アラサー男子が語る、懐かしドラマレビュー④「コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-」(2008)
この頃の山Pが出てるドラマって、マジで名作しかないな。
というわけで、今回レビューするのは「コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-」。
4人の若い医者と1人の看護師を中心とした物語です。
医療モノ×若者の群像劇というフジテレビだからこその発想
キャスティング偏重型のドラマづくりは、フジテレビ最大の長所であり短所だと勝手に思っています。
月9という愛称の誕生や、キムタクが月9の代名詞になったりしたのは、フジテレビ流のキャスティングがあったからこそ。
「コード・ブルー」は、ある種このフジテレビ流のキャスティングがあったからこそ生まれた作品だと思うんですよ。
山下智久・新垣結衣・戸田恵梨香・浅利陽介・比嘉愛未という5人の若手俳優を集めて、医療モノを作る。
若手俳優を主演にしての医療モノってどうしてもチープになりがちだったり、説得力に欠けたりする。
まあ、それも当然ですよね。
主演の山下智久はこの時点で23歳だし、ガッキーと戸田恵梨香に至ってはクランクイン時まだ19歳だった。こうして書くと結構衝撃的。
しかしながらそうとは思えないぐらいにみんな演技が上手いし、しっかりして見える。
山Pは若干演技が怪しいんですけど、綺麗な顔立ちと天才キャラが相まって不思議と空気感が成立している。
で、もう一つのフジテレビの特徴として医療ドラマが得意だってことがあるんですよ。
「救命病棟24時」シリーズをはじめとして、「白い巨塔」「医龍」シリーズ…名作を挙げ始めると枚挙にいとまがない。
この作品は演技がうまく華がある若手俳優と、説得力のある脚本・演出・美術を揃えることでこれまで例がなかった医療モノ×若者の群像劇という新しいジャンルを成立させています。
各キャラクターの見せ方、成長の描き方が上手い
主人公である藍沢耕作(山下智久)は、成長のためには犠牲を厭わない性格。
天才的な腕を持っているが、どんな状況でも一瞬で判断を下し処置する様子は残酷さも伺える。
そんな彼がひとりの医者として、ひとりの人間として痛みを知って人間的になっていく様子には引き込まれる。
ちなみに、おばあちゃんっ子であるところも個人的にはツボ。僕と同じである(関係ない)。
勤勉だが受け身姿勢で失敗を恐れる白石(新垣結衣)が独り立ちしていく様子や、勝気で積極的な緋山(戸田恵梨香)が心を折られながらも患者と絆を育んでいく様子も感情移入できる。
ムードメーカー的な立ち位置にいる藤川(浅利陽介)は、4人の中でも技術的に一歩を遅れを取っている。
そんな彼が悩み、最終回で現場に行くことを懇願し初めてヘリに乗り込むシーンは本作の名場面のひとつ。
彼らを指導する役割を担い、厳しい中にも優しさを見せる優秀な外科医である黒田(柳葉敏郎)を迎える衝撃の結末をはじめ、サブキャラである三井(りょう)や森本(勝村政信)、西条(杉本哲太)も魅力的。
ナースなのに主演級で、一際印象的に描かれるのが冴島(比嘉愛未)のストーリー。
難病であるALSを発症し死を待つしかなくなった恋人と彼女がどう向き合っていくかは、この「コード・ブルー」というドラマ全体の中でもウルッとくるエピソードだ。
こんな風に、キャラクターひとりひとりを書き出すだけでも時間がかかってしまう。
それぐらい登場人物が魅力的で、一人一人の心情描写の書き込みが細かい。
これこそが本シリーズ最大の魅力であり、3rd season及び映画版の内容が微妙なのはこの要素が薄まったからに他ならないと思うのです。
あと、忘れちゃいけないのがミスチルによる主題歌「HANABI」。
この曲はミスチルの2000年代の楽曲で最高傑作だと勝手に思ってます。
よくもまあ、こんなにドラマにぴったりの曲書けるよなぁ。
この曲をバックに、藍沢たちがヘリポートへ駆け出す姿が描かれるエンドクレジットの映像は神です。
というわけで、アラサー男子による「コード・ブルー」レビューでした。
今から1話と最終話をTVerで無料視聴できますので、気が向いたら是非。
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