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わたしの本棚

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#大阪女性文芸賞

わたしの本棚138夜~「鐘」34号

わたしの本棚138夜~「鐘」34号

 前回第38回受賞者の石田夏穂さんが、「わが友、スミス」で、今年上半期の芥川賞候補になりました。みんなで喜んで応援していましたが、残念ながら受賞にはいたりませんでした。「文藝春秋3月号」の選評記事を読むと、川上弘美氏、奥泉光氏、吉田修一氏が推してくださっており、次回作が楽しみとの意見もあり、今後ますますのご活躍を楽しみにしています。
 第39回も受賞作と佳作が無事に決まりました。(敬称略)

☆「

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わたしの本棚130夜~「mon 18号」

わたしの本棚130夜~「mon 18号」

 第34回大阪女性文芸賞を受賞した飯田未和氏が主宰をつとめる同人誌「mon」の18号です。春と秋の年2回の発行で、大阪文学学校、大阪を中心として活動されています。同人10名の短編小説のほか、今号はゲストとして、水無月うらら氏のエッセイを掲載されています。

☆mon 18号  mon同人 しまや出版 700円

 大阪女性文芸賞の他、神戸エマール文学賞受賞者、三田文学新人賞受賞者、星新一賞入選者な

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わたしの本棚122夜~「レースの村」

わたしの本棚122夜~「レースの村」

 紅茶とマードレーヌを用意して読みたくなるような、お菓子缶のような素敵な装丁に、小説の不思議な内容を彷彿させ、うっとりしました。著者の片島麦子さんは、第28回大阪女性文芸賞佳作受賞者で、受賞作の「透明になった犬の話」を含む4つの短編小説からなっています。どれも不思議な設定なのですが、読後感が良くて、はかなさと切なさと哀愁がありました。帯は、翻訳家で早稲田大学教授の松永美穂氏で「幽霊の世話する人々、

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わたしの本棚第108夜~「大阪のお母さん」

わたしの本棚第108夜~「大阪のお母さん」

 大阪女性文芸賞という公募の文学賞があります。受賞後も書き続けて、出版されて活躍されている方もいます。今回の、葉山由季さんもそのひとりです。この本は、女優の香川京子さんへの取材をはじめ、多くの文献や取材に基づいて、独自の浪花千栄子さんを描いて力作です。帯は、宮本輝氏です。

☆「大阪のお母さん」 葉山由季著 潮出版 803円 

 NHK朝ドラのモデル「浪花千栄子」さんの一生です。ただ、朝ドラをず

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わたしの本棚91夜~「鐘」33号

わたしの本棚91夜~「鐘」33号

 大阪女性文芸協会が年に1回発行している雑誌です。大阪女性文芸賞を発表しています。地方の小さな賞としては珍しく、今年で38回目を迎える賞ですが、選考委員の先生方をはじめ、いろんな方の善意と努力で、今年も無事に発行することができました。

☆「鐘」33号 大阪女性文芸協会・編集発行  820円(税込み)

 大阪女性文芸協会は任意団体として1983年に、女性の手で運営する文学賞を設け、女性の文学の向

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