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わたしの本棚37夜~「気配」
「俳句とエッセー」シリーズの16番目です。2017年より、船団の会(俳句のグループ)のメンバーで始めたシリーズで、17冊あります(17番目は坪内稔典先生の「早寝早起き」で11夜で紹介)どの本のエッセイも俳句もその人らしさが出ていて、サクサクと読めて、楽しいシリーズです。
☆「気配」おおさわほてる著(創風社出版) 1400円+税
あとがきに「気配」のこと、書かれており、その文章に思わず、納得でした。「俳句は独白でも日記でもない。必ず読者を想定して作る。その短さの故、どれだけ第三者に言外の物語を作ってもらうかがその命なのだ。俳句を作る時、常に誰かの気配が私を取り巻いてくれる。」17音しかない、17音もある俳句。誰かの鑑賞によって成り立つ、小さな詩です。好きな5句です。
でんでんむしたまにはワンとないてみろ
弟は蛍で飛んだぼくはまだ
濃口の醤油一滴桃の花
夏越し来てエゴン・シーレ泣いている
実は僕満身創痍だ満月も