すべての偶然を愛している・・・4
こんにちは、精神障害ピアサポート専門員愛音です
今回は体験したデイケアの続きの話
職員Gさんは私の今の人生を作る
大きな大きな鍵になっていたんです
・お花見
デイケアは体験をしてそのまま利用を決めました
4月の最初のプログラムは「お花見」
またデイケアルームに集まりおにぎりを作って
桜が有名な公園に行きました
開花のタイミングが良くて桜が満開
「去年は咲いてなかった」
「今年はすごく綺麗!!」
勝手に桜からデイケア参加を祝ってくれたようです
【いつか私の人生もこの桜のような
満開になるのかな?
・・・なーんてね
ダメダメ、期待したって
どうせ私なんて自分で自分を裏切るさ】
・実は、断っていたの
デイケアに慣れながら、利用者の性格も知っていきました
じっとしていられない人
とてもおしゃべりな人
寡黙な人、など
プログラムもDVD鑑賞、作品作り、お出かけ、いろいろとありました
月2回、バスと電車を使い通うことも新鮮
こうして自分だけの世界から外の世界からの刺激を取り込みます
利用してしばらくするとGさんと話す機会がありました
デイケアはどう?とか何気ない話でしたが
びっくりすることを言われました
「実はデイケアにはすでにメンバーが沢山いるから
新しく利用したい方がきたけれど
何名か続けて断っていたの
でも愛音さんがきた時ね、私受け入れちゃった
なんでかしら?」
Gさんから「体験はできるけれど
メンバーにはなれません」と言われるはずが
気まぐれか、偶然という名の運命でメンバーになり
年代はバラバラ、障がいがあるという繋がりで
友人が増えました
・友人からの情報
メンバーから働かないの、と聞かれました
「バイトはまだ怖いから無理」
「じゃあB型作業所は?私たち行ってるんだよ」
・・・B型作業所?
なんだ、なんだそれは?
「障害ある人が働ける場所
パン作ったり、パソコン使ったり
割り箸入れる作業とか
いろいろな作業から選べて
お金もちゃんともらえるの」
お金がもらえる、働くなんて今まで経験ゼロなのに
できるのか?やれそうか?きっと無理だろうなあ・・・
「愛音さんなら問題ないでしょー、大丈夫!」
とりあえずは頭の片隅に【B型作業所】この言葉を置くことにしました
・フェスティバル参加
デイケアでは作品作りをしています
メンバーみんなでハンカチやTシャツで藍染をしたり
裁縫が得意な人はその作品を一人で作っていました
作ったものは年に一度行われる市内の障害者フェスティバルで売ります
私も自分で自然の写真を撮り
そこに短い文章を載せたものを作品として出しました
フェスティバルには思ったより多くの出店がありびっくりしました
「デイケアはこんなに多くあったのか」
「障害を持っている人もこんなにいっぱい外に出ている」
中にはデイケアではなくB型作業所からの出店もありました
どちらにせよ、障害を持ちながらもなにかに一生懸命になり
仲間と協力することで個人の力が大きくなります
それに一番驚きました
なぜなら私が障害者になってから経験したことのないこと
障害を背負ったことで前向きに、一生懸命に、ということは消え去りました
「どうせ頑張っても駄目になる」
「いい子の優等生からは、もうとっくに転落しているよ?」
「それならもう一生懸命なんてやめちゃおう」
「失敗して惨めになる、なにより恥かくだけだ!」
このように逃げ癖が染みついていました
デイケアメンバーは純粋にフェスティバルを楽しんでいました
買い物をしたり、売り子をしたり、
だけど私は身体、知的、精神障害をもつ多くの人を見たとき
「どこかでもう一度、頑張ってみるのもいいのかもしれない」
そう思えました
心の奥で音がする、声がする、
・・・もう一度、本当はどこかで頑張りたいよ
*愛音*
「すべての偶然を愛している」
偶然の連鎖から再び人生を前向きに歩きたい・・・
自伝的エッセイ一作目「あの頃すべてに必死だったね・・・」
不登校から精神障害を背負ってきた人生について