長須

いっぱい書きたいとき

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最近の記事

2023/11/24 レギュラバニア

大人が趣味としてシルバニアファミリーをコレクションし、楽しんでいる様子を見ると、実家にもあることを思い出す。いや、さすがにもう誰かにあげてしまったかもしれない。 行く末を覚えていないくらい、私は今も昔もシルバニアに興味がない。 興味がないのに、我が家のクリスマスプレゼントは毎年シルバニアと決まっていた。特にリクエストなどを聞かれた覚えはない。 かつての私は、それでも一応プレゼントとして貰ったものに対して喜んでみせただろうか?お礼くらいは言ったかもしれないが、親の方もさしてリ

    • 2023/10/25 未読の機微

      新幹線の中でこれを書いている。 名古屋〜新横浜間ってこの世で最も永遠に近いと思う。「名古屋〜新横浜間くらい一緒にいようね」と将来を誓い合うのもいいだろう。 主観的な存在として、自分には逆立ちしても理解できそうにない他人の機微というのはどうしてもある。私には特にそれが多く、かつ興味深いものに対しては未読の本のような愛着を感じている。 ADHDの薬を服用した人の感想として、頭の中が静かになったなど好ましい効果を感じた後、なぜか「薬でこんなに簡単に変わってしまうなら、私が自分だ

      • 2023/09/29 悲劇の胃もたれ

        Fitbit Charge5 を買ったよ~! たよ〜! よ〜… Charge6が発表される直前だったというのに、急にスマートウォッチが欲しくなり購入した。 腕時計やブレスレット、ネックレス等を長時間着けられない体質(関節がめちゃめちゃ凝る)なので不安はあったが、バンドを軽いものに付け替えたところ快適に使えている。「支払いは任せろー(バリバリ)」な素材のやつ。 もともと寝付きが極端に悪く、少し前に流行ったポケモンスリープは意識してしまい眠れなかったが、Fitbitは良い感じ

        • 2023/05/28 面接積み木チキン

          爽やかな日曜の朝です。 YouTubeでボサノバなんか聴きながらこれを書いている。 完全在宅の仕事になってからもう2年近く経つが、日に日に「社会」をやるのが下手くそになっていくのを感じる。 先日初めて行く薬局で、いきなり窓口に処方箋を突き付けて「これお願いします!」と宣い、まずは受付票を書いてね…とやんわり促された。窓口の人びっくりしてたな。私もびっくりした。 色々とやらかしがちな自覚はあるので、せめてにこやかでいよう…と思っているが、私にはこれがかなり難しい。というか、

          2023/04/14 感情上京巨大猫

          今週、体感二週間あった。 元々長文を書く習慣がなかったからか、noteを書く時特定のパターンでしか書けてないなと思う。パターンに合わせて思考をしている。 そんなの全然ロックじゃないので、今回は思いついたことをぽんぽん並べていこうかな。 感情って、外部からの刺激があって身の内に生じる、その時に発生するものだと思うけど、その瞬間に生まれた感情を否定したら、一旦保留ということになって凍結されるのかもしれない。 最近いくつか感情が解凍されることがあって、あの時の私はこういう感情だ

          2023/04/14 感情上京巨大猫

          2023/4/13 歯がゆ犬

          ヒステリックに喚く人など、誰かにマイナスの感情を抱いた時つい「犬のようだな」と思ってしまう。 私の実家は、私が物心つく前から犬を飼い続けていて、ほとんど途切れたことがない。周辺でも昔から犬を飼っている家が多く、子どもの頃は外飼いの犬をよく訪ねていた。私にとって犬は嫌悪や恐怖の対象ではない。 適切に可愛がられている犬、今いる環境と元々の資質がうまく噛み合っている犬というのは、表情でなんとなく分かる。瞳がいきいきとして口角は上がり、期待が裏切られることなんて想像もせず、人の目

          2023/4/13 歯がゆ犬

          2023/01/28 『日本のふしぎな夫婦同姓(中井治郎)』感想

          名前にも性別にも見た目にも年齢にもあんまり思い入れが無い、ちょっと甲斐の少ない人生ではあるが、ずっと前からTwitterでフォローしている方の、選択的夫婦別姓についての著書をやっと読んだ。 かなりサクサク読める文章のはずだけど、めっきり長文を読む筋肉が衰えて…SNSでしかろくに文字を追っていないとこうなる。最近、画面や紙面の上から下まで文字があるとまず「多~」って思っちゃうんだよな…。 感想として、選択的夫婦別姓について、元々たいして知識や関心があったわけではなく、結婚もた

          2023/01/28 『日本のふしぎな夫婦同姓(中井治郎)』感想

          2022/12/7 卵巣の腫瘍全部とる

          20代前半の頃からな〜んか下腹部に違和感あるな…と思い、複数の婦人科を受診するも「よく分かんないけど放置でいいよ」と言われるばかりだった。 今年の5月、別件で受けた超音波の検査で卵巣に腫瘍があることが分かり、MRIやら各種検査を受け、結構デカめの皮様嚢腫であろうとのことで、腹腔鏡手術でいけるそうだし、せっかくなので取っておくことにした。 皮様嚢腫とは、まだ受精してない卵子がうっかり細胞分裂を始めて歯やら髪やらを作ってしまうことで起こるらしい。それ自体が命に関わるというもので

