<連載長編小説>黄金龍と星の伝説 ‐第一章/出会い‐ 第14話
マギラの国 -2
高い塔を背にあるきだし、
やがて古びた建物のあつまる場所までやってきて立ち止まると、
あたりの景色を見まわして、
サムは、思わず口もとを緩ませました。
通りには石造りの建物が建ちならび、そのまわりを、サムの国では目にすることができない珍しい品物ばかりが山積みに放置されていて、そのふしぎな光景をまえに、
『まるで……、
おとぎの国にまよいこだ物語の主人公のようではないか!』と、ほくそ笑んだ・・つぎの瞬間、
建物の谷間を覆う巨大な影があらわれ――、大気