浅葱秋星

SFと星と読書と、色々と好きな昭和の文系おじさんです。

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マガジン

  • 子供の頃に読んだ本

    子供の頃に読んだ、印象に残っている本、好きだった本について書いたことをまとめました。

  • 星にまつわる短編集

    投稿したショートショートをまとめました。 同じ人物が登場するシリーズ作品になっています。

  • SF小説 百万ドルの虚空

    これから続けて、昔あるコンテストに投稿した作品(一次審査も通らずに落選)を、こちらで公に晒してみようかと思います。エスパーがでて、予知能力等を使ってても一応SFだ、という感じの人ならOKでしょうか。※コンテスト時から若干設定等変更は有り 簡単な内容紹介  ある企業が開発したVRシステムは様々な機器の遠隔操作方法として利用されていた。その一つとして、月面上のローバーをVRシステムで操作するという試みがあり、一般にも公開して体験させることにした。その体験会で、一人の女子高生の行った操作があり得ない挙動をしていた。少女は月・地球間で2.6秒のタイムラグあるにもかかわらずタイムラグを感じさせないスムーズな操作を行っていた。  このVRシステムのテストに参加した遠野秀次は、単なるVRシステムのテスト要員だと告げられていたがそれだけではないものも感じていた。

最近の記事

  • 固定された記事

自己紹介

始めた理由  小説の投稿サイトに作品投稿していましたが、エッセイなどの割合も多くて、それならブログ形式がいいんじゃないかと思うようになって、幾つか調べているうちに、小説も投稿できるようだし、こちらを利用することにしました。  小説は趣味で書いていますが、小説の投稿サイトは、若者向けというか、異世界ファンタジー全盛なので、ちょっと、ついていけないところもありました。普通の小説でも読んでもらえそう、というイメージではありますが、それも選んだ理由になります。 来歴  昭和の生

    • SFショートショート 読書

      「何してんの?」  トキオは公園のベンチに座るミツを見かけて声をかけた。両手で何かを持っていて、それを覗き込むように見ている。 「ああ、トキオか」  それだけ言って、ミツはまたその、妙な物体に目を戻した。二枚のタブレットを持っているのかと思ったが、その間にも、薄い四角い形状のものがいくつも重なっている。 「それ、もしかして、本、ていうやつか?」  以前、歴史の講習で見た記憶が蘇った。大昔の人々が文字や絵を記録した媒体、確かそんなものだ。 「ああ」  ミツは今度は顔も上げずにそ

      • 読んでいて不愉快だった本

         世の中の人々が賞賛していても個人的には理解し難かったり、不快に感じることもある。  本を読んでいて、そういう気分になることもままあることではある。  私はそういう場合でも読み通すことにしているが、大抵は、読み終わった後はそういう本は適当に放っておいて、そのうち古本屋行きにしたりしていた。  若い頃は、特にそんな感情に襲われて、創作物を酷評したりしたものだが、いまではそれほどの熱意も無い。  実はと言うほどの事でもないが、私は十代の終り頃から日記をつけている。かれこれ四十年

        • SF短編小説 六月の彗星

           昔あるコンテストに応募した作品の改訂版。別サイトにも掲載してますが、ここにも投稿してみます。  あらすじ  藤田純は雑誌の取材という名目で五月女百合子という女性に接触する様に依頼される。五月女百合子は、かつて『サン・グレイザー計画』という彗星に探査機を送り込むという計画で、亡くなった夫の五月女四郎と探査機に搭載するAIの開発を行っていた。太陽に接近した彗星が分裂した影響もあり探査計画は失敗に終わり、探査機は行方不明になる。  それから二十年後、分裂した彗星の一部が地球に接

        • 固定された記事

        マガジン

        • 子供の頃に読んだ本
          11本
        • 星にまつわる短編集
          10本
        • SF小説 百万ドルの虚空
          10本

