僕は猫である。名前はちゃーちゃんだ!vol.11
うーんねむー。むにゃむにゃ。
まだねむー。って、そろそろ起きるかな。
ふわああああーーーってあくび。ママ? っってもー。
まーたママがいなーい!
うーん。お風呂掃除かなぁ。
・・あくび。それからお手々ぴーん。ブルッ。
ママってばお風呂場を楽しくする、って何日前だか使ってないブックエンド(しかも猫のやつね)をお風呂の窓に固定してからたのしそうなんだにゃ。スピーカーなんか置いてさ。今日はなんだかいつもと違う音楽が流れているのよね。
ママが歌いながらシャコシャコしてるよ。
けーせらあぁせらあぁ♪なるよぉおおにぃーなるぅー♪
あ、ママの声がする。痛い!とかつらそうだったりご機嫌だったり忙しいのね。ママって気まぐれだな。
まーた僕が知らないお歌歌っているのにゃ。
違う国の言葉だ。ママ?
けーせらあせらあ♪
いけない!ご挨拶ご挨拶。
noteの皆さん。
明けましておめでとうございます。ちゃーすけです。
今年の夏に5歳になります。僕は茶トラなので干支に混ぜて欲しいな、って思っているんだにゃ。夏以来の僕のnoteです。
ママの代わりを務めるアシスタントの僕ってお利口だよ。いつもマンションに遊びにくるりゅーすもちったぁ僕のことを敬えよなぁ。まあいいや。りゅーすは僕とツゥゲザーしてくれてるからな。
でもあいおうもわからない、レコードってのもいまだにわかんないのに。
けーせらあせらあ、ってなんだろうな?
ママに訊いてみるか。久しぶりにママにインタビューするかあ。
お風呂場、寒いかな。
(仕方なくデロンギの前から移動してお風呂場を覗く僕)
って全く気がついてないな。ママってばもー。
(ちゃー) ママ?マーマ!
(ママ) なるようにーなるぅー♪
・・しっぽパッタンパッタン。ママの部屋着のスカートをハッシ!
(ママ) わ。ちゃーちゃん。びっくりするじゃない!あんよにお水かかるわよ!
・・洗面所に戻る僕。足拭きマットにちょこん。
(ちゃー) けーせらあせらあってなあに。
(ママ) なるようになる、って意味だよちゃーちゃん。
ママさあ。たまにはいろいろ聴きたいのよ。
・・しっぽぴーん。おひげ前に。
(ちゃー) なるようになる、かぁ。ママそう考えてるんだね。って生活苦のわりに楽しんでるよねママ。
(ママ) そうだよ。あ。これ懐かしい。
かぁたりぃー♪かぁたりー♪やさしあのことば♪むね♪いたまぬーときわぁなしかたりぃ♪たあのしきぃいいあのひわすれじかたりぃー♪
・・しっぽだらり。また始まったよ。ママのお歌の時間だ。お隣がまだお留守だからいいけどさ。
(ママ) カンツォーネ、って言うんだよ。ちゃーちゃん。
・・お耳前へ。おひげピン!
(ちゃー) カンツォーネって美味しそうな名前だねママ。
ママは知らん顔して続けている。なーげけどもきみはしらーじー♪かあなしみをしりたもうー♪
なんだかやな予感するじゃない!絶対声張るぞ?これ
あーーー♪つれなくううもぉー♪いとおーぉしのひーとぉおおよぉー♪わぁーれーうぉーおもいたまわあぁずぅうー♪
・・わかったわかったってしっぽバタバタ。拍手しているつもりの僕。
(ちゃー) ママ。落ち込んだり泣いたり笑ったり忙しいけどさ。今日はご機嫌みたいだね。
(ママ) ん?そうねぇ。なるようにしかならないからね。
ママはろくでなしなのよね。これでいいのよ。
(ちゃー) でさぁ。りゅーすはひとでなしなんだよね。僕は何なしなの?
