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部下を成長させるための必須スキル〜管理職が絶対に学ぶべきフィードバックの技術〜〜④
こんにちは。
前回のお話しで、フィードバックの構成要素と、具体的な方法を簡単にご紹介しました。今回はフィードバックの方法を掘り下げて見ていきます。
参考図書はこちらです。
🔷フィードバックの方法のおさらい
まずは、前回からのフィードバックのおさらいです。
フィードバックの具体的な方法は以下のとおりです。
事前の情報収集
↓
①信頼感の確保
②事実通告(鏡のように情報を通知する)
③問題行動の腹落とし(対話を通して現状と目標のギャップを意識させる)
④振り返り支援(振り返りによる真因究明、未来の行動計画作り)
⑤期待通知(自己効力感を高めて、コミットさせる)
↓
事後のフォローアップ
こんな感じです。
順番に解説していきます。
🔷事前の情報収集
いきなりフィードバックから始めてはいけないというお話しをしましたが、何も考えず、準備もせずにフィードバックを行っても効果は十分に得られません。
事前にSBI情報というものを収集しなくてはなりません。
SBI情報とは
S=Situation(シチュエーション)
→どのような状況で、どんな時に
B=Behavior(ビヘイビア)
→部下のどんな振る舞い、行動が
I=Impact(インパクト)
→どんな影響をもたらしたのか、何がダメだったのか?
というものです。
例を言うと
S(シチュエーション)
「A社のプロジェクトを担当してもらったけど」
B(ビヘイビア)
「君のスケジュール管理に不備があったことで」
I(インパクト)
「納期が一週間も遅れてしまったようだね」
このような感じです。
この情報を集めるのが何に役立つかというと、具体的に指摘することで、確信に近い問題の原因に近づくことができるんです。
情報がないとぼやけた、ふんわりとした問題提起になってしまい、問題の解決には至らず本質からずれていきます。また、客観的な情報がないと、上司の主観が入ってしまうことも多いです。
このSBI情報は1on1を定期的に行うなどして、こまめに部下の情報を吸い上げておくことで日頃から収集できます。
しかし、部下のいうことを鵜呑みにしすぎないようにも注意が必要です。バイアスにまみれた偏った意見の可能性もありますので、職場での情報は裏をとるようにしていきましょう。
そして、ここからフィードバックがスタートします。
🔷信頼感の確保
フィードバックは「何を言うか」も重要ですが、「誰に言われるか」が最も重要です。信頼している相手じゃなければ、どれだけうまく言葉を伝えたとしても心に響きません。
日頃から部下の成長を願い、相手の意思をリスペクトする態度をとっておきましょう。
また、フィードバックは「ブラックボックス」の中で行うことが大事です。部下はこれから耳の痛い話しをつきつけられることになるので、情報が漏れず、他人の目に触れない場所を選ぶようにしましょう。
🔷事実通知
これは、収集した相手の問題行動を、いわば鏡のように相手の目の前に映し出し、客観的かつ正確に事実を通知していくことです。
この時、相手がその問題を客観視できるように具体的に説明することが重要です。
自分の問題となるとなかなか答えが出ませんが、他人に相談された場合は比較的答えを見つけやすいことと同じで、問題を客観視させると答えを見つけやすくなります。
また、大人が何かを学ぶ時、行動を変容させる時は一定の痛みが伴います。
フィードバックの事実通知の際にも多少の痛みは伴いますので、セッションの目的を最初にストレートに述べてしまうことと、「一緒に話し合っていこう、改善策を考えていこう」と相手に伝えて、痛みを受け入れることができるよう準備をさせましょう。
また、It seems「〜のように見える」という言い方で話すようにしましょう。強すぎない詰め方をすると指摘を素直に受け止めてくれる可能性も高まります。
事実通知を行ったら、次の問題行動の腹落としに移っていきますが
ちょっと長くなりそうなので、今回はこのへんで。
それでは、また。