        記事

          子供の頃に読んだ本 『宇宙飛行70万キロ』

           偕成社の世界のノンフィクション、という今は絶版のシリーズの第一作目。表題作は、ガガーリンに次いでソビエトで二番目に宇宙飛行士となった、ゲルマン・チトフの手記。もう一編、『超音速に挑む』というものも併録されていて、こちらは世界で初めて音速を超えた人物、チャールズ・イェーガーの物語。この本では、イーガーと表記されている。翻訳はどちらも福島正実。福島正実といえば、SFマガジンの初代編集長で、かなり癖の強い人物として有名なので、古いSFファンなら知っている人も多いだろう。挿絵は依光

          子供の頃に読んだ本 『宇宙飛行70万キロ』

          子供の頃の遊び

           今は、子供の遊びというと、コンピュータゲームか、カードゲームになるんだろうか。私は子供がいないので良く分からないが。そんな印象。  コンピュータゲームというと、私が中学生くらいに、ゲームウォッチというものがあった。業務用だとインベーダーゲームが有名か。  任天堂のファミリーコンピュータ、ファミコンが出たのが高校生の頃。小学生とか、幼少期には、私の周りにはコンピュータゲームなんて存在していなかった。  今だと、仕事先で課長とか部長だとかいうクラスの人でも、クリティカルヒットだ

          子供の頃の遊び

          四方山話6

           noteに登録して、記事を投稿し始めて、一月経った。  60記事ほど投稿して、アクセス数は約8000、コメントが2、スキが200ほど。 一記事あたりのアクセスが130くらいで、スキが3つというところか。まあ、たいして見られているわけでもないが、まったく反応が無いわけでもないという、微妙な感じ。  ひと月に60記事だから、一日二つくらいは投稿してきたわけだが、小説とエッセイを同じ日に投稿などということをやってきたので、短期間で数だけは増えた。  小説の方は、これまでのストッ

          四方山話6

          星にまつわる楽曲

           国際版画美術館の『両大戦間のモダニズム1918-1939展』を見てきて、ハレー彗星にまつわるイラストをみていて、ハレー彗星がタイトルに入った曲があったよな、と思い出したので、他に思い出した楽曲を幾つか。少々年季が入った人間なので、古めの楽曲ばかりだけど。 乙女座 宮 作詞: 阿木燿子 作曲: 宇崎竜童 編曲: 萩田光雄  『乙女座 宮』は、昭和のアイドル、山口百恵の1978年の曲だが、ちょっと、この名前は、表現が重複しているんじゃないか、と、昔から気になっていた。おとめ座

          星にまつわる楽曲

          国際版画美術館 『両大戦間のモダニズム1918-1939展』を見て

           先日、東京町田市の国際版画美術館へ行ってみた。  町田市を訪れるのは、東京に三十年くらい住んでいて初めて。私が住んでいる東京東部からだと微妙に行き辛いのと、仕事などで用も無かったこともある。  町田市への電車だけ気を付けていて、ついたらどうにかなるだろう、と適当に歩いたのだが、公園までついて、美術館が大分下った先にある、ということまで調べていなかった。ちょっと遠回りして到着した。  展示物で写真撮影可のものから。  天文趣味的に興味があったもの。 こういうシンプルで明

          国際版画美術館 『両大戦間のモダニズム1918-1939展』を見て

          短編小説 ポケットのコイン

           年の瀬。裕美の家では大掃除で朝からバタバタと忙しかったが、昼を過ぎて、日もだいぶ傾いたころには粗方終わった。 「何か食べましょうか。お茶入れて」  裕美の母が言う。 「お夕飯前だけど」 「ちょっとくらいいいでしょ。スコーンあったでしょ。あれと紅茶にしましょう」  母はキッチンに向かった。  裕美はリビングから外を見ると、西に傾いた日差しの木漏れ日が長く伸びていた。それを見ながらソファに座ると、部屋の隅に段ボール箱が一つ置かれているのに気が付いた。 「お母さん、この箱は?」