(ママ) ちゃーちゃんはおかまいなしでしょうね。
(ちゃー) えーーっ!こんな気遣いできる僕にたいしてあんまりぢゃないのよ!
・・しっぽブンブン。イカ耳。
(ママ) ママは自覚あるのよ。ろくでなし、って。ついでにRさんは良い意味あいでのひとでなし。ちゃーちゃんはおかまいなしだあ。
・・ママはブラシのお水を左手でパシャパシャ切る。
僕。 しっぽぴーん。
(ちゃー) まあいいや。あれ?最近良く聴いてるよね?これ。CDあるよね?
(ママ) この年齢になってわかる歌もあるんだよねちゃーちゃん。
(ちゃー) ろくでなしー♪って言ってるね。だからママ。ろくでなしだなんて言うの?
(ママ) きずつけあうのがぁ♪ちゃっちゃっちゃー ♪きらいだからとぉ♪ちゃっちゃっちゃー♪
聞いてやしないな。やっぱりママは謎だらけだ。
(ちゃー) ママ。ねー。でさあ。ろくでなしでもひとでなしでもいいけどさあ。
(ママ) ん?
(ちゃー) りゅーすとママと僕はなんなんだろ。
(ママ) さあ。平安時代みたいな?
(ちゃー) へーあんじだいー?
ママは赤い頭をくる、って向けて僕を抱えた。やめてにゃお手々冷たいにゃー!
うーん。ちゃーちゃん、ママの体重とちゃーちゃんの体重足したら。うわ、ちゃーちゃん、6kg越えてるよ。ちゃーちゃん肥満したらダメだよ。
・・あわてて逃げる僕🐾🐾🐾デロンギー。さむーつめたーい。しっぽひきずり畳のお部屋の座椅子に。
あ、またまた違うお歌だよ。
………。これならわかる気がするな。ママはりゅーすにこう思っているんだな。
余裕ぶちかましてるところはママらしいや。
何か噛み合わないけどさ。やっぱりママはママだよね。僕はママが大好きなんだからいいけどさ。
てかさあ、お正月から僕がnote書いてる、ってどうなの?ねーママ、マーマ!
・・ おめめぱちぱち。しっぽふりふり。
(ママ) noteの書き初めをちゃーちゃんにも、だよ。アシスタントなんでしょ?
ママはニコニコ笑う。
ぶつぶつ言いながらスピーカーを左手に持ちながら。ケーブルで充電しているママ。
(ママ) ちゃーちゃん。
(ちゃー) なあに。ママ。
(ママ) Rさんは格闘技好きじゃない?RIZINとか。
(ちゃー) かくとーぎ?らいじん?何よそれ。
(ママ) リングにママがあがるならさ。ママこれがいいわ。
(ちゃー) リングぅ?
そういえばお正月からりゅーすがきていてにゅーじょーきょくだとかヌンチャクみたいにサイコロに紐つけてだの二人して騒いでいたな。ママ、っていつも何かと戦いたいのかしら?
(ちゃー) いつも聴いてるよね。ゾロ目。
(ママ) ね。このピアノのあとから花火ドカーン🎉!
こりゃ終わらないな。早めに寝てしまおう。
(ママ) ちゃーちゃん?あら。またねんねしたの?
(ちゃー)……。 …寝たふり。
・・お耳だけママを追う僕。
ママはキッチンへすたすたいってしまった。
ヴォリュームがやや小さめになった筋肉少女帯が聴こえてくる。
なんとなくわかるよ僕は猫だけどね。
ママとずっと一緒だからママが自分を鼓舞しているときに歯を食い縛りながらいつもイヤホンやヘッドフォンから漏れてくる爆音の音楽の意味。
ママ。 猫だけどわかるさ。
ママ。 うん。わかったよ。
「なにか」、と立ち向かい続けているんだね。僕は猫だからそれがなんなのかは難しいことはわかんないけどさ。
でもさ。変人だろうがなんだろうがママは僕のママなんだ。
僕はママが大好きなんだから。
ママが笑っていてくれたらそれでいいんだからね。
ちゃーすけ。