*酒蔵直伝! 米糀を作るための米の蒸し方
米糀を仕込む第一過程として、米を蒸すという作業がある。
その際、蒸し米はパラッと固めに蒸し上げるのがポイントであって、
米がおいしそうなご飯になってはいけない。
米の蒸し上がり次第で仕込みの出来が大きく変わる大切な行程だ。
何度も失敗を繰り返し、道具や時間を変えて、なんとか良い蒸し加減をつかんできた。
これさえ上手く出来れば、仕込みの大半は成功したようなものだから、
少々気を引き締めて挑戦してみよう。
使う道具・蒸し器・蒸し布・飯台・団扇・しゃもじ・温度計・白米
Point1 できるだけ古米を使うこと。新米を使うと水分が多すぎ、私たち素人が家庭用の道具で蒸したところで、べたっとした「ご飯」になってしまう。
ご飯になってしまった米は、米粒同士がくっついてしまうため、麹菌が繁殖しにくくなる。
ぱらっとした蒸米を目指してみよう!
仕込み方
①仕込み前日に米をさっと洗う。
少し白濁が残っているくらいでよい。
②一晩浸水する。気温15度で8~10時間が目安。(しっかり浸水されると米粒が白くなる。)
気温や米の摺り加減、新米か古米かで浸水時間を変える。古米を使う場合は15時間ほど浸水してもよい。
ここでは玄米は使わない。
③仕込み当日朝、浸水した米をザルに上げて1~3時間水切りする。
米粒の中にはしっかり水分が入っていて、表面はさらっとしている状態がよい。
Point2 しっかり水切りできるよう大きめのザルを使って広げる。
④蒸し器の湯を沸かし、湯気が立ったら蒸し布1枚を広げ、
水を切った米を入れ、指で刺すようにして全体に押し込めていき、上から手でしっかり押さえる。
まだ蓋はしない。10分程強火で加熱すると、米の表面から蒸気が沸き、
米の匂いがしてくる。
蒸気の上がったところから米の色が半透明に変化するので、
表面全体の色が半透明に変わったことを確認できたら
敷いている蒸し布を被せ、蓋をする。
Point3 蒸し器がアルミのものである場合、湯気が蓋にたまり、雫が落ちないように工夫すること。蒸した米に落ちるとべたっとした仕上がりになる。
地元の酒蔵の糀仕込みを見学させて貰った時は、頒布で蓋をしていた。
⑤蓋をしてから強めの中火で70分加熱する。
米の状態により、蒸し時間は変わるので、慣れるまでは60分頃から米粒の状態を確認する。
何粒か摘んでみて、ひねってひねりもちを作ってみる。
芯が残っておらず中まで火が通っているが、食べるには固い状態。表面はパラッとしている。
硬すぎるようなら、もう10分追加する。
うちでは古米3キロで1h20mかかる。
⑥蒸し上がったら、米を飯台に広げる。
団扇で扇ぎながら冷ます。
しゃもじで返し、べたついた米(白くなった米)がないよう蒸気を飛ばす。
Point4 蒸し米を十分に広げられるくらいの飯台があれば
団扇で仰がずとも、しゃもじで混ぜ、上下を返すだけで充分。
飯台が小さく、蒸した米の蒸気で米がべたつきそうなほどであれば、
団扇で仰ぎ、蒸気を飛ばす。
特に隅の方は水分が溜まりやすいので注意する。
⑦温度計を差込み、40度程度まで冷ます。
Point5 冷ましすぎないこと。30~40ど程度が良い。
この後の米麹仕込みは次回へつづく・・(''ω'')ノ