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最近読んだ本4冊 2023/10/7

溜めこみました。心残りが多いものばかりですが、記憶は薄くなっていくので書きます。

4冊溜めて書いたのは初めてではないかと思ってます(どうでもいい)。

この手のタイトルは後々被っていくのでタイトルに投稿日を入れることにしました。

実力も運のうち 能力主義は正義か?

きっかけは『池上彰の「世界そこからですか!?」』です。

この本に池上彰さんと今回読んだ本の著者マイケル・サンデルさんとの対談が書かれていて知りました。

内容としては、実力がある人も実力がある環境がたまたまあっただけで、100%その人の実力ではないこと。

というようなものです。アメリカのアイビーリーグに属する大学(ハーバード大学、プリンストン大学、イェール大学など)の入学者の親の収入の多さや、卒業生を優遇させて入学させるなどいわゆる難関大学の入学者は完璧な実力主義ではなく、親のお金やコネの力が働いていることを書いています。

他にも、2016年のトランプvsクリントンの大統領選挙やイギリスのブレグジット(EU脱退)を引き合いに最終学歴が低い人と高い人の対立が書かれています。

個人的に興味深かったのは、運が悪いのは精一杯頑張っていない報いだと捉えるのはキリスト教が発祥なことです。今でも「日頃の行いが悪いから」とか身近に使いますが、根本を辿ると宗教的な所に落ち着くのだなと。

具体例が多く、議論としての筋が見えにくいので正直良く分かっていないです。もう一度読みたいと強く思ってます。


創造性はどこからやってくるのか

タイトルでビビッド来て読みました。

あらすじはめちゃめちゃ刺さるのですが、読んでみると想像とは全く違い難しい本でした。

色々な概念(本による引用が多いイメージ)を持ち出しながら自分の創作を論理立てていくのですが、理解できませんでした。

著者いわく、トラウマ構造というものを発見して創作していくことが重要とのことでした。トラウマ構造の発端としては、トラウマという名がつく通り、嫌な体験に対しての考えを抽象化したところから始まっています。

このトラウマ構造と合うはずもない組み合わせ(例えば、アイスクリームと納豆など)を試すことで創造すると理解しました。(こじつけ感が強く間違っていると思いますが)

この本は理解するためにもう一度読みたいか?と言われれば微妙な所です。


教養・読書・図書館

この本はドイツのヴァイマール期とナチ期における教養と図書館の在り方について書かれた本です。

以前に、『攻撃される知識の歴史』を読んで、図書館について知りたくなったので読みました。

内容としては、ヴァイマール期の俗悪図書をめぐって始まった図書館の閉架制*と開架制**の論争、「教養」という意味への変遷が書かれていました。

閉架制*…書架(本棚)から本を自分で取り出すことは出来ずに、蔵書資料を元に読みたい本を探す方式
開架制**...書架(本棚)から本を自分で取り出すことのできる図書館。いわゆる一般的な図書館。

閉架制を指導したホーフマンは俗悪図書を気晴らしをするだけのものとし、開架制を指導したラーデヴィヒは文学を学ぶ機会の欠如とし俗悪図書を挙げた。

図書館の在り方もホーフマンは厳選された図書を自己向上心がない市民へと貸し出し、図書を介しての図書館員との交流が市民へ教養を育ませると考えた。また、閲覧室は本への表面的な理解を得る場所でしかないと考えていた。

ラーデヴィヒでは、市民が自ら図書を選び、読書は読書能力を鍛えるものとしていた。図書館は知の交流手段とし、閲覧室は街中の居酒屋から市民を遠ざける手段としていた。

この時期の教養は大学卒業と結びつけられ、社会が教養層と非教養層に分断されていた。このような社会は読んでいて『実力も運のうち 能力主義は正義か?』に通ずるものがあると感じました。このギャップを埋めるための1つの手段として図書館があるんだなと理解しました。

これがナチ期に入ると、教養は教養人として以下のような人と規定された。

「教養人」とは多くの物事を知っている人間でも, 物知りや思索家でも決してなく, 指導者であり, 意志をもつものであり, 行為することができる者である

p93

こうした目的を達成するためには、予め決められたことを教師が指導し、生徒に受け取られることを必要とした。

これは日本でも行われている学校教育で、不都合なことをなるべくカットし、1つの筋が通ったことを教えるという意味ではないか?と解釈しました。中国の学校でも習近平に関する理念や実践などを学校で教えていることにとても似ていると感じました。

この時期の図書館の在り方は精神的強制的同質化を行う施設だった。ほぼ同一の図書を取り揃えた図書館を全国に次々と設置し、どこに行っても同じ情報しか得られなかった。つまりは、調べても調べても同じ考えにしか至らなく、ナチ党は正しいのだと囲い込まれるような状態だったのではないかと思う。

この本はかなり興味深く読めました。ヴァイマール期の論争の行く末とナチ期へのつながりに関しては私の理解が浅いように感じます。


ロジカ・ドラマチカ

表紙だけを見て読みました。アニメ調の表紙の本を選びがちではあります。

話としては、女子高生と40代のおじさんが喫茶店で謎解き?のようやものをする話です。

謎解きの題材になるのは、街中でたまたま耳にした引っ掛かるようなセリフを元に、この文章が意味するところは?

というようなことを論理ガチガチに解いていくストーリーです。1つの単語、助詞や接続詞さえも見落とさずに論理を詰めていくのが見どころかと感じました。推理小説が好きな人にはオススメかもしれませんが、雰囲気で読みたい人には合わないと感じました。ドラマ化したら面白そうでもあります。

ネタバレにはなりませんが、人生時計という概念を初めて知りました。自分の歳を3で割った数が24時間を一生と考えた時の自分の現在時刻、という考えです。これで考えると、72歳で1日経ちます。それ以上は夜更かしして起きているという考えでしょうか。はたまた、定年退職の期間も延びて70歳前後で仕事をしなくなると考えれば、まさに老後はこの夜更かし時間とも考えられるな、と思いました。

100歳まで生きたら、次の朝の9時なので大分頑張っているということになりそうです。100歳まで生きるのが当たり前になったら人生時計の考えは歳を3で割るのではなく、4で割るという考えになるかもしれません(4で割ると96歳が24時になります)。

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