明らかにしました。
モヤモヤする
私は前書いた記事で同じ様に、モヤモヤした気持ちになりました。それは国際サッカーの試合で、車椅子の座席がある会場だったのにも関わらず、「車椅子用の座席はないので、応募対象外です」と、応募を受け付けるキャンペーンで、事前に車椅子の人の応募を「無理です」と主催者が断っていた話です。
あの時もモヤモヤとしました。
今回のニュースも、車椅子ではないとはいえ、同じ障害者の方に、見た目だけで、「乗せられませんよ」と言ってしまったことが、かなり良くなかったと思います。
この記事を書く前日に、ちょうどテレビで、「合理的配慮」のニュースを観て、例題に上がっていた視覚障害者の方も、近くに行けば少し文字が見える弱視の方もいれば全盲の方もいる、白状や盲導犬を連れた人もいる、なので全くこの例題に該当しない人はいない、というものでした。
その中で、「建設的対話」など、初めて知った、障害者の方の配慮をする言葉も知りました。
このニュースが起きたのは先月ですが、なぜ約1ヵ月も公表に時間がかかったのでしょうか?被害を受けた方と、話し合いを重ねていたのでしょうか?
それでも今回の対応も良くなかったですね。以前から盲導犬を連れた方の入店を禁止するお店もありましたが、「合理的配慮」がより深く求められる様になった2024年4月からは、嫌な想いをする障害者の方が居なくなってほしいと、そういうケースが今後は出ないことを祈りたいですー。