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【書評エッセイ】1月に読んだ本たち。
今年も本を読みます。
1月は例年どうしても気合が入って、ビジネス系の本が多くなります。
とはいえ、「雑読派」の精神は決して揺らぎません。
では、1月に読んだ本をご紹介させていただきます。
◆ビジネスの未来
山口周さんは新刊が出ると必ず買って読む、私にとっての「ハズレない著者」のお一人です。
ビジネスはその歴史的使命をすでに終えているのではないか?
という刺激的な問いから始まり、それに対して、
21世紀を生きる私たちに課せられた仕事は、過去のノスタルジーに引きずられて終了しつつある「経済成長」というゲームに不毛な延命・蘇生措置を施すことではなく、私たちが到達したこの「高原」をお互いに祝祭しつつ、「新しい活動」を通じて、この世界を「安全で便利で快適な(だけの)世界」から「真に豊かで生きるに値する社会」へと変成させていくことにあります。
という答えが示され、その中身について語られます。
未来に向けての期待感でワクワクできる素敵な本です。
◆人新世の「資本論」
そして畳み掛けるように「資本主義の次」について考えるこの本。
晩年のマルクスの到達点である「脱成長コミュニズム」こそが「人新世」の危機を乗り越えるための最善の道だという斬新な提言。
昨年末の「繁栄」マット・リドレーからの→「ビジネスの未来」山口周からの→「人新世の資本論」斎藤幸平。
我ながら“華麗な読書の流れ”だと自画自賛しております。
◆ゲンロン戦記
東さんが「ゲンロン」経営について赤裸々に記した本。その経営ぶりにはハラハラさせられますが、起業時のベーシックな学びがたくさんあります。「ゲンロン」「シラス」の「場づくり」はワクワクします。
◆やり抜く人の9つの習慣
目標の立て方、達成方法などについてシンプルに書かれた良書。
私は日本のお正月に立てた「立派すぎる目標」を、中国の旧正月(今年は2月12日)に現実に即した「ちょうどいい目標」に調整・修正する「2段階ロケット式目標設定法」を個人的にオススメしています(笑)
◆誰もが人を動かせる!
森岡毅さんも「ハズレない著者」の筆頭です。必ず読みます。今回は専門のマーケティング論ではなくリーダーシップについての本。しかし心配御無用。これまでの本同様、実践から森岡さんが見つけた方法・考え方を熱く熱く伝えてくれる本でした。「ハードボイルド・ビジネス本」と呼びたい。
早くも2021 年ナンバーワン候補の本を読んでしまったかも(汗)…です。
◆島とクジラと女をめぐる断片
ようやく文学作品に帰ってきました。タブッキの世界を須賀敦子さん訳で。
現実と幻想のコラージュのような作品。そのブレンド具合が絶妙です。
できのいいコンセプト・アルバムを聴き終えたような余韻の残る読後感です。
◆20歳の自分に受けさせたい文章講義
もうちょっとまともな文章を書くために、文章に関する本を数冊読んでみようと思い立ち、最初に手に取ったのがこの本でした。が、この本を読んですごく満足したので、他の本は読まないことにしました(笑) だからといって文章が上手くなったというわけではありません、残念ながら…。
◆ねにもつタイプ
おもしろいエッセイを求めて、この本に出会いました。筆者の感覚がぶっ飛んでいて好きです。この「ぶっ飛び感」、身に覚えがあると思ったら、著者の岸本佐知子さんは、私の好きなミランダ・ジュライの本の翻訳者でした!
なるほど!
◆行こう、どこにもなかった方法で
バルミューダの創業者、寺尾玄さんの書き下ろしです。経営本に帰ってきたと思ったら、旅の本であり、生き方の本でした。すごくいい本なので、すべての旅人、ロックンローラー、ビジネスパーソン、バルミューダのトースターで焼いたトーストが好きな人に読んで欲しいです。
この本については単独でnote書きました。
いつもより力を込めて書きました☟
◆絶望名人カフカの人生論
カフカの絶望ぶりが名人すぎて感動します。読みながら定期的に「しかし、彼は「変身」のような偉大な作品を書いたのだ」と思い出す必要があります。そうしないとただの絶望名人がいかに名人だったかの本になってしまいます。
今、絶望している人は、この本を読んで自分のささやかな絶望を笑い飛ばして下さい。
◆
如何でしたでしょうか?
気になる本があれば、是非手に取ってみて下さい。
はい、今年も私は本を読みます😎
◆
過去の「読んだ本たち」シリーズはこちらです☟
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