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【詩】くらやみ

途端に目の前が真っ暗になる

ひとつの不安が
あれもこれも呼び覚まして
ふさぎ込む

きっかけは
からだのこと
だったりする

あるいは
古くてしぶといこころの傷
だったりする

はたまた
それは明日の不安
だれかの心配

はじめは
ほんのささいなこと
かもしれない

こころとからだは
やたらと繋がっていて
どうにもほどけない

それに時というのは不思議だ
本当に経っているのか
分からないのに
それは確実にすすんでいる

あなたは独りぼっちではないと
よく人は言う

心からうんうんと頷けるとすれば
それはとても恵まれているか

あるいは
すでに立派な成長を遂げているから
かもしれない

でも

あなたが独りぼっちと思うなら
独りぼっちで泣き続ければいい
と私は思う

そうすれば
きっとゆっくりと
闇をみる目が肥えてくる

それでも私たち

本当は独りじゃないと
心のどこかでは分かっている

本当に独りなら
こんなに苦しくはならないだろう

ああこんな夜

目に見える人が今
誰も分かってくれなくても
少なくとも月は
生きるあなたを見守っている

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