獣喰ふ ゆめときみ. 一
顔のぼやけた恋人と、何かから逃げていた。
僕はとある大きな家の生まれで、幼い頃から他者との付き合いを厳しく制限されてきた。
その為、今の彼女と恋人関係にあることは、決して知られてはいけなくて、数年間周りに隠し通してきた。
けれど、最近になってその事が一部の大人にバレてしまった。
僕の周りで、僕を守ろうという、そんな建前で家に媚びを売ろうとする自分勝手な大人たちが沢山居て、彼女はいつもその事に腹を立てていた。
そしてその中の一人である、僕の担任をしている女性に対し、彼女の堪忍