あの頃、すべてに必死だったね・・・9
こんにちは。精神障害ピアサポート専門員愛音です。
次回でこの連載も10話になります。ちゃんと伝わるように書けるのか、着いてきてくれる方はいるだろうか、途中でストップすることにならないか、色々な思いを感じながら毎回書いているんですよね、実は。
それでは本題に入りましょうか。今回は壊れた心を持って生きていた話になります。
・部屋に引きこもり
不登校になり死んだように眠り続けると思えば、生活バランスもガタガタで、不眠症になりました。一応眠剤を処方されていましたが効いた記憶はほぼなし。深夜に何をしていたかと言えばラジオを流しながらルーズリーフに思いを書いたり、特に理由もない自傷をしていたり。そしてもう一つは自分の部屋の中をふらふら歩き回りました。時間をつぶす方法だったのか、何の意味があったのか、だけど記憶としてこのことも残っています。
部屋にいたのはそこが世界で一番安全な聖域と思っていたからです。いるのは私だけ。親もほとんど入ってこない。友達も、近所の人も、知らない人が来るなんてことはない。
自分を傷つける対象がない世界、聖域でした。今思うとこれが自分を守る方法だったんです。いつだって、どんな形であれ、私は私を守ることに全力でした。
・八つ当たり
小さい頃我が家にはあるルールがありました。
『八つ当たり禁止』
この八つ当たりも幅が広いです。八つ当たりで人を攻撃するのはもちろんダメで、物に当たっても叱られます。不機嫌な時ドアをバタン!と大きな音を立てて閉めると「なんでそんなにドアを閉めるの?そのドアが愛音になにをしたのかきちんと説明しなさい」こういう叱られ方をされます。
この叱られ方のおかげか私も兄も八つ当たりをしないようになりました。でも私はこの引きこもりの時期に軽く八つ当たりをするようになっていきました。ルーズリーフを破いたり、枕を何度も叩いたり、ぬいぐるみも叩きつけたことがあり、八つ当たりではないけれど大声で叫ぶことで心のバランスを保とうとしていました。
そして八つ当たりとして部屋の背の低い収納棚を倒したくなるときもよくありました。カーテンも破りたかった。本をあちこちに投げつけたかった。
「私はやってもいいと思うよ」そう言ったのはカウンセラーのF先生。それに対しての答えが「でも収納棚倒したら元に戻すの大変だし、カーテンは買わないといけない。本のページが折れたらきっと心痛くなるからやれない」「愛音さんは面白いところがすごく冷静だよね」結局これらの八つ当たりはしないままでした。
・探し物
「・・・外、行く」
引きこもり生活をしていても1人で外に出る時もありました。散歩のようで、散歩じゃない。1人で外に出るときは死に場所を探しに行ってました。だけど行く場所はいつも小学生の時に友達とよく遊んだ公園ばかり。ブランコに座ったり、滑り台の上でぼんやりしていました。「なんで「ここ」には誰もいないの・・・?」いるはずがない。本当に探していたのは死ねる場所なんかじゃない。不登校になると知らなかった時の小学生の記憶が詰まった場所へ行って、そこで・・・
「小学生の私たちに」会いたかった
高校生に成長した友達じゃないんです。赤と黒のランドセルを背負い「帰ったら公園集合だよー!」無邪気に笑って、追いかけっこしたり、かくれんぼしたり、サッカーをしているのを見ていたりしてた、そんな友達と自分をずっとずっと探していました。
いるはずないのは分かっている。みんな成長したと知っている。成長していないのは「私だけだ」人生の時計はあの14歳の教室で苦しんでたまま針が動かない。
どんどんと周りは成長して、離れていく。1人だけ取り残される。
だから泣いて自傷をするときは決まってこうでした。
なんで私だけ子供なの!
みんなはどんどん前に行くのに、どうして14歳のままなの!
じゃあ戻してよ!間違えたあの時に戻して!
今度は間違えないから!!ちゃんとするから!!
戻ることばかり考えていました。戻れるはずないのに自分が14歳の教室から逃げなければここまで人生が狂わなかった。今背負ってる苦しみは逃げた代償、そう思っていました。
小学生の時みたいにまた友達と笑って過ごしたかった。だからずっと探していたんです。
過去の自分たちを。
・ネット上の仲間
不登校・引きこもり・自傷
この三つをネットで検索すると沢山の交流サイトが見つかりました。そこには掲示板やチャットがあって初めは色々な人の話を見ているだけ。
同じことで悩んでいる人がこんなに沢山いて、掲示板でやり取りでみんな楽しそう。
そして私もそこに加わりました。毎日掲示板に相談事を書いて、夜にはチャットを3時間くらいしていました。
同じ境遇の人と話すのはこんなにも楽になる!1人だけ異常だと思っていたけど、そうじゃない!だってみんな私のこと分かってくれて、私もみんなの悩みが分かるもの!
この時から学校の友達よりもネット上の仲間の方が何倍も大切で信頼していました。
ただ・・・悲しいこともありましたよ。
大切な聖域の管理人さんや仲間が自ら命を絶ちました。それを知った時は悔しかった。あんなに良くしてくれたのに、私は甘えるだけで助けきれなかった。
自殺、現実に命を絶つ人がいることに対して恐怖は感じませんでした。ただただ悔しさでいっぱい。
*愛音*
今までの記事はマガジンから読めますよ↓
サポートしていただけたら嬉しいです🌹 これからも頑張りますね!