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【要約】腎臓が寿命を決める 老化加速物質リンを最速で排出する


✅腎臓が寿命を左右する?老化を加速させるリンの影響とは

腎臓の健康が私たちの寿命にどれほど大きな影響を与えているか、ご存じでしょうか?

黒尾誠教授の著書『腎臓が寿命を決める 老化加速物質リンを最速で排出する』では、腎臓を守り、長く健康を維持するための具体的な方法が詳しく説明されています。

本書は、特に高齢者や健康維持に関心のある方に向けて、腎臓の重要性や老化を加速させる「リン」という物質がどのように影響を与えるのかを、科学的かつ実践的に解説しています。

腎臓が正常に機能していれば、体内の老廃物をスムーズに排出し、健康を保つことができますが、リンの過剰摂取や不適切な食生活が腎臓に大きな負担をかけることで、老化が加速し、最終的には寿命に影響を与えることが分かっています。

本書を読むことで、日常生活における食習慣の改善や、健康寿命を延ばすための方法がしっかりと身につくでしょう。

こんな人におすすめ!

  • 健康寿命を延ばしたいと考えている方

  • 腎臓の健康を気にしている方

  • 加工食品や日々の食生活を見直したいと思っている方

  • 高齢者や、年齢と共に健康に不安を感じている方

  • リンや腎臓についての知識を深めたい方

本書の魅力

『腎臓が寿命を決める』は、専門的な内容を分かりやすく解説しており、腎臓の働きや老化を防ぐための具体的なアプローチを丁寧に紹介しています。

特に、リンが私たちの体にどのように影響を与え、過剰摂取を防ぐためにどんな工夫ができるのかを知ることができるのが本書の魅力です。

腎臓の健康を守るために、食事や運動、生活習慣を改善する具体的なステップが紹介されており、すぐに実践できる内容も豊富です。

黒尾誠教授が提案するリンの排出方法や腎臓への負担を減らす方法を学ぶことで、80歳や90歳まで健康を維持するための具体的な行動が見えてくるでしょう。

以下では、本書の要点をわかりやすくまとめた内容を紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。




✅腎臓の役割と現状

腎臓は、私たちの体内で血液を浄化するフィルターのような役割を果たす非常に重要な臓器です。

具体的には、腎臓は血液の中から老廃物や余分な水分、塩分、カリウム、カルシウムなどを取り除き、これらを尿として排泄します。この過程で、体に必要な栄養素やミネラルは再吸収され、体内に戻されるため、体のバランスが保たれています。

特に重要なのは、腎臓が体全体の健康を支える働きをしている点です。例えば、腎臓が正常に機能していないと、老廃物が血液に溜まり、それが全身に回ってしまうことで様々な問題が生じます。

これには、血管のダメージ、慢性の炎症、動脈硬化、筋力の低下、認知症のリスク増加、そして寿命が短くなることなどが含まれます。

また、日本では約1330万人もの人が慢性腎臓病を抱えているとされ、2021年末の時点で透析を受けている患者数は35万人を超えています。

慢性腎臓病が進行すると、腎臓が老廃物を処理できなくなり、人工的に血液を浄化する「透析治療」が必要になります。透析は、1回あたり4〜5時間を要し、週に3回程度行う必要があり、患者にとっても非常に大きな負担となります。

腎臓病がここまで広がっている原因としては、食生活の乱れや生活習慣の影響が大きいと言われています。

特に現代では、加工食品や塩分、動物性たんぱく質を過剰に摂取することが多く、それが腎臓に大きな負担をかけています。また、腎臓は一度ダメージを受けると回復が難しいため、早期の予防や生活習慣の見直しが非常に重要です。

このように、腎臓が私たちの健康と寿命に大きく関わっていることを理解し、日々の生活で腎臓を守るための習慣を身につけることが長寿の秘訣と言えるでしょう。



✅リンが老化を加速させる?

リンは私たちの体に欠かせないミネラルの一つです。

例えば、骨や歯の形成に関わり、また細胞膜やDNAを構成する重要な成分です。そのため、肉や魚、乳製品などに含まれるリンを適度に摂取することは健康に欠かせません。

しかし、この「必要不可欠なリン」が過剰になると、私たちの体に悪影響を及ぼすことがあります。

過剰なリンの摂取は、特に血管や心臓に大きな負担をかけます。

リンが体内に多すぎると、血管の壁が硬くなり、動脈硬化を引き起こす可能性があります。動脈硬化が進行すると、血液の流れが悪くなり、心臓病や脳卒中のリスクが高まります。

