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#アンティーク
#89 OliviaとCedric
先程よりも
少し音が大人しくなったシンクの食器たちを
うまく操りながら、Oliviaはため息をついた。
「Olivia、何か、やりたいこととかできたの?
ココを離れるの?」
「実はね…
まだ決まったわけじゃないんだけど、
この前、Cedric(セドリック)が言ってたんだけど…
彼、海底研究所に異動になるかもしれないの。
深海よりももっと深い、海の底よ。
あそこは気軽に行き来ができないから、
#88 悲嘆の涙の扇
私は、もう一つの箱を開けた。
そこには【悲嘆の涙のマスカレード】と
似た装飾が施された扇が入っていた。
あちこちからストーンがキラキラと輝き
鮮やかな青や深みのある紫など
様々に移ろう様子も同じだった。
縁にあしらわれた黒いレースや
繊細な模様もゴシック調で
ステンドグラスのような
透き通る紫や青が悲し気な雰囲気を纏っていた。
勝手に約束を決められてしまったが
土曜日はもともとOlivia
#87 悲嘆の涙のマスカレード
こちらの世界に戻った翌日、
朝早くにコツコツと窓を叩く音で目が覚めた。
あぁ、Oliviaがフクロウを送ってくれたんだ…
そう思って体を起こしたとき、
それはおかしいと気が付いた。
Oliviaは昨日、遅くまで仕事をしていて
今日中には送る、という話だった。
仮に昨晩送れたとしても
一晩で着くはずがない。
恐る恐るカーテンを開けてみると
外側の窓枠を何かがガチャガチャと音を立てて
歩きなが
#74 精霊の宿る樹への扉の鍵
落ち込んだ気分で自分の部屋に帰ってから
2ヶ月ほどが経った。
Oliviaからはフクロウが届いたりなどの
音沙汰も何もなかった。
きっと、気軽に連絡を取ることも
禁止されたのだろうと思っていた。
この2ヶ月、あまり積極的に
あちらの世界へ行きたい気持ちにならず
自分の生活に忙しく過ごすようにしていた。
しかし、あちらの世界には
ずっと気になっている場所があった。
それは「妖精の森」。
2
#43 可憐なメタルローズ
Oliviaが次に取り出したのは
小さな一輪の花だった。
しかし、自然の色とは思えないほど
輝いていて金属のような質感だった。
「これも、持って行ってって
言われたものよ。」
「これって薔薇の花?」
「そうよ、メタルローズっていう名前の
薔薇の花よ。」
「確かに、すごいメタリックだよね。
でも、メタル感すごいのに
どこか可憐な感じするよね。」
「そうよね~。
薔薇特有の繊細な感じ?
#28 血塗られた手の御守り
Leonardoは話を続けた。
「中には、持っているだけで
良くないもの、危険なものもありますけどね」
その時、私は伸ばしかけていた手を
急いで引っ込めた。
かなり不気味な”手”の飾りを見つけて
よく見ようと手に取ろうとしていたからだ。
それを見たLeonardoは
こう付け加えた。
「あぁ、それは大丈夫ですよ、触っても。」
「ほんとに?結構危険そうなんですけど…」
私は笑いながらも
#26 儀式用品店オーナーLeonardo(レオナルド)
1人で街を散策し始めた私は、
まずは前回Rajeepに最初に案内してもらった
鳥類専門店を目指した。
確かこの辺りに鳥類専門店があって…
あ、あった!
通りからも
甲高い鳥たちの鳴き声が聞こえる
鳥類専門店を通り過ぎ、
そのあとに行こうとしていた
鉱石店を目指した。
この通りを左?
いや。右だったかな?
とりあえず右に曲がってみた。
元の通りから数歩歩くと
先の道がすごく細くなっているのが
#23 薬屋のLily(リリー)
Oliviaと私は
Jackの家のすぐそばにある
薬屋さんに向かった。
Olivia、肘、大丈夫?
痛むの?
Oliviaの肘は少し赤く
少し腫れている程度だが
直径4,5㎝ほどの大きさがあった。
う~ん
触ると少しピリピリするくらい。
Jackさんに言われるまで
気付かなかったくらいだから大丈夫よ。
Oliviaが
ここよ、と入っていったのは
私たちの知る薬屋さんのイメージとは
随分かけ
#22 Jackの見解
で、聞きたいことって何だね?
Jackが話を元に戻した。
あ、えっと、
私の世界とこの世界の
行き来の仕方を教えてほしくて。
では、君は一体どうやって来たんだ?
その問いかけは間違ってはいなかった。
自分でもわからなかった。
考え込んだ私を見てJackはこう続けた。
実は、明確な方法は
まだ解明されていないんだ。
人それぞれ方法が違うようでね。
共通しているのは、
この世界を信じてい
#21 教授のJack(ジャック)
Eveの家を後にした私たちは
その町のメインストリートまで
戻ってきた。
確か…このお家だったかしら。
Olivia、来たことあるの?
来たことはないんだけど
何か扉やあなたの世界から来る人のことで
面白いことがわかったら教えてくれって
お家の場所を聞いていたから。
表札はなかったが
インターホンを押してみた。
…はい。
あ、えーと…
Jackさんのお宅でしょうか?
…あぁ。
えっ
#20 妖精を呼ぶ小さな薔薇のブーケ
あっ!
ちょっと待って!!
Eveの家の玄関を出る時、
急いでEveが後を追ってきた。
それ、ちょっと見てちょうだい。
Eveが指差す先の木箱には
大小様々、色とりどりのお花が
雑多に置いてあった。
整っていた庭や
丁寧に飾られていた花とは
対照的な置き方にとても驚いた。
わぁ。綺麗なお花たちね!
でも、このお花たち、どうしたの?
お庭のお花じゃないの?
最近、庭のお花を増やしすぎちゃ
#19 聞かなければいけないこと
Eveありがと~
たくさんハーブ摘んじゃった!
Oliviaが庭から戻ってきた。
Olivia、お疲れ様。
そろそろ摘まなきゃいけない時期だったから
助かったわ。
いいえ~
私にもハーブティーちょうだい。
もちろんよ、ちょっと待ってて。
私の隣に座りながら、
Oliviaは摘んだハーブを綺麗に籠に整えていた。
あなたの方は、Eveから何か聞けた?
ん?何かって?
えーと…
この世界