【論詩】味方の実在論
共有空間に味方が誰も居ない
それは最も恐るべき事態だ
あなたが自明としていることが
其処では疑わざるを得なくなる
『俺が間違っているのか?』
『俺は頭がおかしいのか?』
確かめる術は必ずあるだろう
然しその術の信憑性に味方する
他者が抑々共有空間に居ないのだ
それは屡々家庭であったり
学校であったり会社であったり
あなたの脳内だったりする
『俺は俺だ、俺だから俺なんだ』
思考は意味を成さなくなる
『死にたい、死ぬかも、死ぬぞ』
行動も或る意味そうだ
『つらい……苦しい』
甘えてるんですよね
『たすけて…くれ…たすけ……』
いつもの言動だ
『…………』
何か言ってみろよ
『……』
大変だ本当に死んでるぞ
これがあなたの味方だ
共有空間外に出たのだ