また、筋肉量が減少したり、認知症のリスクも上がり、最終的には寿命が短くなる恐れがあります。

特に問題となるのは、腎臓が弱っている人の場合です。

腎臓は通常、余分なリンを体外に排出して体内のリンバランスを保つ役割を果たします。しかし、腎臓が正常に機能しなくなると、リンをうまく排出できなくなり、結果として体内にリンが蓄積してしまいます。

この蓄積が、老化を加速させ、さまざまな健康トラブルを引き起こします。たとえば、血管トラブル、筋力の低下、認知機能の低下など、幅広い不調が現れやすくなります。

リンの過剰摂取は、現代の食生活とも深く関わっています。特に加工食品には、食品添加物として無機リンが多く含まれており、これが体内で非常に高い割合で吸収されます。

普段の食生活で加工食品を多く摂取していると、知らず知らずのうちに体内に多量のリンが蓄積される可能性があるのです。

一方で、腎臓が健康であれば、余分なリンはしっかりと排出されます。

しかし、加齢や生活習慣の影響で腎臓の機能が低下してくると、リンの排出が追いつかず、体に負担がかかります。そのため、腎臓を守るためには、普段からリンの過剰摂取を避け、特に加工食品の摂取を控えることが推奨されています。

健康を維持し、老化を遅らせるためには、リンの摂取量を意識することが重要です。

腎臓に負担をかけない生活習慣を心がけ、バランスの取れた食事を心がけることで、長期的な健康維持につながるでしょう。



✅リンの種類と吸収率

リンには「有機リン」と「無機リン」という2つの種類があります。

それぞれの特徴を理解することが、リンの摂取量を管理し、健康を守るために重要です。

まず、有機リンは自然由来のリンで、肉や魚、乳製品などの食品に含まれています。私たちが普段の食事で摂取するリンの多くはこの有機リンです。有機リンは、体に吸収される割合(吸収率)が比較的低く、20〜60%程度です。

つまり、食べたリンの一部だけが体に吸収されるため、過剰摂取のリスクはそれほど高くありません。とはいえ、腎臓が弱っている場合や年齢を重ねるにつれて、この有機リンの摂取にも注意が必要です。

一方、無機リンは加工食品に多く含まれる人工的なリンです。無機リンは、食品添加物として使用され、保存料や品質を保つためにソーセージ、ハム、ベーコン、スナック菓子、即席ラーメンなど、多くの加工食品に添加されています。無機リンの吸収率は非常に高く、90%以上とされています。

これは、食べた無機リンのほとんどが体内に吸収されるということを意味します。

この高い吸収率のため、無機リンを含む加工食品を頻繁に摂取していると、知らず知らずのうちに体内に大量のリンが蓄積されるリスクがあります。

特に、加工食品を多く食べる現代の食生活では、無機リンの摂取量が増加し、腎臓に負担がかかりやすくなります。

無機リンは、私たちの体内で有機リンよりも速く吸収され、血液中のリン濃度を急激に上昇させるため、特に注意が必要です。過剰に摂取された無機リンは、血管や骨に悪影響を及ぼし、動脈硬化や骨粗しょう症、腎臓の機能低下を引き起こす可能性があります。

また、無機リンが含まれている食品は、その表示が複雑でわかりづらいことが多いです。食品のラベルには「リン酸塩」や「ピロリン酸ナトリウム」などと記載されている場合があり、一般の消費者にはそれが無機リンであることをすぐに理解するのは難しいかもしれません。

しかし、加工食品には高確率で無機リンが含まれているため、ラベルを確認し、できるだけ無機リンを避けることが健康の維持に繋がります。

特に腎臓が弱っている方や、健康を長く維持したい方は、無機リンが含まれている加工食品の摂取を控えるように心がけることが推奨されます。

健康な腎臓を守るためには、無機リンの摂取を意識的に減らすことが非常に重要です。



✅リンの過剰摂取を防ぐための対策

健康な腎臓を維持し、リンの過剰摂取を防ぐためには、次のような対策が推奨されています。

1. 加工食品を避ける

加工食品には、多くの無機リンが含まれているため、健康を守るためには、できるだけこれらを避けることが大切です。

無機リンは、食品の保存期間を延ばしたり、見た目や味を良くしたりするために使用される添加物の一つです。例えば、ソーセージ、ハム、ベーコン、チーズ、スナック菓子、インスタントラーメン、ファーストフードなど、多くの加工食品に含まれています。

無機リンは体内で非常に高い吸収率を持ち、摂取したほとんどが体に取り込まれます。これにより、体内でリンが過剰になりやすく、特に腎臓が弱っている人や高齢者にとっては、リンの蓄積が健康に悪影響を及ぼす可能性があります。

