【要約】運動ゼロ空腹ゼロでもみるみる痩せる ガチ速“脂"ダイエット
✅ガチ速“脂"ダイエットについて解説
金森重樹著の「運動ゼロ空腹ゼロでもみるみる痩せる ガチ速“脂”ダイエット」は、健康的かつ効率的に体重を減らすための方法を提案する一冊です。
著者の金森さんは、スイスのベルン大学の研究に着目し、糖質を極力抑え、脂質をメインエネルギー源とする食事法の有効性を見出しました。
このアプローチは「ケトジェニックダイエット」とも呼ばれ、肥満予防や病気のリスク軽減に加え、歯の健康にも効果が期待できる方法として注目を集めています。
この本には、糖質を減らし脂質を取り入れることで得られるさまざまな健康効果について、詳しく理論的に解説されています。食事管理が苦手な方でも無理なく始められる方法が分かりやすく説明されており、健康と体重管理を両立したい人にとって必読の内容です。
こんな人におすすめ！
健康的に痩せたいが、運動や空腹感を伴うダイエットに抵抗がある方
糖質の多い食生活が原因で体調を崩しやすい、または生活習慣病を予防したい方
健康寿命を延ばし、歯の健康や体調管理も意識したい方
ケトジェニックダイエットに興味があるが、具体的な方法がわからない方
本書の魅力
「ガチ速“脂”ダイエット」の魅力は、運動や空腹を感じることなく、効率的に体重を減らせる実践的なアプローチにあります。さらに、著者の経験や専門知識が豊富に取り入れられており、科学的根拠に基づいたアドバイスが充実している点も魅力です。
単なるダイエットではなく、長期的な健康維持を目指したライフスタイルの改善法としても大いに参考になります。
以下に、本書の内容を要約して解説していきますので、興味のある方はぜひ読み進めてください。
✅糖質と脂質の違い
糖質と脂質には、体のエネルギー源としての役割に大きな違いがあります。糖質は主にご飯やパン、パスタなどの炭水化物に含まれ、摂取すると消化されてブドウ糖に変わり、血液に取り込まれます。
これが血糖値を上昇させ、短期間でエネルギーを供給しますが、エネルギーがすぐに切れやすく、頻繁に糖質を摂らなければならない状態になります。また、血糖値が急に上がることで、体には以下のような影響が出やすくなります。
血糖値の急上昇が引き起こすリスク
血糖値が急激に上がると、体はその上昇を抑えようとして、インスリンというホルモンを大量に分泌します。インスリンは、血液中の余った糖（ブドウ糖）をエネルギーとして使うように働きかけたり、使いきれなかった糖を体脂肪として蓄えたりする役割があります。このため、インスリンの分泌が多くなると、糖が脂肪に変わりやすくなり、結果として体脂肪が増えて肥満の原因となるのです。
さらに、血糖値が急に上がったり下がったりすることで、体に大きな負担がかかります。この変動により、エネルギーが安定せず、疲れやすくなったり、集中力が途切れやすくなったりすることがあります。また、血糖値の乱高下は、体内で「酸化ストレス」と呼ばれる老化を進める要因を引き起こしやすくし、肌のハリが失われたり、シワが増えたりといった老化現象にもつながります。
また、血糖値の急上昇と急降下を繰り返すことで、糖尿病や動脈硬化といった生活習慣病のリスクが高まるとも言われています。血糖値の変動は、体にとって「隠れストレス」の一つであり、これを避けることが健康維持に重要です。
糖質のエネルギー供給の特徴
糖質は、消化が早く、摂取するとすぐにエネルギーとして使われます。これは、例えばお米やパン、パスタといった炭水化物を食べたときに「すぐに元気が出る」と感じる理由です。糖質は体内で素早くブドウ糖に分解されて血液中に取り込まれ、即座にエネルギー源となります。そのため、急にエネルギーが湧き上がるような感覚が得られますが、その分エネルギーの持続力が短く、すぐにエネルギーが切れてしまうことも特徴です。
糖質を摂りすぎると、血糖値が急激に上がり、その後急に下がるという「乱高下」が起こりやすくなります。急激に血糖値が上がるとインスリンが多く分泌され、血糖値が下がりすぎてしまい、エネルギーが不足して空腹を感じたり、イライラ感が出やすくなったりします。特に、糖質の多い食事を繰り返すと、エネルギーの上下動が激しくなり、体にとって大きな負担がかかることになります。
