青二才だよ!!!
思った。
この子が好きだ。
学校の花壇の隅っこでひょろっとしている子がひとつ。
その子はほんとに細くて
弱々しかった。
隣に行くと、
腰の位置に頭があって
なにか尋ねたくても
どこ吹く風で何を見てるかすらわからない。
本当に風に吹かれれば飛んでいくだろ。
そう思った。
名前も知らない。
何を考えてるかも知らない。
でも高校デビュー2年目同士。
「青二才がよ!!!」
そう叫んだ。脈絡もなく。だって思ったから。
僕の入学した年に植えられた桜に向かって。
セリフに引っ張られて
顔が怖くなっていなかったか心配になって
周りを見渡したけれど
だれもいなくて
安心した。
僕の好きな桜の木。
明日にはどれくらい成長してますか?
然有琉 湊(さあり みなと)
<あととがきー<
そう思った。