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マネジャーになって犯した5つの大罪/しくじりマネジメント第30回_最終回

2021年4月からしくじりマネジメントと題して僕の失敗とそこからの学びをお伝えしてきました。

振り返りながら記事を書き続けてきましたが、僕はあまりにたくさんの失敗をしてきました。ほんとイケてなかったのだなと思います。ただ、その経験があるから今の僕があるとも思います。学びを積み重ねることができました。

ただ、できることなら失敗はしない方が良いですよね。noteを書き始めたのは僕の失敗を疑似的に体験していただき、皆さんが同じ失敗を体験しなくて済むように発信してきました。ただ、ちょっとネタが枯渇してきましたね。あまりに失敗をしていた時期は記憶にない期間もあり・・・。
ということで今日はしくじりマネジメント一旦最後の投稿になります。

今回は僕が振り返る5つの最大の失敗をお伝えしたいと思います。きっと今同じように失敗をしている人がいるはずです。ぜひご参考にしてください。

仕事ができると勘違いしていた罪

僕は比較的若くして管理職を任せてもらいました。今考えれば、たまたまポジションが空いていたという理由と、当時の任用の意思決定をしてくれた部長がすごかっただけです。ただ、20代後半の僕は自分で言うのもなんですが、イケイケな気持ちでした笑 自分の実力で勝ち取ったとばかりに勘違いしていたのです。

当時の僕は営業として、どうすれば売れるのか。仕事の成果の出し方が分かっていたし、成果を出し続けるための自分なりの成功パターンを持っていました。もちろん苦しい場面や辛い場面もありましたが、協働者にも恵まれましたので、何でも乗り越えられるような気がしていました。いわゆる、調子に乗っていたというやつです。

ただ、マネジャーという仕事を担うのは職種転換と同じです。全くこれまでと仕事のやり方、同僚との関わり方が変わりますし、1つ1つの意思決定の重さ・責任が変わります。これまでの仕事ではハイパフォーマーだったとしても、マネジャーになると、また1から学び直すわけです。

にもかかわらず、これまでのやり方を変えようともせず、自分のやり方は間違っていないと謎の自信をもってしまい、周囲から「こうした方が良いのでは」とアドバイスをもらっても、「それは実態を分かっていないから言えることだ」と受け止めることができませんでした。

自分はできると勘違いし、謙虚さを失ってしまっていたこと。
これが1つめの大罪です。

メンバーに「話を聞いてもらえていない。聞き流されている」そんな感覚を持たれてしまっていたと思います。


メンバーの想い・考えを決めつけようとした罪

マネジメントはメンバーに寄り添うことが大事。もちろん、場面にもよりますが、苦しいときに共感してあげたいし、愉しいときに一緒に笑いたいし、メンバーの心の動きを敏感に捉え、気持ちを理解することを心がけていました。

元々、僕自身は感受性は豊かな方で、気持ちの機微を気にしやすい方でもあったので、相手の気持ちを察するのは得意だと思っていました。

ですが、その強みを生かそうとしすぎて、メンバーと対話を重ねるのではなく、きっとこう思っているんだろう。と仮説を立てるようになったのです。いや、仮説ではなく、決めつけ・レッテルを貼ってしまうようになっていたのだと思います。

本来であれば、人の気持ちなんて、本当の意味で理解できるものではないし、だからこそ、対話が重要であると分かっていたはずなのに、忙しさからコミュニケーション量が減り、いつのまにかメンバーの状況や考えを仮説だてる、見立てるのではなく、決めつけてしまうようになったこと

これが第2の大罪です。

メンバーに「自分を観てくれていない。可能性を考えてもらえていない」そんな感覚を持たせてしまっていたと思います。


自分が思うようにメンバーを動かそうとした罪

メンバーのモチベーションを高めなきゃ。メンバーを成長させなきゃ。そんなことを日々考えていました。

どうせ、仕事するならモチベーション高く仕事できた方が本人も愉しいでしょうし、成長感がないよりもできなかったことができるようになった方が嬉しいですよね。そしてそれは仕事の成果にも繋がります。つまり、WIN-WINなわけです。

ただ、最大の失敗は僕はこの成長することを押し付けようとしていたことです。冷静に考えれば、成長させるとか、モチベーションを高めさせるとか、おこがましい話です。成長するのは本人だし、モチベーションだって周囲が無理やり上げさせるものではありません(きっかけを作ることはありますけどね)

