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百裕(ひゃく・ひろし)
2024年8月12日 09:28
昨日から帰省している。いつもnoteに書くので昔の記憶を掘り返しているけれど、実際に帰って来るとやっぱり違った心持ちになる。 町の外れに水源池があって、ブルーギルがいたので、よく釣りに行った。見たことはないが、ブラックバスもいたんじゃないかと思う。 小学校の遠足でも一度行った。昼食後、トンビが弱った魚を捕らえに降りて来たのを見て、随分大きなものだと感心した。あんなに大きいのでは、小林の年端
2024年7月7日 10:47
中学生の時、何年生の時だったかもう忘れたけれど、二年か三年だったろうと思う。理科室の掃除をしていたら、靴裏の異物感に気が付いた。どうも何かが貼り付いたような感じである。 きっとテープの塊でも踏んだのだろう。取ろうとして靴裏に手をやると、何だか丸いものに触った感触と、一瞬遅れて痺れるような痛みが走った。「痛っ!」 慌てて離したら、果たして触った所から血が溢れ始めている。靴裏にはガラスの破片が
2024年7月6日 00:27
横浜の南の方に住んでいた頃は、休みの前日に仕事を終えると、よくそのまま一人でドライブに行った。まだ車の運転自体が楽しかったから、行先も決めず適当に走って、大体いつも鎌倉か横須賀の辺りで一休みして帰っていた。 だから鎌倉も横須賀も随分行ったけれど、着く時間が早すぎて、観光などは全くしていない。何だか勿体ない事をしたように思う。 ある時、行き着く所まで行ってみようと延々走ったら、とうとう漁港に
2024年6月26日 00:00
独身の頃、住んでいたアパートの玄関前にカブトムシがいた。 もうカブトムシで喜ぶ年ではないし、あんまり虫に触りたくもないのでそのまま放っておいたら、翌日もまだそこにいた。さらにその翌日もいた。 死にかけているのではないか知らと思ったが、別段弱っているようでもない。普通にのそのそ動いている。きっと夜にはどこかへ行って、食事を済ませて戻って来るのだろうと得心した。 一番奥の角部屋だったから、人に
2024年6月19日 12:06
小学生の時、隣に先生が住んでいたことがある。 女性の先生で、石田ゆり子に似ていたように思うが、随分昔のことだからあんまり判然しない。担任ではなく、受け持ちの学年も違っていたから、関わることはなかった。ただ隣に住んでいただけである。 隣は元々別の人の家で、暫く貸家にしていたらしい。先生は一年か二年ぐらいでよそへ引っ越したようだった。 やっぱり近所に、高校の世界史の先生が住んでいた。この先生
2024年6月16日 22:44
娘を連れて帰省した際、山陽道のサービスエリアに立ち寄ったらアンデルセンの店があった。 アンデルセンは広島の大きなパン屋で、子供の頃に何度か連れて行ってもらったことがある。クリームパンが大いに美味かったように思う。 ちょうど昼時だったから、そこでパンを買うことにした。「アンデルセンはね、クリームパンが美味しいのだよ」と娘に教えてやったけれど、娘はあんまり興味もない様子で、別のパンを指差す。
2024年6月7日 23:16
今の家に住み始めて十年ほどになる。 最初は随分鳥の多い所だと感じた。雀のような小鳥ばかりでなく、白鷺も青鷺も雉もいる。 それから、何だか知らないけれど鷺より少し小さめで嘴が黄色いやつもいる。この鳥を妻と娘はキイバシと呼んでいるから、てっきりそういう名前の鳥だと思っていたが、それは勝手に付けた名前で、本当はケリというのだと、先日たまたまテレビで知った。 近頃はどうやらこのケリが近くの田圃に巣
2024年5月31日 12:57
小五の時に藤本の家で遊んでいたら、先方のお母さんがおやつにと、マクドナルドのポテトを買って来てくれた。 ちょうど、マクドナルドが近くに初めてできた頃である。それまでは広島市内の中心部にしかなくて、自分らのような田舎の子供はあんまり目にする機会もなかった。 藤本のお母さんは、その近くにできた店で買ったのだと云った。近くとは云っても隣町だったから、もうきっと冷めていたと思うのだけれど、この時は随
2024年5月26日 00:00
中学校三年生の時、先生に云われて校庭脇にあるバレーコートの草刈り・草むしりをやった。 バレー部でもないのにどうしてそんなことをさせられたか、もう判然しないけれど、三年生全員がどこかの掃除を割り当てられて、たまたま自分がバレーコートのグループに入ったものだったろう。 数人でだらだらやっていたら、一人が突然「おわ!」と大声をした。「蛇じゃ!」 見ると確かに蛇がいた。ちょうど草を刈ったところ
2024年4月16日 08:00
中三の秋、三年生と二年生の間でケンカがあった。放課後に学校裏の神社で決着を着けると聞いたから、古元と一緒に見物に行った。
2024年4月4日 12:12
子供の頃は犬が苦手だった。犬が来ると、噛まれるんじゃないかと思う。舐めてくるのも気持ちが悪い。走って逃げると追いかけて来るし、こちらよりもよほど速いからきっと追いつかれる。全体、何がしたいものだか、意味がわからない。 小学校の三年生ぐらいまでは、そんな感じで苦手だったように思う。あるいは、自分の前世は犬に噛まれて死んだ人だったかも知れない。 ある時、母とどこかへ出かけた。まだ妹がいなかった