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【奈良・笠山荒神社】役行者と弘法大師ゆかりの神奈備・鷲峯山

ずっと行ってみたかった笠山荒神社かさやまこうじんしゃ
日本三大荒神の一つ、と知られているようなのですが実は荒神こうじん発祥の地』として、山岳信仰や修験道の霊場とされてきたそうです。

奈良・桜井駅から例大祭のある時だけ、臨時バスが出ていることを知っていましたが、なかなか都合が合わずのびのびになっていました。
今回もいつもお世話になっている、奈良交通さん!
ゴールデンウィークだったからか、行きも帰りも満席。

バスは桜井駅北口から大神神社の大鳥居に向かって、国道169号を走っていました。
道の両脇は箸墓古墳崇神天皇陵など、数えきれない程の古墳だらけ。
どこを掘っても何か出てきそうな、古代史ロードでした。

いつの間にか天理市に入っていて、いつか行ってみたい石上神宮の奥宮『桃尾の滝』の看板も見え、どんどん山奥へ。



<笠山荒神社>

40分ほどで、神社前の駐車場に到着。

北参道

神社のパンフレットによると、鷲峯(じゅぶ)山と呼ばれる神奈備山の頂にあり、687年に役行者えんのぎょうじゃが荒神の社を作り護摩祈祷をした記録があるそうです。
その後、良辯ろうべん僧正弘法大師・空海に引き継がれ、高僧・修験者・陰陽師などの修行地に。

良辯ろうべん僧正については記憶になかったので、調べてみると義淵ぎえん僧正の弟子、聖武天皇に頼りにされて東大寺を開山した方でした。

両脇に燈籠と背の高い木々が並ぶ、木漏れ日が美しい参道。


拝殿前は急な階段ですが、階段が辛い方でも参拝できるように電動椅子が設置されていました。

足の悪い方もたくさん参拝されていて、地元の方たちからとても大切にされていることを感じます。


休憩所では甘酒のふるまいがあり、お持ち帰り用も購入。


拝殿を降りて、奥の参道を進む。


両脇に並ぶ木々の中で、ちょっと気になった木がありました。

パワフルに曲がる!



のちほどベンチがあったので休憩していると、急に強風が吹いて一部分の大木が大きく揺れ、葉っぱがバラバラと落ちました。
あとから考えると風というより、何かが勢いよく駆け抜けたような感じ。

気になった、この木のあたりでした。

いろんな角度から撮影してみる。

スマホで写真をとると光の加減でいろんな形が映りこむことがあるのですが、木の精霊のようにも見える?かわいい形が映りました。


駆け抜けたのは、もしかしたら荒神さん?

かつては入山を禁止されていた神の山だったので、八百万の神々がいらっしゃっても不思議ではない場所なのかも。

表参道

本来の参道は、こちらだったようです。



<閼伽井不動>

笠山荒神社の鳥居のすぐとなりには、空海さんの修行地・閼伽井あかい不動

閼伽井不動から笠山荒神社の参拝が、お勧め


806年に唐からの帰朝後、かつてここにあった笠寺に身を寄せて閼伽井の池で21日間の行をした後、816年に高野山を開いてからも再び池で水行をして高野山に荒神を勧請、とあります。


以前高野山から路線バスで、雲海が見れることでも有名な荒神社・立里荒神たてりこうじん(住所は奈良県)へ行ったのですが、空海さんは笠山荒神社から三宝荒神を勧請して建てていたことが理解できました。


高野山を火災や疫病から守るために、空海さんが頼った荒神さん。
『日本第一』の記載があるように、とても強い力があったのでしょう。

ここは思っていた以上に、空海さんが関わっていた場所でした。


 
空海さんが修行した閼伽井の池
黒龍社・白龍社
閼伽井不動明王


遣唐使として本来なら20年間唐に滞在しなければならないのに、勝手に2年で帰国した罰則で九州で足止めとされていましたが、宮島弥山みせんでは百日祈祷をした記載があり、昨年行った琵琶湖・竹生島の宝物館でも帰朝後滞在の記録を見ました。

朝廷に許されて京都・神護寺に来るまでの3年間、やはり空海さんが勅命通りじっとしているはずはなく、いろんな場所で修行をしていた記録が残っているようです。


<大倭姫宮(西之院)>

閼伽井不動さんの横に道があったので行ってみると、意外なお社がありました。

倭姫やまとひめさまのお社?

祭事場のような広場

見逃したのですが駐車場のところにも、大倭皇女宮おおやまとひめぐう(元宮)があるようでした。
荒神さんとは別に、笠縫邑(かさぬいのむら)という元伊勢伝承地の言い伝えがあるから、のようです。
縄文時代の原初斎王をお祀りしているということなので、伊勢神宮に遷宮した倭姫さまよりもっと古来の斎王、ということでしょうか・・

かなり山深い場所なのに、歴史が深そうな場所。
(縄文時代は奈良盆地は湖だった説があるので、それほど山奥でもなかった・・?)


<天満神社>

こちらは、菅原道真公がご祭神の神社。

神社前の大木がいい感じ!

さらに奥には竹林寺があって、多くの人が集まっています。
例大祭はここから、お神輿が出発するようでした。


<竹林寺>

こちらも、空海さんゆかりのお寺。


空海さんが良辯僧正の描いた「板面荒神」を模写してお祀りし、唐の竹林寺で修行していたことから『竹林寺』と名付けた、と伝わっていて、長谷寺の奥の院といわれていた時期もあったそう。


創建は聖徳太子か良辯僧正、かつてあった『笠寺』にははたくさんの山寺が集まり、神仏習合の一大霊場だったようです。

薬師如来立像・地蔵菩薩立像
白髭大明神



<荒神の里・笠そば>

地元で栽培したそばを100%、使用しているお蕎麦。
大人気のようで、この日はずっと列ができていました。

いつ食べよう~とずっと考えていて、例大祭が始まりそうだったのですが、我慢できずに行ってしまいました。(売り切れてしまわないか心配で…!)

少し並んだあと、荒神そばかやくご飯を注文。
店内は広々としていて、すぐ座れました。

奈良はなんでも、良心的なお値段~♡
(実はお蕎麦を食べている間にお神輿の巡航が終わっていて、例大祭の写真は撮れませんでした・・)


しっかりした食べごたえの、おいしいお蕎麦を食べることができて大満足!
そばドーナッツも販売されていたので、おみやげに購入。


ゴールデンウィークということもあり、駐車場の案内のおじさんが何十年に一度くらい混んでる!と言っていました。

臨時バスは4本しかないのですが、無事乗って帰ることができました。

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