加工食品を日常的に摂取していると、知らず知らずのうちに体内に過剰なリンが蓄積され、老化を加速させたり、腎臓に負担をかけたりするリスクが高まります。

加工食品を避けるための第一歩は、食品のラベルをよく確認することです。無機リンは「リン酸塩」「メタリン酸」「ポリリン酸」など、多くの名称で表記されています。これらの添加物が含まれている食品は、リンの摂取量が多くなるため、なるべく避けるようにしましょう。

しかし、食品のラベルには、無機リンが含まれているかどうかを一見して判断しにくい場合があります。

例えば、pH調整剤、凝固剤、発酵調整剤といった添加物名が書かれている場合も、それらが無機リンを含む可能性があるのです。このため、加工食品を購入する際には、なるべく添加物が少ない商品を選ぶか、天然の食品を選ぶように心がけることが大切です。

加工食品を避けるといっても、いきなり全てを排除するのは難しいかもしれません。その場合は、まずはコンビニ弁当やインスタント食品など、無機リンが特に多く含まれているものから少しずつ減らしていくのが良いでしょう。

また、自炊を増やすことで、食品の選択肢をコントロールしやすくなり、無機リンの摂取量を自然に減らすことができます。

食生活を見直すことで、腎臓にかかる負担を減らし、体内のリンバランスを保つことができるようになります。
健康を意識し、できるだけ加工食品を避けることが、長期的な健康維持につながるのです。


2. 適度な運動

適度な運動は、体のさまざまな機能を健康に保つために欠かせませんが、特に骨の健康とリンのバランスに重要な役割を果たしています。

リンは骨の主要な構成要素の一つであり、骨の形成と維持に深く関わっています。しかし、運動不足になると、骨が強く保たれず、体内でリンやカルシウムが骨から溶け出してしまうことがあります。

なぜ運動が骨に影響を与えるのでしょうか?

それは、骨が常に新しい細胞に生まれ変わっているからです。筋肉や肌と同じように、骨も日々作り替えられています。私たちが体を動かすと、その刺激によって骨は丈夫になり、リンやカルシウムがしっかりと骨に取り込まれるようになります。

逆に、運動不足が続くと、骨への刺激が減り、骨の密度が低下してしまい、リンが骨から溶け出して血中に増えることになります。

この過程が進行すると、骨が弱くなるだけでなく、腎臓にも負担がかかります。腎臓はリンを排出する役割を担っていますが、過剰なリンが血中にあると、腎臓がその処理に追われ、徐々に機能が低下してしまいます。

特に慢性的な腎臓病を防ぐためには、適度な運動を習慣化し、骨から余分なリンが溶け出さないようにすることが大切です。

適度な運動というのは、必ずしも激しい運動を意味するわけではありません。ウォーキング、軽いジョギング、ストレッチ、筋力トレーニングなど、日常的に続けられる運動を取り入れることがポイントです。

これらの運動は、骨に適度な負荷をかけ、骨を強く保ちながら、体全体のリンバランスを維持するのに役立ちます。

特に、年齢を重ねると骨の強度が低下しやすくなるため、早い段階から適度な運動を習慣にすることが、健康維持のために重要です。また、運動を続けることで、筋力が維持されるため、転倒や骨折のリスクも減らすことができます。

まとめると、適度な運動を行うことで、骨の健康を保ち、リンが溶け出すのを防ぎます。これにより、腎臓への負担が軽減され、老化を防ぐためにも大きな効果があります。運動は心身の健康に良い影響を与えるだけでなく、腎臓の機能を保つためにも非常に効果的な方法です。


3. 動物性たんぱく質の摂取を見直す

腎臓が弱っている場合、食生活におけるたんぱく質の選び方が非常に重要です。

特に動物性たんぱく質は、腎臓に負担をかけやすいため、摂取量を見直す必要があります。肉や魚、卵などの動物性たんぱく質には、腎臓に負担をかけるリンが多く含まれており、これを過剰に摂取すると腎臓が余分なリンを排出するために過剰に働くことになります。

このため、腎臓が弱っている人や腎機能が低下している人は、動物性たんぱく質の摂取量を制限することが推奨されます。制限の目安としては、赤身の肉や脂肪分の多い肉類を控え、摂取頻度を減らすと良いでしょう。

その代わりに、植物性たんぱく質への切り替えが推奨されています。豆腐や大豆ミート、豆乳などの植物性食品は、動物性たんぱく質に比べてリンの吸収率が低いため、腎臓への負担が少ないとされています。

