仕事がつまらないと感じているメンバーをやる気にさせる方法②(やりたいことが特にないメンバー篇)/しくじりマネジメント
先日、やりたいことが今の仕事とは別にあって仕事をつまらないと感じるメンバーのマネジメントについて、書きました。
(まだ読んでいない方はぜひこちらをご覧ください)
今日は「やりたいことがあるわけじゃないけど、今の仕事もつまらないと感じているメンバー」のマネジメントについての僕の失敗と学びを共有したいと思います。
やりたいことはないけど、仕事に集中できない
仕事がつまらないというメンバー。じゃあ、「何がしたいの?」と聞いてみても、「特にやりたいこともないです・・・」
多くの上司はそんな状況を経験したことがあるのではないでしょうか。やりたいこと・実現したいことが全く別にあり、仕事に集中できないならまだしも、特にやりたいことがわるわけではないのに現状を否定するような発言になるのはなぜでしょうか。
僕が経験したことをご紹介します。
そのメンバーは目指す社会の実現に向けて力を発揮したい。と思って入社したものの、顧客が求めているかどうかも分からないのに電話かけをしないといけないこと。困り事はないと言われた顧客にも無理やりアポイントを取って接点を持たないといけないと言われてしまうこと。そんな状況に嫌気がさして、やる気を失っている状況でした(無理やりという表現は本人の解釈であり、そんなことは言われていません)
当然、そんな状況・心境であれば、成果につながるはずもなく、くすぶっている状況です。
どうにか成功体験を積ませてあげたいし、モチベーションを高めたい。という勝手な僕の想いから、WILL(やりたいこと/なりたい姿)を聞いてみるものの、「特にありません」という返答。
あの手この手で質問したものの、最終的には「んー、でも何かあるんじゃない?入社動機では○○と言っていたよね?だとしたら、やりたいことって○○じゃないの?」と聞いたところ、「確かにそうですね」という返答があり、か細いもののこれがモチベーションをあげるきっかけだ!と考えたのでした。そうして、改めて入社動機を思い出し、その時に考えていた理想に向かって、頑張ろう!と背中を押したのでした。
その後、数週間が過ぎ、そのメンバーと会話したときのことです。最近の状況について聞いてみたところ「モチベーションが湧きません。というより、もうこの会社を辞めようかと思っています・・・」
まさかの事態です。
少し前に目指すものを合意し、そこに向けて頑張ろうと決めたばかりだったのになぜ・・・
それを聞いて、ようやく独りよがりなマネジメントをしてしまっていたことに気づいたのでした。
入社動機は必ずしもやりたいことではない
本人のやりたいことを考える際に入社動機を聞くことがあると思います。もちろん、入社動機を確認して、メンバーのことを知ることは良いことですが、心の底から言っている気持ちなのか、差し障りのない言葉を並べただけなのか、それをしっかり見極めることは非常に大事です。
もちろん、メンバーも嘘をついているわけではありませんが、本音と建前はあります。それを勘違いして、このメンバーは「○○をやりたくて会社にいるんだ」と捉えると、かかわり方を間違えてしまうことがあります。
また、志望動機にも注意が必要です。これも採用時に嘘をついているわけではありませんが、面接の際に話してから入社まで結構な期間があります。学生の頃の気持ちはちょっとした経験ですぐに変わってしまいます。
大事なのは”今”ここにいる理由(何のためにこの会社にいるのか)を知ろうとすることです。過去を聞いて、勝手に納得してはいけません。
自分の言葉にさせること
先ほどもお伝えした通り、メンバーの声には本音と建前があります。そのため、自分の言葉になりきっているのかを見極めることが大切になります。
もちろん、メンバーの声を疑おうと言っているわけではありません。正しく掴もうということが言いたいのです。
先ほど、「確かにそうですね」と言ってくれたメンバーとのやり取りについては重大なしくじりがあります。それはメンバーは何も言っていない。ということです。
ん?と思った方もいるかもしれません。
ですが、冷静に考えるとメンバーは自分の言葉で説明をしたわけではなく、相槌を打っただけなのです。
例えば、社会のために頑張りたいというメンバー。多くの人のために頑張りたいというメンバー。困っている人のために頑張りたいというメンバー。どれも似ているようですが、やりたいことはそれぞれ異なります。
つい、「お前の言いたいことはこういうことだな」と勝手に抽象化したり、上司の言葉に変換させてしまうことがありますが、これには注意が必要です。
メンバーに話してもらえるような投げかけをできるように気を付けましょう。
嫌からスキを見つけられる!?
そうは言っても、聞いていても何もやりたいことが出てこないメンバーにはどうすれば良いでしょうか。個人的には「やりたくないこと」を聞いてみると良いと思います。
これには2つの理由(可能性)があります。
まず1つ目を説明します。
①やりたくないことを排除した結果にやりたいことが見つかること
例えば、顧客や社外の人とのやり取りは気疲れするので避けたい。突発的な仕事が発生すると柔軟な行動が苦手。前例のない業務や型がない業務は好まない。仮にそんな状況があるとしたら、それらの状況が発生しにくい業務ってある程度限られますよね。研究系の仕事や品質管理系の仕事等・・・(会社によると思いますが)自分とは縁遠い職種ならなおさら可能性があるかもしれません。
ですが、メンバーは研究系の仕事をしたい。品質管理の仕事をしたい。とは言いません。なぜでしょうか。
それは知らないからです。
もっと言うと考えたことがないからです。
若手メンバーなら尚更ですが、自分より縁遠い仕事はもちろんのこと、協働する組織の仕事だとしてもやりがい・面白さ・日々の仕事については知らないことが多いです。
上司は幅広い視野でメンバーの最適な仕事を考える必要があります。
②やりたくないことが意外とやりたいことに繋がることも
あくまで可能性として、やりたくないと言ってることがやりたいことに繋がることもあることを認識しておく必要があります。どういうことかというと、以前に「顧客接点は苦手だから、営業をやりたくない」そんな発言をするメンバーがいました。ですが、そのメンバーは今も営業職ですし、むしろ楽しんでいます。
何があったのでしょうか?
それは「苦手=嫌い」と思っていた(勘違いしていた)からです。1つ1つ積み上げて、成長し、顧客に信頼され、成果を残せるようになると、営業という仕事の面白さに気づき、愉しくなったのでした。
ただし、必ずしもやりたくないことがやりたいことに繋がるわけではありません。あくまで可能性の1つです。やりたくないということの多くは苦手意識からきていることが多く、その苦手意識は成功体験の欠如か失敗体験のトラウマから出来上がっていることがほとんどです。
「やりたくない」ということについても冷静にその背景や根っこにある想いに耳を傾けてみてください。
終わりに・・・
今回はやりたいことがないメンバーに関するマネジメントのポイントをご紹介させていただきました。前回のやりたいことが別にあるメンバー篇についても、ぜひ読んでいただけると嬉しいです。
仕事がつまらないと感じているメンバーをやる気にさせる方法①
やりたいことが別にあるメンバー篇
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