ただ、メンバーの上司としての責務だ。メンバーの将来のためにはやらねばならぬ。例え今は嫌われようとも正しいことをしないといけない。そんな謎の責任感から、メンバーに押し付けようとしていたのです。

マネジャーの仕事は「こうしなきゃいけない」ということを押し付けるのではなく、メンバーがこうしたい。と思える環境を作ることです。メンバーは駒ではありませんから。

メンバーを自分の思い通りに動かそうとしたこと。
これが第3の大罪です。

メンバーに「上から目線。高圧的。息苦しい。」そんな感覚を持たせてしまっていたと思います。


自分のコピーを作ろうとした罪

仕事には正解はありません。成果を出すパターンも様々です。

にもかかわらず、メンバーからの相談に対する僕も軸は「自分のこれまでの経験の中での成功にもっとも近づく方法をとる」ことでした。僕自身が知っている経験の中から最適な回答をする。決して悪いことではないかもしれません。

ですが、メンバーが最も輝くのは自分らしさを発揮しているときです。

つまり、僕が指示した方法は僕だから成功に至れただけで、全ての人が同じようにして成功するとは限りません。そもそも若手メンバーであれば、経験値もスキル・知識が違うのですから。過去の成功体験に縛られてしまっていて、それを押し付けようとしても、決してうまくいくとは限らないのです。

その経験から今は次のように考えています。
×自分のこれまでの経験の中での成功にもっとも近づく方法をとる
○メンバーが最も力を発揮できる、納得できる方法をとる

十人十色と言いますが、成果の出し方も十人十色。メンバー自身が納得できて、自分らしく取り組める状態をつくることが重要です。

メンバーに僕自身の成功体験を押し付けようとしたこと。
これが第4の大罪です。

メンバーに「自分の意見しか言われない。自己中心的。相談しにくい。」そんな感覚を持たせてしまっていたと思います。


自分は頑張っていると勘違いしていた罪

これまでの4つの失敗をしてしまっていた僕はメンバーと信頼関係を構築することはできませんでした。当然ですよね。でも、どうにかしたいとは思っていました。メンバーをもっと理解したい。メンバーが愉しく仕事をして欲しい。成果にもつなげたいし、みんなで達成感を味わいたい。そのために思いつくことは全部やっていたつもりです。

ただ、根本がずれているので、メンバーとの信頼関係は変わりません。ここまで読んでいただくと分かるように、自分に視点が向いていましたから。自分は頑張っている。なのになぜか。何も好転していかない。分からない。ここで当時は思考を止めてしまっていたんですね。

自分は頑張っているからと言い訳をして、自責になりきれなかった。
これが第5の大罪です。

メンバーに「自分を変える気がない。信頼できない。」そんな感覚を持たせてしまっていたと思います。

罪を犯さないためにやれば良かったこと

5つの大罪を紹介しましたが、一生懸命だったのも事実です。個人的には過去の僕を責めることもできないなと思います。当時を振り返って、どうすれば良かったか。僕は2つだと思います。

① 社外の人と関わる機会をつくるべきだった
どうしても社内にいると、社内の常識で物事を考えがちですし、視野が狭まってしまいます。もっと外の世界と交流し、自分を客観視する機会をつくれると良かったなと思います。

② マネジメントの振り返りをやるべきだった
メンバー時代の振り返りは「目標と現状を振り返る」ことがほとんどでしたが、マネジメントの振り返りはちょっと違うと思います。マネジメントの目標って、相手ありきにもなるので、ちょっと難しいですからね。
マネジメントの振り返りとは、個人的には「象徴的な場面」を振り返り、なぜその行動をしたのか、なぜその言葉をメンバーにかけたのか。を掘り下げることだと思っています。自分の言動に自覚的になれることが重要だと思うのです。

終わりに・・・

今回の記事は以上です。
そして、9か月間書き続けてきたしくじりマネジメントは一旦これで終了したいと思います。(また失敗体験がたまったら、開始するかもですが)

長らくご愛顧いただきありがとうございました。

まだ読んでいない記事があれば、ぜひお時間があるとき、同じような失敗をしてしまったなと思う時に読んでみていただけると嬉しいです(コチラ)

2022年1月からは新シリーズで何かお役に立てることを発信しようと思っています。楽しみにしていただけると嬉しいです。

では、皆さま良いお年をお迎えください。

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仮谷泰祐|働くを愉しく
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