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刀篤(かたなあつし)
2023年6月16日 20:01
もう夜になる/埋め込まれているそうやって薮の中に踏み込んでゆく君が帳に差し出した手を色めく街を俯瞰して伸ばした手を僕の本心は【掴む】だったけれど愚かにも僕は躊躇した君が全霊で救おうとした君の手は誰の【掴む】でも良いものなのだと賢明にも僕は正確に分析した今睨みつけたい道理があって今睨みつけるべき論理があって今睨みつけるはずの倫理があって最も憎むべきものは良識であり最
2023年6月30日 20:23
産まれた瞬間に人間はzero-Gravityから解放されママのはち切れそうな胸は柔らかい意味のGravity自動車は高速移動手段の加速する機械の意味のGravityママの再度膨らんだお腹は新たな生命の意味のGravity先生や友達という意味のGravity教育機関という意味のGravityそんな感じで Gravity Gravity GravityGravity Gravi
2023年6月23日 18:54
俺は既に生きる為の目的を何も持たないがあちらから雌の匂いだけはする痩せた一匹の尨犬が砂っぽいアスファルトを左後ろ脚を引き摺り行った引き摺り引き摺り無自覚に陽だまりのほうへ向かった
2023年6月23日 18:53
熱帯の蒸れに溺れ舌から滴る放熱処理猟犬の群れのしんがり鹿の眷属たちがわたしたちをtraceするどこまでも執拗に四肢と連動した蹄が獣道の巨石を直に穿ち 掴み美しい腿肉の緊張はどうだ究極の美しさ 自然が粘り強くtraceしてくる鹿の眷属たちが全ての愛すべき猟犬よ最初に殺られるのはどうやらわたしのようだただ一つの僥倖は最前線で見物できるという事だ自分自身の呑ま
2023年6月11日 20:30
世界は必ずフィルター越しに認識される。必ず何かしらに検閲されると言っても良い。それはTVの放送コードであったり、脳内のお花畑というスラングであったり、カエルが見る世界や猫が見る世界の差異、生物学的な認識機構の多様性であったりする。物質として個である限り必ずそれを有す。その万有のフィルターに孤独を連想するとき、私のフィルターは常に憂鬱を 濾滓とする。濾し採られた憂鬱は皮肉にもそれ自
2023年6月9日 19:59
共有空間に味方が誰も居ないそれは最も恐るべき事態だあなたが自明としていることが其処では疑わざるを得なくなる『俺が間違っているのか?』『俺は頭がおかしいのか?』確かめる術は必ずあるだろう然しその術の信憑性に味方する他者が抑々共有空間に居ないのだそれは屡々家庭であったり学校であったり会社であったりあなたの脳内だったりする『俺は俺だ、俺だから俺なんだ』思考は意味を成さなくなる
2023年6月3日 14:48
馬鹿には見ることが出来ない服を着た者は裸でいるのと同じことだ詩作の王はそう断言した馬鹿には理解することが出来ない詩を作る者は表現しないのと同じことだ衣服の王はそう息巻いた衣服の王も詩作の王も孤独だった民衆は意見を1つにしたアイツら王は真に馬鹿者だ裸であること 表現しないことそれに何の問題がある?2人の王はそれぞれ思った『燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや』2人の王は
2023年6月2日 19:50
女は無自覚に心臓を抉ってくる男は優越感で浅はかに嘲笑う愛されたことがとても嬉しかった頼られたことを疎ましく思った固く握り締めた柄杓の異様な冷たさ柔らかく掲げた榊の霊的な温かさ庭園墓地の上空に一羽の烏の一声「ガア」産まれたからには希望が託されていただから生きているこれからも生きてゆく