笛の音が聞こえたら、どこでも飛んでいくから
実家の僕の部屋には、木で出来た笛が置いてある。
吹くと、フクロウの鳴き声に似た音を奏でる。
もうかれこれ20年程吹いていないけど、それは僕にとってかけがえのない宝物だ。
『親友の証な』
そんな言葉と共に笛を僕にくれたのは、小学校の同級生だった。
彼は3年生の頃に転校してきた。
僕と仲良くなったのは5年生の頃。出席番号が一つ違いだった僕達は、自然とよく話すようになった。
話してみると、不思議なくらい気が合った。
友達グループ3、4人で遊ぶこともあったけど、2人で会うこ