このように、糖質はエネルギーを素早く得るためには便利ですが、持続力に欠けるため、食後の空腹感が早く訪れ、また余分な糖が体脂肪として蓄積されやすいというデメリットがあります。
一方、脂質はアボカドやナッツ、オリーブオイル、肉や魚に多く含まれ、消化吸収がゆっくりと進むため、エネルギーが長時間持続します。
脂質は、エネルギーに変換されても血糖値をほとんど上げないため、インスリンの過剰な分泌も抑えられます。
そのため、脂質をエネルギー源とすることで、糖質の摂取による急な血糖値の変動が減り、安定したエネルギー供給が可能になるのです。
✅糖質カットの効果
糖質をカットすると、体は最初に「ケトインフルエンザ」と呼ばれる一時的な体調変化を経験します。
これは、糖質をエネルギー源にしていた体が、脂質をメインのエネルギー源に切り替える準備段階で生じるものです。主な症状としては、倦怠感、胃もたれ、疲労感、脱力感などがあります。こうした症状が現れる理由は、体が糖質から脂質にエネルギー源を切り替えるためにエネルギー不足の一時的な状態に陥るためです。
この期間は通常、4日から10日ほど続きますが、この間、体は脂質を燃料として利用する「ケトーシス状態」に移行しようとします。ケトーシスに入ると、脂肪が分解されてケトン体と呼ばれるエネルギー物質が生成され、体はケトン体を使ってエネルギーを供給できるようになります。この状態になると、血糖値が安定し、インスリンの分泌も抑えられ、エネルギーが安定して長持ちするようになるため、体の疲れを感じにくくなります。
また、糖質が主なエネルギー源であると、エネルギー切れが早く、空腹感を感じやすい傾向にあります。しかし、脂質がエネルギー源になると、エネルギー供給が持続するため、空腹感が減り、食欲が安定するというメリットもあります。この「ケトインフルエンザ」の時期を乗り越えると、脂質を効率よく使う体質になり、エネルギー切れを起こしにくい、安定したエネルギー源を持つ体になるのです。
✅推奨される食事内容
このダイエット法では、糖質の摂取を極力避け、高脂質の食材を中心にした食事が推奨されます。
具体的には、肉、魚、卵などの動物性の食品をメインとし、脂質の豊富な食材を取り入れることで、体に必要なエネルギーを脂質から得ることを目指します。このため、ご飯やパン、パスタなどの炭水化物類は避け、糖質を含む食品を極力控えることが重要です。
食事のポイントとしては、脂質の多い肉や魚を選ぶことが推奨されています。例えば、肉なら牛肉、豚肉、鶏肉などが挙げられますが、できれば脂身の多い部分を取り入れることが望ましいです。魚であれば、サバやイワシといった青魚が適しています。また、料理に使う油としては、牛脂やMCTオイル、オリーブオイルなどを取り入れると良いとされています。これらの油はエネルギー供給が安定しやすく、脂質の摂取量を増やす助けになります。
さらに、糖質をほとんど含まない食材を取り入れることも大切です。たとえば、アボカドやキノコ類は糖質が低く、栄養価が高いので、積極的に摂取して良いとされています。
サプリメントの活用
このダイエット法では、糖質を極力カットするため、食事からだけでは十分に摂りにくい栄養素があります。通常、私たちはお米やパンなどの炭水化物からエネルギーと一緒にビタミンやミネラルを得ていますが、糖質制限によってそれらの食品を避けるため、ビタミンやミネラルが不足しやすくなるのです。そのため、体に必要な栄養素を補うためにサプリメントを活用することが推奨されています。
とくに不足しがちな栄養素として、以下が挙げられます
ビタミンB群：ビタミンB群はエネルギー代謝に欠かせない栄養素で、疲労回復や肌の健康維持にも役立ちます。糖質をカットすることで代謝のエネルギー源が脂質に変わるため、体内での代謝をサポートするビタミンB群が重要になります。
ビタミンC：ビタミンCは抗酸化作用が強く、免疫力の維持や疲労回復に役立ちます。また、水溶性で体内に溜まりにくいため、こまめに補給する必要があります。ダイエット中に欠かせないビタミンです。
マグネシウム：マグネシウムはエネルギー生成、筋肉の収縮、心臓の健康をサポートするミネラルで、糖質を控えた食生活では不足しがちです。マグネシウムの補給は体調を安定させ、便秘の予防にも効果があります。
