宮島滞在ひとり旅②【古代の祈り編】弥山と大元神社
前回の【観光編】に続き、今回は観光客が少なめの場所、宮島深堀り編。
読んでいない方、宮島に行ったことのない方は、ぜひ①からどうぞ!
3月の後半でも桜は見れませんでしたが、標高の高い弥山では雪が残る、予想外の景色を見ることができました。
宿の方におすすめの散歩道を教えてもらい、朝6時半頃から歩き始めました。
【今伊勢神社】
桟橋から歩いてすぐの左手の階段を登り、かつては毛利元就の戦場となった要害山のそばに、教えてもらった今伊勢神社がありました。
ご祭神を調べると、藤原鎌足さんも。
宿の方は観光客が多いお正月などは、ここで初詣をしているそう。
この急な階段は降りずに、別の下り道へ。
いま観光客で賑わっている場所は、江戸時代以降に埋め立てたり整備された場所で、昔の参道は『山辺の古径』と呼ばれている道だったとか。
『山辺の古径』を目指しましたが、迷いながら崖沿いを歩いたおかげで、土石流を防ぐための苦労を感じることができました。
もともと人が住めるような平地は少なく、ほぼ山だった?
舗装された『うぐいす歩道』に出ました。
さっそうと早朝ランナーさんが走っていきましたが、ここを朝走るのは気持ちが良いでしょうね~。
ロープウェイ乗り場がある、『もみじ谷公園』に到着。
朝日が美しくふりそそいでいて、ここは通り過ぎてはいけない場所?
橋の下に降りてみました。
【ひょうたん座敷】
ここは前回行きそびれていた、『ひょうたん座敷』でした。
すっかり忘れていましたが、来れてよかった!
土石流が起きたあとの巨石や木々を壊さず整備をして、『幽玄』を表現した場所のようです。
ここに入ってみたら、どんな感じ?
ちょうどまぶしい朝日が差し込んでいました。
ありがとうございます!
ロープウェイに乗る前に少し余裕を持って、散策するのが良さそうな場所。
乗り場までは、さらに川沿いを登っていきます。
乗り場前にあるトイレは最近できたのか、ピカピカで便座も暖かくて感激!
【弥山山頂へ】
弥山行きのロープウェイは混雑をさけ、朝9時のオープン時間に。
(混雑時は、1時間の列ができるとか。)
普通は往復割引のチケットを買うのですが、勇気をふりしぼって片道だけに。
標高535メートルの弥山頂上までは、ここから30分程の登り。
山道の大部分は、初代総理大臣・伊藤博文による資金提供で整備されたそう。
歩きやすい靴は必須だけど、登る価値はあります!
瀬戸内海の美しい景色を見ながら、ゆっくり。(無理は禁物!)
今回は休憩しながら、前よりずっと楽に登れました。
前回来た10月は真夏日だったので、肌寒いくらいの季節がちょうど良かったのかも。
夏の登山は、日陰が少ないので避けた方がよさそう。
空海さんが修行の際に、使用したと伝えられる井戸。
前回は外から写真を撮っただけでしたが、中まで入れました。
(目立たない場所なのかほとんどの人は、気づかず登っていく。)
本堂の中には虚空蔵菩薩、愛染明王と空海さん。
紙コップがあるので釜の白湯をいただき、ベンチでちょっと一息。
頂上まで、まだ登ります。
806年に空海さんが弥山を開基した際に、三鬼大権現を勧請したと伝わっています。
昨年は気づかなかった古木。
それとも辰年だから??
巨石だらけ!
山頂はもうすぐ!
頂上に到着!
遮るものがなく瀬戸内海をぐるっと360度見渡せる、すばらしい展望台。(3階まで登れます。)
ロープウェイ乗り場が遠くに。
下山の際に来た道を戻ってしまうと、このあとの『干満岩』や『船石』、御山神社などに行けなくなるので、ご注意ください。(そのまま戻ってしまう方が多いのでは…。)
看板が台風でなくなったままになっているようですが、巨石の右側に下る道があります。
しばらく下ると、すぐ『干満岩』。
ここには、まだ雪がたくさん残ってました。
【御山神社】
厳島神社の奥宮、御山神社。
弥山で、一番好きな場所。
明治時代に人の都合で変えてしまったけど、もともとは三鬼大権現のお堂があったんですね。
神社前の場所は前回来た時と同じように、下からとても気持ちの良い風が吹き上がっていました。
(ここに来るために、再び弥山に登ったといってもいいくらい。)
前回はロープウェイ乗り場へ戻りましたが、下りに挑戦!
『大聖院コース』の階段を下っていきます。(※登山コースは3ルート)
下から続々と外人さんが登ってきていて、7割くらいの方が日本語で『コンニチハ!』と返してくれます。
キラキラの笑顔を返してくれるのがうれしくなってきて、すれ違うたびにご挨拶を楽しんでいました。
登りはきつそうなので、登ってくる人たちはすごいな~!と思いながらひたすら階段を下りました。
1時間くらいは下り続け、もうこれ以上階段はいやだ~と思い始めた頃に、やっと大聖院に到着。
護摩祈祷?の太鼓の音が聞こえてきました。
ちょうど12時、下界はランチの場所を探す人たちでいっぱい。
なんとか座れるお店をみつけて、汁なし担々麺を食べました。
【大元神社】
厳島神社よりさらに古い神社、ということで、ずっと楽しみにしていた大元神社。
大元(おおもと)という名前がずっと気になっていました。
鎮座年月不詳ですが、推古天皇が593年に厳島神社を建てた時には既にあった神社、ということはわかっているようです。
国常立尊は、この1年程で急に聞くことが多くなった神さま。
日月神示や出口王仁三郎さん関連で有名になっています。
伊弉諾・伊邪那美よりも先にいらっしゃったという、国土の神。
国常立尊をお祀りしている神社は全国にあり、『大元神社』は滋賀県と大分県にもあるようです。
神社の奥には、登山口にもなっている大元公園が続いています。
夕刻の暖かい日差しのためか、ここの公園は別世界に見えました。
この鹿は、石についた苔を食べていました。
これが野生の鹿の、本来の姿?
ここの鹿は近寄っても動かず、食べ物をねだりに来ません。
たくさんの鹿が満ち足りた様子でくつろいでいる、鹿の楽園のように見えました。
観光客が少ない場所にあることで、自然が守られているのかも。
他にも、創建年月不詳のたくさんの摂末社があります。
(多くの人は気づかず、通りすぎています。)
ご祭神:素盞鳴命・事代主神
ご祭神:大物主神・佐伯鞍職
三翁神社はご祭神、多すぎ!
宮島は神さま大集合の、古代から続く祈りの島でした。
人が住むようになった現代でも、お墓は島内には建てないそうです。