しかし、植物性たんぱく質にも注意点があります。近年、植物性たんぱく質に含まれる「レクチン」という成分が健康に影響を与える可能性が指摘されています。

レクチンは、豆類や穀類に含まれる天然の化合物で、体内に過剰に取り込まれると、腸の健康に悪影響を与えたり、消化不良や炎症を引き起こすことがあるとされています。レクチンは小麦のグルテンに似た性質を持っており、腸を傷つけてしまう可能性があるため、レクチンの摂取に注意が必要です。

そのため、動物性たんぱく質を植物性たんぱく質に切り替える際は、バランスを保ちながら摂取することが重要です。

例えば、レクチンを多く含む食品は、加熱調理することでレクチンの効果を減らすことができます。しっかり火を通した豆類や加工された大豆製品を使うことで、レクチンの影響を最小限に抑えながら、腎臓に負担をかけないたんぱく質を摂取することができます。

また、植物性たんぱく質には、動物性たんぱく質に含まれている必須アミノ酸が少ない場合もあるため、他の食品と組み合わせて栄養バランスを補うことが大切です。

例えば、穀物や野菜を組み合わせることで、体に必要な栄養素をしっかりと摂取できます。

腎臓を守るためには、動物性たんぱく質の摂取量を減らし、植物性たんぱく質に切り替えることが推奨されていますが、無理なく実践できるよう、食事のバランスを考慮しながら取り入れていくことが大切です。



✅自分のリンの摂取状況をチェックする方法

リンの過剰摂取が心配な場合、血液検査で自分の体内のリンの状態を確認することができます。

その際に注目するのが「FGF23」というホルモンの数値です。FGF23(Fibroblast Growth Factor 23)は、骨から分泌されるホルモンで、体内のリンが多すぎると、このホルモンが反応して腎臓にリンを排出するように指令を送ります。

具体的にどういう仕組みかというと、私たちが食事から多くのリンを摂取すると、骨の細胞がこれを感知し、FGF23の分泌が増加します。その結果、腎臓がリンを排出することで体内のリンバランスを保とうとします。

しかし、FGF23の値が高い状態が続くと、それは「体にリンが多すぎる」ことを示しているため、リンの摂取を控える必要があるサインと考えられます。

ただし、現在のところ、FGF23の測定は一般的なクリニックでは広く行われておらず、測定できる医療施設が限られている場合があります。また、保険が適用されないため、検査費用が高額になることもあります。

そのため、日常的に自分のリン摂取状況を把握したい場合は、もっと手軽に利用できる血液検査で「血中クレアチニン値」や「尿のリン濃度」を調べる方法もあります。これらの検査は、腎臓がリンをどれだけうまく処理しているかを示す指標となり、保険適用で手軽に受けられることが多いです。

また、リンの摂取量が多いと、必ずしもすぐに症状が出るわけではありません。しかし、腎臓が弱っている場合や加齢によって腎機能が低下している人にとっては、リンの蓄積が知らないうちに進行している可能性があります。

そこで、血液検査を定期的に受けることで、自分の腎臓の状態を把握し、リンの過剰摂取を早めに防ぐことができます。

もし、検査結果でFGF23やクレアチニンの値が高かった場合は、すぐにリンを含む食品、特に無機リンを多く含む加工食品の摂取を控えることが推奨されます。

また、健康な人でも、加齢に伴って腎臓の機能は徐々に低下するため、定期的にリンの摂取量を見直すことが健康を維持するために役立ちます。

このように、自分のリン摂取状況を定期的にチェックすることで、腎臓に負担をかけない生活習慣を保ち、長期的な健康を維持するための指針とすることができます。



最後に

腎臓の健康を守るためには、リンの過剰摂取を避けることが非常に重要です。

私たちの食生活や生活習慣が、腎臓にどれほどの負担をかけているのかを理解し、日々の選択を見直すことが、健康寿命を延ばすカギとなります。

加工食品を減らし、適度な運動を取り入れ、動物性たんぱく質の摂取量を見直すことで、80歳や90歳まで健康を維持することが十分に可能です。

年齢を重ねても元気でいられるように、リンの影響についてしっかり理解し、今からできる対策を少しずつでも生活に取り入れていきましょう。

腎臓を守ることが、長寿への第一歩です。

そして、腎臓の健康を守るための具体的な方法や知識を得るために、黒尾誠著の『腎臓が寿命を決める 老化加速物質リンを最速で排出する』を読むことを強くお勧めします。

この本では、腎臓の役割やリンの影響について、さらに詳しく学べるだけでなく、日常生活で実践できる健康維持のための具体的な方法も紹介されています。

健康的な生活を送るための一歩として、この本を参考に、腎臓の健康を守りましょう。

この記事が、あなたの健康維持に役立つ情報となれば幸いです。





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