おれはなにをしてるんだ‥
空いてる時間は樋口さんといろんなところで出張脳内エクスチェンジャーをやっていた。向かいの公園から始まり、近くのもう一つの公園、そんで下北沢にもいったし、夜の新宿二丁目にもいった。
前日の夜はゴールデン街にいくことに。ここでの出張脳内エクスチェンジャーは、まぁパフォーマンスみたいに練り歩いて宣伝するみたいな感じでやっていた。樋口さんと別れてそれぞれ好きなようにやる(基本このスタンス)
おれはビニールテープを使い身体に巻きつけたりチラシが端についたテープをブラブラさせたりしながら身体を動かしていた‥怪しいよなぁ(笑
ゴールデン街の細い道を通りにくそうにしてる会社帰りの人達を交わしたりちょっとチラシをアピールしてみたりするが、怪しい目が増すばかり、まぁしょうがないと思い延々やってると
「何やってるの〜」
突然声が聞こえてきて、見ると女性が笑っていた。
コートの下にちょっとしたドレスっぽいものを着てたので”店の人だな”と思い少し警戒。
「こんなところで怪しいよ(笑)何これ?」
チラシを手にとりみてる。
”それの宣伝っすわ”
「脳〜内〜エクスチェンジ??これは何なの?」
”近くでその時間帯でやってるんすよ。まぁアトラクションみたいな感じっす”
「ふ〜ん、なんかよくわからないけどお兄さんちょっと遊ぼうよ。っていうか店きてよ」
”金ねぇっす”
「三千円はある?それだけあればいいよ」
三千円はあった。むしろもうちょっとあった。
でもここでいくわけにはいかない、おれはもうちょっと宣伝するんだ!という気持ちとは裏腹にちょっとだけならいってもいいんじゃないか?むしろ行った方がそこで宣伝できるんじゃないか?という思いのが強くなってきた‥っていうか宣伝云々より行った方が面白そうだ。
いや!おれは声かけられて嬉しかったのだ!
”三千円ならある。でも三千円だけたから”
「うん。大丈夫、大丈夫!じゃあいこう〜!」
おれの腕をガッと掴み、店に電話をかけるその怪しい女性。まぁ何かあったら逃げよう。
「あ、今から1名いきます〜よろしくです〜」
”三千円だけだから。なんか怪しいなぁ”
「いやいやお兄さんの方が怪しいでしょ(笑)私面白そうなの好きなの」
ま、まぁ悪くない気分かなぁ。しかし唯一声かけられた女性に連れていかれるこの状況はなんなんだ、ゴールデン街恐るべし。
「お兄さんさっきも聞いたけど何やってたの、これ?こんなんいっぱいつけて、ウケるんだけど(笑」
「今日は終わって飲んで帰ろうと思ったんだけど、変な人発見しちゃったからねぇ(笑」
「私こういう変な人みるとほっとけないんだよねぇ〜」
道中延々と喋る女性。おれは”三千円しか払わん”とずっと連呼していた。
怪しいビルのエレベーターに乗りそこの7階に着くとドアが何個も並んでいる中から一つのドアを開けると
「いらっしゃい〜」
と何人もの女性が声をあげた。
客はおれしかいない。多数で攻めてくる気だな。
とりあえずお手拭きをもらう。
「帰ろうと思ったらこの格好で怪しい動きしてるお兄さん見つけたから連れてきちゃった(笑)飲み物どうする?」
”ハイボールで、三千円だからな”
「ハイハイ、じゃあ歌でも歌おうか?」
”いやいやいいよ”
「私もドリンクもらってもいい?」
”いい、いや、ちょっと待って、飲み物飲ませると三千円よりかかるよね?”
「うん、私達の飲み物代は別料金だからね。まぁいいじゃん〜ちょっと位(笑」
”いやいや!三千円しか払わんから!”
「いいじゃん〜一杯位〜」
”ダメです”
あぶね〜罠にハマるところだったぜ。
ただそこから塩が引くように対応が雑になっていった。仕舞いにはいなくなって、暫くしたら日本語カタコトの外国の方が近づいてきて
「トナリイイですか?ドリンクタノンでもいいですか?」
”隣はいいけど、ドリンクはノーです”
沈黙したその外国の方。奥の方で話して盛り上がってる女性陣。おれはマイクをとって隣にいる方にお願いして曲を入れてもらった。ひたすら熱唱してやった、思いっきり。隣をみると無感情で拍手をする外国の方。
おれは何をしてるんだ。
三千円を払い店を出る。
ありがとうございました〜の声は聞こえたか聞こえなかったかどっちでもいい。とりあえずエレベーターに乗り一階へ。
なんか負けた気がする。何にかはわからんが、風がつめてぇなぁ〜
あ、樋口さんは!!
連絡すると店の中にいるという。そこの店で合流。
よくわからない時間を過ごしていたことを伝えて樋口さんはどうしていたか聞いたら
「私は男性に声かけられてご飯ご馳走になりました。いろいろ興味もってくれて、きてくれたらいいですね」
え、マジ!!す、すげぇなぁ〜この人、引きが強い。
おれは三千円払って意味わからん体験してたのに同じ時間楽しんで宣伝してる。くそ〜!
この出張脳内エクスチェンジャーやっててわかった事はおれは子供にしか人気がない。あとは怪しい目でみられる事が多い。難しいもんだ。
この日は一番多くの人が来てくれた。
中には近所のおっちゃんが
「なにやってんの?みてもいい?」
という予想外の事が起こったのは嬉しかった。
(このおっちゃんは駄菓子屋編でまた登場することに)
伊豆大島で一緒に参加してくれたyさんも来てくれて遊んでもらう。今回の意図を説明してyさんの空間をみてもらうと(もう原型はなかったが)
「え〜私ってこんな感じ(笑」
楽しそうだからよかったよかった。
さて次の日が最終日。
脳内エクスチェンジャーはどういう完成を向かえるのだろう。
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