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わたしの本棚

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#創風社出版

わたしの本棚159夜(最終)~船団・散在号

わたしの本棚159夜(最終)~船団・散在号

 船団という俳句のグループが解散して(散在して)2年が経ちました。コロナ禍とあいまって、最後の集いも開かれないまま、時が過ぎました。
 この度、コロナ禍の2年あまりの近況報告のような感じで、1冊の冊子を発行し、集いも開催できました。坪内稔典氏の他22人あまりの楽しいエッセイ、160人弱の参加会員の俳句、ひとり10句掲載です。表紙は、山本真也氏です。

 ☆船団 散在号 船団の会編 創風社出版 非売

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わたしの本棚143夜~「子規新報」第89号

わたしの本棚143夜~「子規新報」第89号

俳都松山市から元船団の会の小西昭夫編集長が中心となっている月刊紙です。特集として、毎号、ひとりの俳人の30句鑑賞、年譜、一句鑑賞、小西昭夫氏と寺村通信氏の対談があります。今号は、小川太郎氏でした。

☆子規新報 第89号 小西昭夫編集 創風社出版社 一部300円

 坪内稔典氏の句集鑑賞が今月号で終わり、来月号からは新企画が始まります。そのほかにも、コラム、エッセイ、子規の絵など子規に関する連載が

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わたしの本棚112夜~「桑原武夫と「第二芸術」青空と瓦礫のころ」

わたしの本棚112夜~「桑原武夫と「第二芸術」青空と瓦礫のころ」

 言葉は、常に何らかの文脈とともにある。一つの文章の中だけではなく、他の文章や書かれた時代へ、文脈をたどっていくと、言葉は新たな意味を持ち始める。今や「俳句用語」として整理されているかに見える「第二芸術」は、どのような文脈で書かれたのだろうか。

 はじめにで著者が述べられている文章です。俳句を学んでいると、戦後の「第二芸術」論争は避けて通れない論考だと思います。著者の鈴木ひろし氏は1957年生ま

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わたしの本棚106夜~「あの句この句」

わたしの本棚106夜~「あの句この句」

 「船団」最後のアンソロジーです。会員全員が自選5句と「私と俳句」のエッセイを載せています。上手な俳句、面白い俳句、楽しい俳句、美しい俳句。坪内稔典氏、池田澄子氏をはじめ、いろんな人のいろんな俳句が載っています。

☆「あの句この句」現代俳句の世界 創風社出版 909円+税

 200人以上の人の俳句が1冊に載っています。先輩や句友の俳句を紹介しようと思い、選びかけましたが、10数句に収めるのは大

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わたしの本棚37夜~「気配」

わたしの本棚37夜~「気配」

「俳句とエッセー」シリーズの16番目です。2017年より、船団の会(俳句のグループ)のメンバーで始めたシリーズで、17冊あります(17番目は坪内稔典先生の「早寝早起き」で11夜で紹介)どの本のエッセイも俳句もその人らしさが出ていて、サクサクと読めて、楽しいシリーズです。

☆「気配」おおさわほてる著(創風社出版) 1400円+税

あとがきに「気配」のこと、書かれており、その文章に思わず、納得でし

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わたしの本棚32夜~「水飲み場」

わたしの本棚32夜~「水飲み場」

 俳句の街である松山市の出版社からの句集。渡部ひとみさんの第一句集です。ひとみさんとの思い出は、宇和島での句会のおり、宿泊所から、一緒に夜にふたりで抜け出してぽっぽ温泉に行ったことです。温泉好きなわたしにとって、楽しい思い出になりました。

☆「水飲み場」渡部ひとみ著 創風社出版 1700円+税

俳句と作者は別との考え方。俳句は一句で鑑賞するという考え。共感はするものの、まとまった俳句を読むと(

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わたしの本棚11夜~「早寝早起き」

わたしの本棚11夜~「早寝早起き」

  私に俳句の楽しさを教えてくださったのは、坪内稔典先生であり、船団の会という俳句のグループでした。船団の会は、今年6月に散在してしまいました。けれど、書籍という形で残された俳句やエッセイは、そのまま、船団の会の財産としてあり続けます。散在後の7月に出版されたネンテン先生の俳句とエッセイの本です。

☆「早寝早起き」 坪内稔典著 創風社出版 1400円+税

 わたしの十句を含めて俳句の四つの章立

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