燃えよ破局噴火拳-活火山摩俱魔寺拳法秘史-
修行洞は尋常ではない熱気に包まれていた。足元には灼熱しうねる溶岩が煮えたぎっており、二つの仁王像の間に鋼で出来た太さ一寸程の索のみが足場としてあった。
蜀の地に聳える峨眉山は古の時代、大量絶滅を引き起こした巨大火山であった。この麓に山門を、地下深くに本堂を構える活火山摩俱魔寺(かつかざんまぐまじ)は古の時代、火の女神祝融から授けられたと伝わる炎の拳を伝える伽藍である。その最奥部、溶岩湖に設けられた場所がこの選別のための修行洞だ。
武僧入門者である煌(フアン)は呼吸を整える