『グリーンスローモビリティ』を試験運用して、高齢者の移動の足を守ります!
こんにちは、翼祈(たすき)です。
『グリーンスローモビリティ』とは、時速20km未満で公道を走行可能な電気自動車などを言います。国土交通省が2018年に普及事業を掲げ、地球に優しく、ゆっくり走行できる車両の特長にちなんで、こう名付けました。
道路運送法では有償では一般的に、緑ナンバーでなければダメですが、交通空白地などでは白ナンバーが許可される事例があります。自治体の車両を借りて走行する無償輸送は、法的な登録や許可は必要ありません。
そんな『グリーンスローモビリティ』を2024年3月まで、試験運用している都道府県があります。
低速で、かつ狭い道も走行できる電気自動車『グリーンスローモビリティ』を高齢者の移動の足として活かして貰いたいと、2023年10月、東京都葛飾区にある住宅街で、電気自動車の車両の管理や運転を住民に任せる都内で初めて実証実験がスタートしました。高齢化が進んでいる下町の助け合い精神理念を元に、新しい公共交通の可能性を模索します。
国土交通省によりますと、『グリーンスローモビリティ』は2018年以降、2023年3月末までに日本では130ヵ所での走行実績があるといいます。東京都葛飾区の様な、地域住民向けに住民を主体して走行するケースは「全国的に見ても極めて珍しいことだ」といいます。
今回は『グリーンスローモビリティ』の試験運用に踏み切った、東京都葛飾区を特集します。
『グリーンスローモビリティ』が超高齢者社会で主流となりそうな、この試験運用
「楽に重たい洗剤やビールをスーパーに買いに行けます」と、『グリーンスローモビリティ』を利用している女性はそう喜びました。この女性は2019年に高齢ドライバーの事故が発生した後に運転免許証を返納しました。「品揃えの良いスーパーに行きたい気持ちはありますが、道中は車通りがとても多くて大変です。車に注意しつつスーパーまで歩いていくとクタクタになりますし、滅多に行かなくなっていました」と嘆きました。
『グリーンスローモビリティ』の試験運用を実施する東四つ木、東立石は、65歳以上の高齢者数が総人口の25%を占めます。最寄り駅まで徒歩で行って、15分以上かかる地区もありますが、一方通行で道幅が狭いエリアが多いことから、新規の路線バスの導入は困難でした。
「高齢者率が増加し、危機感が芽生えました」と、町会長の1人の男性は話しました。2016年頃から新しい交通手段の導入の検討の議論をスタートしました。最初はデイサービスの送迎車を走行させようとしましたが、旅客運送に該当し第2種免許が必要になる可能性がありました。「新規に免許取得が必要ならば『持続的』ではない」とそれも断念しました。葛飾区とも協議し、普通免許だけで運転できて、低速で高齢者でも操作しやすい『グリーンスローモビリティ』に着目することにしました。
『グリーンスローモビリティ』は、アクセルを踏み込んでも時速19kmまでしか速度が出ない仕様となっていて、8人乗りで全幅は軽自動車位の大きさです。葛飾区からリースを受け、運転手は地元のボランティアから募集をかけました。仕事の合間に走行の協力が可能な人や定年退職した人たちなど19人の交代制で『グリーンスローモビリティ』を運転しています。
『グリーンスローモビリティ』の走行ルートは2つです。住民の要望が多かったスーパーや病院、薬局などに停まります。事前に決定している場所に乗車しますが、買い物帰りの人でも乗車しやすい様に好きな場所で降りることができます。それぞれ1日4便ずつが1週間に2日運行で、利用料は必要ありません。
参考:地域の足はアクセル踏んでも最速19キロ!? お年寄りの送迎に注目集める「グリスロ」 葛飾で実証実験 東京新聞(2023年)
町会長の1人の男性は、路線バスの運転手不足などが危惧されている2024年問題も踏まえた上で、「自分たちで移動する手段の確保をすることが、さらに大切だと感じています」と強調します。
葛飾区の『グリーンスローモビリティ』の事業費はリース料など894万円かかります。2024年3月まで地域住民の安全性や需要、運転手確保の継続性などを検証を重ねていき、『グリーンスローモビリティ』を本格的に導入するかどうかを決定します。
『グリーンスローモビリティ』が祖母の住む地域にも、
あったらどれほどいいんでしょうね。スーパーも遠いですし、祖母の家から1番近いコンビニだって、高齢の祖母の足ではとても行けません。
確か私が祖母の家からコンビニに行った時には、片道20〜30分かかりました。ずっと昔、祖母が若く、母が小さかった頃は食べ物屋さんや駄菓子屋さんなど、近くに食べ物を買える店があったということですが、店が高齢を理由に廃業し、何も店は1軒もありません。
祖母は「私の足ではどこにも行けないし、ただ近くの景色をこの窓から眺めて毎日を過ごすしかない」と、ずっと言っています。
そんな過疎地の祖母の家の近くで『グリーンスローモビリティ』が走ればどれほどいいのでしょうけど、周りに坂道はあるし、道は狭いんですよね。
それでも移動手段が全くないよりは良いので、『グリーンスローモビリティ』が走ってくれたらいいんですけどね…。