          短編小説 ポケットのコイン

          読書紹介『魚コードがコピられるまで』

           明和電機、というアーティストをご存じだろうか。最近だと、オタマトーンという電子楽器がヒットしたので、その名を目にした人も居るかもしれない。  青いツナギを着て、自作の電子楽器を演奏するというパフォーマンスを行ったりと、活動の幅は広い。  その明和電気の「ナンセンスマシーン展in沖縄」と言うものに、旅行先でタイミング良く偶然出くわした。 ※ 2024.7.13(土)〜9.16(月)なので、すでに終了している。  展示あり、コンサートありで、いい年したおっさんでも楽しく過

          読書紹介『魚コードがコピられるまで』

          ミステリーはラーメン、SFはカレー

           某所に投稿したものをこちらでも投下してみる。大本は、動画投稿サイトで動画のネタとしたもの。  食べ物や料理に作品や創作を例えると、意外と説明し易い。創作物のジャンル、ミステリーとSFについて、料理を元に考えてみた。SFの説明が無駄に長いが、以下に記す。  ラーメンは、塩、醤油、味噌、豚骨などの味の形容があるが、それらは味であって、ラーメンの本質では無い。ラーメンとは、中華麺とスープという構成を持ってラーメンとなっている。この構成こそがラーメンの本質と言っていいだろう。

          ミステリーはラーメン、SFはカレー

          美術鑑賞

           趣味はなんですか、と聞かれて、美術鑑賞、などというような紋切り型の返答をすることはしていない。休日に美術館や博物館に行くことが多い、などと言うような、ちょっと持って回ったような言い方をしている。  というのも、別に何か展覧会とか無くても、なんども見たような常設展示しかないようなときにでも出かけていくことがあるからだ。そいうときは、美術館とか博物館という場所の雰囲気を楽しむというか、感じるために行っているようなところがある。図書館に行って、書架を眺めて回って本を借りずに帰るよ

          短編小説 レオニズ・星の雨

           裕美はクラスメートでちょっと気になる子がいた。といっても男子ではなく、女子だった。気になっていたのは、その名前。柳澤星雨、星の雨、と書いて星雨という名前だった。  これは絶対、流星雨からつけたに違いない。  裕美はそう思っていたが、話す機会が無かった。星雨は無口な子で、ショートカットの黒髪がよく似合っている、密かに男子の間でも人気のある美少女だったが、友達も少ないようで、授業が終わると、とっとと帰る、帰宅部でもあった。  裕美の友達の正美だったら、 「ねえねえ、どうして

          短編小説 レオニズ・星の雨

          四方山話5

           『成功者という幸運な人たち』というエッセイは受けが悪い。そうなるだろうな、とは思ってはいた。どうも、こういうことを書くと、自分の力ではどうにもならない、運命論を語っている、と捉えらているのかもしれない。  自分の努力で運命を切り開くんだ、というポジティブな話の方が世の中の受けはいいんだろう。  人生は決まっていてどうにもならない、ということが言いたいわけでは無く、成功者であっても、「自分の才能と努力で掴んだのだ、実力なんだ、他人は関係ない」と思いあがらずに、成功も自分だけの

          四方山話5

          子どもの頃に読んだ本 『宇宙塵版/派遣軍還る』

          『宇宙塵版/派遣軍還る』 光瀬龍:著  ハヤカワ文庫(1981年4月)にて刊行。初出は、光瀬龍が所属していたSF同人の同人誌『宇宙塵』に1960年9月号~1961年9月号にかけて連載されていた。  2418年。惑星ダリヤ0より、アルテア星群域に派遣された兵団が、ようやく戦いを終えて還ってきた。しかし、空港に到着した宇宙船からは、誰一人として姿を現さなかった。到着した宇宙船はすべて無人、兵団は姿を消していた。いったい何が派遣軍に起こったのか……。  私が、ジュブナイル以外で

          子どもの頃に読んだ本 『宇宙塵版/派遣軍還る』