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#悠
アクマのハルカ 第1話 人の大切なものを奪うのは簡単よ
【あらすじ】300文字
教祖になりたいハルカは、クラスメイトが麻莉亜先生に向ける敬愛や思いやりを自分のものにしたい。そこで麻莉亜が生徒をどう思ってるか、虚偽の出来事を告げ口し、生徒の心を麻莉亜から引き離していく。
麻莉亜が気付きた時には、生徒達の気持ちは身体ごとハルカに取り込まれてしまい、教室には麻莉亜とハルカの2人だけだった。そこで麻莉亜は取り込まれた生徒達を解放するため、自分の思いを伝えていく
アクマのハルカ 第6話 進化にあったのは協力。優越感に浸る為の服従では生き残れないよ。
一
香月麻莉亜(こうつき まりあ)を取り巻いていた赤い雲は霧のように散り、教壇に立っていた麻莉亜の目の前には真弓(まゆみ)の姿があった。ようこそと言わんばかりのもてなしの心を映した目で、真弓が麻莉亜に微笑んだ。
「麻莉亜先生、お待ちしてました。」
真弓はそう言って笑いかけ、最前列の席に着席した。座るなり、
「麻莉亜先生とあの子のチャット見たよ。麻莉亜先生って本当に面白いね。」
真弓は口
アクマのハルカ 第7話 生きにくいのは真実から目を背け、人との対話を避けたから!
一
両肘を教壇に付き、上目遣いで香月麻莉亜(こうつき まりあ)を見つめる瞳は、麻莉亜にとっては銃より怖い殺人鬼だった。例え華奢な身体も相まって可愛らしい小悪魔に見えても、目の前でクラスの生徒たちをどんどん取り込んでいったのだから。
しかしこの子に取り込まれたはずの生徒たちが今、麻莉亜の目の前にいる。
なぜ?
麻莉亜は、生徒1人1人の顔を見る。叶海(かなみ)、奈津美(なつみ)、紗也佳(さ
アクマのハルカ 第8話 もう悪魔にならないで!それよりも自分の人生を生きて欲しい
一
香月麻莉亜(こうつき まりあ)が立っていた教室には赤い雲が消え、左足にしっかりとコードバンの靴を履いていた。ストッキングに傷みはなく、左手には拳銃ではなく、チョークを握っている。
ただここの教室には、悪魔悠(あくま はるか)が居なかったから、麻莉亜はとっさに誰にというわけではなく、生徒たち全員に聞いた。
「悪魔悠は?」
と。回答したのは真弓(まゆみ)で、
「空間(あくま)は私で、悠ちゃ
アクマのハルカ エピローグ 生物教師として残したいものがある。
一
暑い。盆地は熱が籠もると聞いてはいたものの、ここは恰も蒸し風呂の様で、たまに吹く風はロウリュウの様に全身を汗だくにする。「盆地、見くびっていたわ。」と香月麻莉亜(こうつき まりあ)は思った。
都心から約1時間、新しい赴任地はやっぱり女子高だった。
あちこちの大学から助教授の座で来て欲しいと誘われたものの、麻莉亜は生物の先生でいたかったから、心置きなくお断りした。
三
テープ起こ