めまいの鑑別疾患
めまい(目眩)とは、多くの方が知っている通り、目がまわってしまうこと回転性のめまいや、ふわふわとしているように感じる動揺性のめまいがあります。
ここ最近(特に10月を過ぎてから)めまいを訴える方が増えているので、発信とともに自身の整理と肉付けも兼ねて記事にしていきたいと思います。
※様々な論文や本なから得た内容になってますので情報源は省略します。また、私の記事が全て正しいわけではない(誤りもあると思います)ので、あくまでも参考程度にご覧ください。
めまいの種類
めまいは先述したように動揺性と回転性の2種類あります。
原因や疾患など挙げればキリがないので、身近なものをいくつかピックアップしていきます。
【回転性めまい】
良性発作性めまい症(BPPV)メニエール病 前庭神経炎
【動揺性めまい】
自律神経失調症 起立性低血圧 薬性低血圧 (脳卒中)
今回は回転性のめまいについて述べていきます。
【補足】脳卒中のめまいは様々な報告がありますが、めまいだけの単独症状は少ないはずです。呂律、運動、斜視、顔面神経麻痺などの確認をする。
回転性めまいの鑑別
1良性発作性めまい症 BPPV
BPPVではある特定の頭の傾きによって短時間(1分〜数分程度)のめまいが発生します。
これは耳石器という内耳にある平衡感覚を司る石が正常な位置から逸脱されることで発生します。
聴覚に異常はなく、エプリー法という耳石器の位置を調整する手技で改善するほか、エプリー法の過程で右耳が原因か左耳が原因かを判断することができます。【エプリー法】
※左耳の耳石器が原因の場合
①座った状態で首を左45°に回旋し、そのまま仰向けに寝る(首はそのままの斜めを向いた状態で)
②そのまま斜めを向いたまま、首を後ろに反らす。(背中にマットを入れるかベッドから頭を出す)そのまま30秒。
③その後頭の向きをまっすぐにして、正面を向いたまま首を後ろに30秒反らす。
④次は右45°に首を回旋させて頭を後ろに反らせ、そのまま30秒。
⑤最後は首はそのままで体ごと右を向き30秒。で終わりです。
これはBPPVの対処法ですが、BPPVでも最も多い後三半規管型に対する手技療法です。
2メニエール病
特徴は蝸牛症状と言って耳鳴りや難聴、耳の閉塞感などが現れる。
他の回転性めまいには一般的に耳の症状はないので重要な所見です。
めまいの持続時間は数時間〜1日程度。
耳の症状は低音から中音が聴きにくく、症状が進行すると高音も影響する。
メニエール病はストレスや不眠から内耳のリンパ液量が増加し内耳圧が上昇することで、位置感覚や平衡感覚を正常に脳に送ることができなくなり、「目が回る」
などの症状を引き起こす。
3前庭神経炎
前庭神経炎は詳しい原因は現在もわかっていないそうですが、風邪を引いたときやその後に発症することが多いことから、ウイルス性との見解があります。
大きな発作が1度あり、症状は小さくなるが数日から1週間くらいまでめまいがすることがあります。
恐らく体内での免疫とウイルスとの戦いで徐々に改善はしていきますが数日続くこともあるので、耳鼻科に受診されると良いです。
徒手検査法
①足踏みテスト
50〜100歩その場で目を閉じて足踏みをします。
バランスを崩したり、姿勢を維持できなければ陽性です。
②起立テスト
目を閉じたまま両脚で30秒間、片脚立ちなら10秒間立ちます。
目を閉じて立っているとふらつく場合は、平衡感覚や深部知覚の障害で
目を開けていても極端にふらつく場合は中枢神経障害の疑いです。
その他眼振などの所見も診ますが簡単なものはこの辺りかなと思います。
ただ、あくまでこれらの検査は「疑い」の評価なので、これらを踏まえて専門医への受診をお勧めします。
※追ってより臨床的な徒手検査や所見は随時更新していきますので、またよりわかりやすいものを今後もアップデートしていく予定です。
ご覧いただきありがとうございました。