鉄分：鉄分は血液を作るために必要で、酸素を体全体に運ぶ役割を担っています。糖質制限により食事のバリエーションが減ると鉄分が不足しがちなので、サプリメントで補うとエネルギー維持に役立ちます。
オメガ3脂肪酸：オメガ3脂肪酸は、体内で炎症を抑えたり、血液循環を良くしたりする効果がある必須脂肪酸です。脂質を主に摂る食生活においても、質の良い脂を補うことは重要です。魚の脂などに多く含まれていますが、サプリメントで効率よく摂ることができます。
糖質を控えた食事は体に良い影響を与える反面、必要な栄養が不足しやすくなる面もあります。こうした栄養素をサプリメントで補うことで、健康的にダイエットを続けやすくなり、体調を安定させる助けになります。
このような脂質を中心にした食事は、糖質を断つ生活が前提となっているため、かなり徹底した食事管理が求められます。
✅実行の注意点
「ガチ速“脂”ダイエット」を実行する際には、健康面を十分に考慮することが非常に重要です。このダイエット法では糖質を極限までカットし、脂質をメインのエネルギー源とするため、体に与える影響も大きく、適切に準備しながら行う必要があります。
1. エネルギー不足を防ぐための工夫
糖質をカットしたダイエットでは、体がエネルギー源として脂質を使うようになるまでに一時的なエネルギー不足が起こることがあります。糖質は普段、体のすぐに使えるエネルギー源として働きますが、糖質を控えると、それに慣れていた体が一時的にエネルギー不足を感じ、疲れやすくなることがあるのです。このとき、適切に脂質を摂ることが重要になります。
エネルギー不足を防ぐために役立つ食材
脂質を多く含む肉や魚、卵などの食材を積極的に取り入れると、エネルギー不足を補いやすくなります。例えば、脂身のある牛肉や豚肉、サバやイワシといった脂肪が豊富な魚、黄身に栄養が多く含まれる卵などが良い例です。これらの食品には、脂質だけでなく、タンパク質やビタミン、ミネラルなどの栄養素も含まれているため、バランスよく摂ることで、エネルギーを長持ちさせ、空腹感も抑えることができます。
脂質がエネルギー源になる仕組み
糖質を摂取していない状態が続くと、体はやがて脂質を分解してエネルギーを得る「ケトーシス」と呼ばれる状態に移行します。この状態に入ると、体は脂肪を効率よく燃やしてエネルギーを作り出せるようになるため、エネルギー切れが起こりにくく、空腹も感じにくくなるというメリットがあります。ケトーシスの状態になれば、脂質をエネルギー源として安定的に活用できるため、糖質を摂取しなくても元気に過ごせるようになります。
空腹感を抑えるためのポイント
脂質を中心に食べると、糖質中心の食事と比べて消化がゆっくりと進むため、満腹感が持続しやすく、空腹感を感じにくくなります。特に食事のたびに適度な脂質を摂ることで、次の食事までお腹が減りにくくなり、間食の誘惑も減らせるようになります。
糖質をカットする食事法では、脂質をしっかりと摂取することで、エネルギー不足や空腹感を防ぎながら健康的にダイエットを進めることができます。体が脂質に慣れるまでの間、脂質を豊富に含む食品をバランスよく摂ることを意識しましょう。
2. 医師のサポートを受ける
糖質を極端に減らす食事法は、体のエネルギー源を変えることで代謝や体調に大きな影響を及ぼすため、特に体に負担がかかる場合があります。そのため、持病がある方や、健康上の不安がある方は、ダイエットを始める前に必ず医師のサポートを受けることが大切です。
糖質を制限すると、体が脂質を主なエネルギー源とする「ケトーシス」状態に移行します。この過程で、体内のホルモンバランスや血糖値の変動、電解質のバランスなどが変わることがあります。特に、糖尿病、高血圧、腎臓の病気がある場合や、妊娠中・授乳中の方は、通常の代謝の変化が体調に影響を与えやすいため、専門的なアドバイスを受けることで、安全にダイエットを進めることができます。
医師や栄養士に相談することで、体質や健康状態に合った方法や注意点を確認でき、必要に応じてサプリメントの種類や量の調整についても助言を受けられます。また、健康管理の専門家からのサポートがあることで、体調不良や栄養不足を未然に防ぐことができるため、安心して取り組むことができます。
