SF小説 『百万ドルの虚空』その7
トラブル
ラボでの作業は、秀次には仕事などとは言えないような、気楽なものだった。出勤するのも10時頃で、VRの連続使用には制限があったので、せいぜい4時間程度で、あとは身体に影響がないか診断に30分程。午後4時頃にはほぼ終わるような内容だった。7時間働いたことにしてその後は帰っても良いと、チャーリーなどは適当なことを言っていたし、最初はどうかと思った秀次もそれに倣った。何もすることもなく時間をつぶすのも苦痛でしかない。ラボにきて1週間を過ぎていたが、もう自社に戻ってこれま