戦争問題だけじゃない?先の見えない食料価格高騰
食料価格沸騰時代
読者の皆さんにとって最も関心の高いニュースはなんだろうか?
最近では「シリコンバレー銀行破綻問題」や「イーロン・マスク」「ウォーレン・バフェット氏による日本企業への投資」等、その興味は多岐に渡ると思う。
しかし我々の生活にこれらのニュースがどれほどの影響を持つのか?
勿論、マクロ的視点から物事を捉えると「銀行に対する信用力低下」「イーロン・マスク氏が保有するツイッターの今後」「日本企業の価値向上」というように、どれも間接的に我々の生活に変化を生じさせている。
ただ「衣・食・住」というミクロレベルの見方をするとどうだろうか?
毎日を生きていく上で必要不可欠な要素に対して持つ力は限定されていると考える。
急降下・急上昇した「食欲」
上記のように「食べるという行為」「食の必要性」は定義されています。
近頃、頻繁にニュースでも報道されているように食料価格は段階的に上昇し続けています。
大きな原因と考えられるのは
・ロシア✖️ウクライナ問題
・コロナ禍からの回復による需要増
兼ねてより「食料不足」は問題視されているが、近年の「食料価格高騰」に限定して考えると、上記の二つが原因と断定できるのではないだろうか?
今回の投稿で詳しく扱うことはしないが、ロシアはウクライナは世界市場において小麦やとうもろこしの輸出割合の大半を担っている。加えて天然ガス等の肥料に用いられる原料も欧州に向けて輸出しており、この二カ国間で起きた戦争が持つ影響は、国外に対しても大きい。(一部抜粋)
更に、2020年に始まった「コロナ禍」からの回復需要が考えられる。
当初は「ステイ・ホーム」と呼ばれ、各々がおうち時間を楽しむことが増えたが、規制・外出制限も緩まり、人の目を気にすることなく「外食」ができるようになった今では、娯楽市場の復活と共に「食材」に対しての需要も鰻登りしているのが現状である。
こうしてコロナ禍で一度は失った「食に対する関心」が再び高まった。
張り替えられる値札
「昨日100円だったものが、105円になっている」
私のような学生にとっては「記念すべきとは言えない」史上初のインフレである。高度経済成長期や80年代に代表されるバブル期を経験していない年代にとって、モノの価格が高騰する時代は慣れていないものだ。
小学生時代の放課後の楽しみであった「マクドナルドのポテトLとハンバーガーのセット」を400円程度で購入できていた頃が懐かしく思うものだ。
上記に示した農林水産省が提供するデータを参照して頂きたい。
普段からスーパーやコンビニで買い物をする方にとっては、馴染みの深い数字だろうか。
しかし改まってみると「前年比100%越え」の食材が大半を占めている。
これが日本企業の成長率といったプラスの効果を持つ事実であれば幸いなのだが、現実は利益ではなく「損失」が増えている。
この記事は昨年10月に投稿されたものであるが
食品の価格高騰により、静岡市葵区のスーパーで開店前に値札の張替え作業が行われている様子を伝えている。
ポッケから145円だけを出して買う仕事終わりのビールが
今日からは150円、お釣りを募金箱に入れる習慣が途絶えた。
悪天候が予想される食料需給問題
前置きが長引いてしまったが、今回紹介したい記事は
「食料インフレどうなる インドに注目」である。
我々にとって「天候」とは、毎日のニュースで陽気なお天気キャスターが
「洗濯物の乾きやすさ」や「折り畳み傘の準備を勧める」ような実に日常的な役割を担っている。
しかし「天候」は経済に直結していると考えたことのある人はどれくらいいるだろうか。
このWSJの記事では「インドで発生が予想されるエルニーニョ」について述べられている。
エルニーニョとは「雨を降らす雲、モンスーンを遠ざける」と言われており、今年のインドでは降雨量が平年と比べて減少すると考えられている。
降雨量と食品価格の関連性
「雨が降らない」とどうなるのだろうか。
近年は地球温暖化もあり、食物に何らかの影響があるのはイメージできるだろうが、一言で言うと収穫量が減少する。
国内で収穫量が減少すると、その国民を優先する為、他国に向けての輸出量が顕著に制限・減少する。
ここまでの説明で既にお分かりだと思うが
インド一国で降雨量が減り、食物の収穫量が減少することで
世界全体の食品供給量も比例的に減少し「食料インフレ」
つまり食品の販売価格が上昇するということになる。
ウクライナ危機や、コロナ禍からの回復需要等でインフレが顕著になっている現代において「不確実性」というリスクを負った「天候」は更なる脅威になるのは明白である。
天気予報で「晴れこそ正義」と考える人も多いだろうが
今後、雨を欲する「雨乞い」をしたくなる時代が来るのかもしれない。
今回の引用文献・サイト