マガジンのカバー画像

3色団子

17
詩+ショート🍡
運営しているクリエイター

#短編

こなごなのカーテン

こなごなにしたカーテンを

ミキサーにかけたら

「ハサミの気持ちにもなれ」



シップを貼ったハサミに

一杯の水をもらった

船きゅうりの授業

船きゅうりの授業

「いいですか、みなさん。船もきゅうりも
おなじことにできたら

この世をぞんぶんに楽しめるのです。」

「教授、それはきゅうりを
船と思って食べるといいですか?

船はきゅうりだと思って乗るといいですか‥?」

「きゅうりは、よく見ると足があるのです。
船の成分は、3分の2がきゅうりです。」

「適当なこと言わないでください」

「授業料かえせいんちきじじい。そんなわけあるか」

「景色が変わりま

もっとみる
ミルク看板の下の店

ミルク看板の下の店

5日前 さむらい2人が
おでんと牛乳を

1円と5円玉だけで
あわてることなくゆっくりとゆったりと
会計を済ませ 店を出た 

勇ましい体貌ではあるが
彼らの裾から目尻から
従属的な削りかすのまじった湯気が
風呂上がりのように
もふもふ とでていた

ときおり海の匂いがした
(趣味は海釣りかサーフィンもしくは
海の仕事をしている
だけども削りかすてことは大工さんか

でもさむらいだけは取ることがで

もっとみる
一寸先は蓮畑

一寸先は蓮畑

一寸先は蓮畑
公共のトマト畑

みじん切りにされた歯ブラシを
水にさらすと
ネギの根が生える

辣油を10滴
ゴーヤの溝にかけて
ライン引きの仕事に就けます
就けます ああ
盛大な祝福
ウインナー10本と
生クリームとパイン
ミゾレワンタン

盛大に祝福したあと
まだかまだかと
カラスがトチの実を
車にひかす

近距離から計算された
ミドリとアカ
13の意図

君は何を投げるだろう
私は何を捨てる

もっとみる
中間試験は後ろ男の靴の中

中間試験は後ろ男の靴の中

私の後ろ
自動ドア

片栗粉まみれの
若者
土と側溝のまじった
香ばしい香りが
ドアの前に列を作る

ぶつかり合う肉体の音と
じゃぶじゃぶと掻き分けるような音

ドアが揺れだす 

次第に熱帯びて
わたしの背中が
まぶたが
手のひらが
もくもくと煙を出し始める

(かかとまでいかないように かかとまでいかないように )

力強く軽い
馬に似た
リズムのある足音

振り向く

2m近い男
190ぐら

もっとみる
目と目がくっつきそうな印刷屋

目と目がくっつきそうな印刷屋

あごが疲れはてた
30日目の昼

もうすぐ目と目がくっつきそうな
印刷屋が
頭から離れなくなった

その男に夢の中で
会うために

いつになく
筋肉強化をひたすらした

疲れはてて
眠るためだ

あごが私を横目で
笑っていた

私は皮肉を買うように
めしを眠りにつくまで
食わなかった

相性テレビ

相性テレビ

私がリモコン操作すると
なぜか電波が途切れる
画面が灰色になる

相性がよくないようだ
理由はわからない‥

なので家族に操作を任せて
自分ではスイッチを入れなくなってた

こないだ久しく
リモコンのボタンをぽちっと押してみた

案の定画面は灰色だった

(接続されていません)

「なんでやねん
なんでーーーーーおーい」

(関西出身
普段関西弁を使わない
現在東北
心の声だけ関西弁
やめたい)

もっとみる

あごの頬杖

あごは肩をまわした

その時左あごが

「こつきっ」
と聞いたことのない音を立てた

あごは肩を外した

あわてて私は
人差し指と中指で
左まわしに
電流を送った

あごは言った

「飛ばないあごは
  あごじゃない」

私の座布団がなくなっていた