糖質制限ダイエットは効果的な方法ですが、自己流で行うのではなく、医師や専門家の指導のもとで進めることで、健康を保ちながら安全に成果を得やすくなります。
3. 継続の難しさを理解する
このダイエット法は、糖質を極力控え、脂質を中心とした食事に切り替えるため、普段の食生活と大きく異なります。多くの人が日常的に食べているご飯やパン、パスタ、スイーツなどは糖質が豊富であり、このダイエット法ではそれらを避ける必要があります。そのため、普段の食事習慣を大きく変える覚悟が必要です。
特に、友人や家族と外食を楽しむ機会では、メニューに制限を感じることが多くなります。食事に気を使い続けることが心理的な負担になる場合もあり、そうした制限を理解していない周囲の人から「少しぐらい大丈夫」と勧められることもあるでしょう。このような状況が繰り返されると、途中で「少しだけ糖質を摂ってもいいかも」と思う場面も出てくるかもしれません。
継続を目指すためには、最初から「この食事法は長期間継続するために工夫が必要だ」という認識を持つことが重要です。例えば、ダイエットに適した食材やメニューを事前に調べておく、糖質を含まない食品やおやつを常備するなど、工夫することで実行しやすくなります。また、家族や友人にも協力をお願いし、サポートしてもらうと、ダイエットを長続きさせやすくなるでしょう。
このダイエットは効果的ですが、制限が多く、習慣にするのは簡単ではありません。あらかじめ困難さを理解し、無理のない範囲で工夫しながら続けていく姿勢が成功のカギになります。
4. 自分に合ったペースで進める
このダイエット法では、糖質を減らし、脂質を主なエネルギー源とする「ケトーシス」という体質に移行することを目指しますが、脂質エネルギーへの切り替えがスムーズに進むかどうかは個人差があります。
人によっては、急に糖質を減らすとエネルギー不足を感じたり、倦怠感や疲労感、頭痛などの「ケトインフルエンザ」と呼ばれる一時的な体調不良が現れることもあります。このような症状が出ると、ダイエットを続けるのが難しく感じるかもしれません。
無理に急いで糖質を完全にカットするのではなく、少しずつ糖質を減らしていくペースで進めるのも一つの方法です。例えば、最初は炭水化物の量を減らし、徐々に脂質を多く含む食材を増やしていくなど、段階的に移行することで体が新しいエネルギー源に慣れやすくなります。また、体調に注意しながら、自分に合ったスピードで行うことで、余計なストレスや体調不良を避け、継続しやすくなるでしょう。
さらに、自分の体の反応をしっかり観察しながら進めることも大切です。例えば、疲労感が続く場合は糖質を少し増やしてみたり、エネルギー不足を感じるときには良質な脂質を追加するなど、臨機応変に対応することがポイントです。自分のペースで無理なく進めることで、体質が自然にケトーシス状態に移行し、より快適にこのダイエットを続けられるでしょう。
「ガチ速“脂”ダイエット」は、徹底的に実行することが求められますが、気軽に始めるのではなく、十分に準備を整えた上で取り組むと、より安全で効果的に実行できるでしょう。
最後に
この食事法は、特に健康リスクが高い方や、糖質による肥満や生活習慣病に悩む方に効果が期待できる方法です。
ただし、誰でも簡単に無理なく実行できるわけではありませんので、自分の体調やライフスタイルに合わせて慎重に判断することが重要です。
食事内容を大きく変えるこのダイエット法は、日々の生活に影響を及ぼすため、始める際は無理のない範囲で進め、必要に応じて医師や専門家に相談することをおすすめします。
より詳しい実践方法や理論について知りたい方は、金森重樹著の「運動ゼロ空腹ゼロでもみるみる痩せる ガチ速“脂”ダイエット」を手に取ってみてください。
この本には、健康的に痩せるための具体的な食事法や生活習慣のアドバイスが豊富に紹介されています。
自身の健康を見直し、効率的なダイエットを検討している方にとって、大きな助けとなるでしょう。
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