          2022/12/7 卵巣の腫瘍全部とる

          2022/07/17 『N/A(年森瑛)』感想

          感想というか、連想した自分の話だけど、分かる~が多かった。 それと同時に、主人公が求めている「本物」の実感は幼さゆえの理想論で、自分が気持ちいいだけの物語に生き他人を登場人物として消費し、しかし分かりやすく悪人ではない、というのが現実的で大人なんだよ、と言われてしまったら、私はずっと大人になれない…と思うしかない。 しかし、いくら子どもっぽいと言われようが、作中のある人物の気持ち悪さはずっと許容できないと思う。私は「物語消費」されるのがとても苦手なんだな…。それと同時に、

          2022/07/17 『N/A(年森瑛)』感想

          2020/12/31 枯れていく花の美しさ

          学生の頃から、美術をやる人間は「汚いものですら綺麗に表現する」派と「綺麗なものですら汚く表現する」派に分けられそうだと思っている。 この場合の綺麗は美しいとは違う感覚で、清潔や幸福、クリーンなイメージのことだ。美しいとはもっと広く、見たものを惹きつける引力のことだ。 汚く表現する派も、その表現を美しいと思ったからそうするのである。 一年以上前だが、ふと「薔薇を撮りに行こう」と思い立ち、仕事帰りに30分ほど歩いて薔薇園を訪れた。 シーズンはほぼ終わっていて、大半の薔薇の花は

          2020/12/31 枯れていく花の美しさ

          2020/11/22 欲と正直の話

          思えば野望のないふりばかりしてきた人生だった。 人生を振り返るような歳でもないかもしれないが、私は幼少期から、クリエイティブな仕事を目指さないと固く心に誓っていた。 どう考えても事務職よりはよっぽど適性があるのだが、仕事にすることで大きな趣味が一つ減るような、もし仕事の上で嫌いになってしまったら、人生における彩りの大部分を失うような予感がしていて、避けたかったのだと思う。 その結果どうなったかというと、ぎりぎりクリエイティブではない職業として教職を志し、そんな動機だったも

          2020/11/22 欲と正直の話

          2020/11/10 生まれなかった記事

          「今のバージョンに飽きたな」とふと思ってしまったから、そのことしか考えられなくなった。 そこまで上昇志向でもないはずなんだけど、時々急に全てに飽きてしまう瞬間があって、数年に一度は連絡手段を絶ったり環境を変えたり人間関係をリセットしたくなってしまう。ひとたびその欲求に捕らわれたが最後、何をしていてもその欲求が影のごとく付きまとい、「実行しないと自分はずっとよくないままだ」みたいな強迫観念と焦燥感にかられる。今がそうです。もはやそれ以外の走り出し方が分からないぞ。 なんかも

          2020/11/10 生まれなかった記事

          2020/11/1 幽霊いるかいないか論

          「幽霊っている派?いない派?」という、よくある話題を見かけたので考えてみる。 まず、物質的な現実世界に「いる」かどうかと、個人がそれぞれ認識している世界に「いる」かどうか、というのは別だと感じる。 人それぞれ見ている世界は違うよね、とはよく言う言葉だが、もっと本質的に、我々は「『物質的な現実世界を共有している』という幻想を含んだ、個々それぞれの認識で構築した世界」に生きている。 机上のリンゴ一つであっても、二人以上の人間が本当に同じものを認識しているかどうか、完全に証明でき

          2020/11/1 幽霊いるかいないか論

          2020/10/17 スケール(脱線クイズ)

          スケールを使い分けるのが苦手だな、と思ったので深掘りしてみる。 長い話になりそうなので、脱線する回数をクイズにしよう。 脱線したら以下の「レールから外れた人のイラスト(男性)」を貼りますので、あらかじめ回数を予想してご覧ください。 例えば、鯨と人間を比べた時、大きく捉えて哺乳類という共通項がある。と同時に、水生と陸生、食べるものなど、細かく言えば異なる部分も数多く見つかる。 鯨と言えば、カバと近縁らしいと聞いたことがある。が、多分細かく説明されても、「そう言うならそうな

          2020/10/17 スケール(脱線クイズ)

          2020/9/25 何者かと何者か以外

          秋の義務として梨を摂っている。 見ている時はそこまでハマらなかったのに、数年経って何度も思い出すようになった作品の一つが、「輪るピングドラム」だ。 作中何度も繰り返される台詞で、「きっと何者にもなれないお前たちに告げる」というものが特に印象に残っている。 私は割と最近まで、人生というものは「何者か」になることを目指すルートと、それよりも安定を選ぶルートの二種類だと思っていた。 「何者か」と言うのはこの場合、カリスマだとかスターだとか、そこまでは行かずとも、その人自身の人間

          2020/9/25 何者かと何者か以外

          2020/7/21 運命(猫限定)

          Aセクシャル・Aロマンテッィクの人間は厳密には己を定義することはできない。「ない」ことの証明は不可能だからだ。 「まだいい人に出会ってないだけ」という言葉は、それが事実だからこそ暴力的だ。ただ性欲や恋愛感情を他者に抱かないというだけで、全人類総当たり恋愛シュミレーションを完遂できるまで自分のアイデンティティを否定され続ける立場に追いやられる。 当事者ほど、「他は全部駄目だったけどこの人となら」と思える、運命としか言えないような強い結びつきを切に求めていたりする。(別に求めてい

          2020/7/21 運命(猫限定)