《ハヤカワポケミス初版完全収集》への道 その3
2.ポケミス収集への道~読むことから収集へ~
ポケミスを全部集めようと思ったのには、切っ掛けがありました。大学3年生の夏(1977年)、友達と糺の森(京都下賀茂神社)で開催される『下鴨納涼古本まつり』に行ったときのことです。
いつものように、読みたい本のきれいな古本を探していたのですが、ある店で(店の名前は忘れました…三日月堂さんだったかな?)最近のポケミスの古本の隣に、古い時代のポケミスがたくさん売っているのを見つけたのです。
どんな本があったのかは、あまりにもたくさんあったのでよく覚えていませんが、このとき買った304『ドルリ・レーン最後の事件』、394『九つの答』(後でわかったが、初版ではなかった)198『スペイン岬の秘密』が私の「初期のポケミスのコレクション」の始まりになったのです。いずれも、400円だったと記憶しています。「なんだ、まだ、こんな値段で古いポケミス買えるんだ」というのが、ポケミスを集める最大の動機(モチベーション)になりました。
それから暫くは「古いポケミスで、1000円以下なら買おう」くらいの緩いルールで、古本屋や古本市で集めていました。大阪中の古本屋さんを「全国古本屋地図」(だったかな?)という冊子を見ながら探し回っていました(当時の恋人とのデートも、古本屋巡りでした。幸い、本[SFですが]が好きな恋人だったので相手も、珍しい本を見つけて喜んでくれました)。
1番ポケミスをたくさん買ったのは、当時道頓堀にあった、天牛書店でした(今は、中国人の何かの店になっている。天牛に行ったあとは、近くのおでん屋の『たこ梅』に行っていた。たこ梅は、まだあるのかな?「さえずり」食べたいな!最近は、外国人が多いので、難波にはいかないから、分からない…)。
他府県にって、小さな古本屋で古いポケミスを見つけては、ウヒウヒと密かな喜びに浸ったりしてました。(岡山の小さい田舎の古本屋さんで、カーの264『妖女の隠れ家』を200円で買ったときは、かなり嬉しかったです)。
3.ポケミス初版収集へ~初版を集めに目覚める~
ポケミスを本格的に全部集めようと思った最終的なきっかけは、1993年に『ハヤカワ・ミステリ総解説目録 1953年-1993』がハヤカワから出版されたからです。これには、101から1601までのポケミスの解説が載っていますこの本が、私のポケミス収集に火をつけました。(この本の解説で「なぜ、ポケミスが101から始まっているのか」とか「同じ番号のポケミスがある理由」などを知りました)。
これで、集める目安ができたと思ったのです。チェックリストがないと、コレクションは始まりません。コレクションの最大の楽しみは、チェックリストを消すことですから。(当時、初期のネットが始まり、すでにポケミスのリストを上げている人がいたそうなんですが、私はまだワープロを使っていて、そんなことは知りもませんでした)。
そのときに、次のようにルールを決めました。
・1501『死の味(下)』までを集める
(1502の『別れの儀式』以降は、当時新刊ですでに全部買ってもってい
たから)
・古本で3000円以上の値段のついた本は買わない
(古本に、それ以上のお金を出す価値がない=そんなに出せない)
その後、集めている内に、よく売れる本は再販や下手したら7版の本もあることが分かってきたりしたので、次の条件を付け足しました。
・できるだけ(後に絶対に変更)初版を集める。
更に21世紀のなってネット普及し始めると、わざわざ古本屋さんや古本市に出かけなくても、割りに簡単にネットでポケミスが集められるようになりました(お陰で、古本屋さんと古本市が減ってしまった)。それで、次の条件も足しました。
・決して、ネットを使って集めない
以上の条件で、コツコツと古いポケミスを集めて今日(2023年10月)に至りました。