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小説、のようなもの

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物語になりきれない物語たち
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#短編小説

届かなかった想いって、どっかに消えちゃうのかなぁ。

「届かなかった想いって、どこかに消えちゃうのかなぁ」 彼女はそう言いながら、持っていたビ…

oil
4日前
23

僕と彼女と小さなウソ

「浮気のラインって、どこからだと思う?」 そんな風に彼女が聞いてきたので、僕は少し考えて…

oil
2か月前
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さよならの5分前

恋人と別れる時って、中々気が滅入るものだ。 振る時も、振られる時も。 そんなことを考えな…

oil
8か月前
23

言えなかった気持ちは、ため息に変わって消えた。

「何飲む?」 僕がそう聞くと、彼女は食い気味に答えた。 「ビール!」 その勢いに、思わず…

oil
1年前
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君のいない毎日

仕事帰り、よくコンビニに立ち寄る。 ここで雑誌を立ち読みして、明日の朝食を買って帰る。そ…

oil
1年前
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僕と君はカタラーナとブリュレのようで

「カタラーナとブリュレって、何が違うか知ってる?」 彼女にそう聞かれた時、僕は少し考える…

oil
1年前
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【短編小説】さよなら純真

「こんなことなら、最初から好きにならなきゃ良かった」 「それ言うの、今日だけで何回目よ」 そんなのもう、数えてない。 苦笑いする友人の質問に、心の中で回答する。 口に出せるほど気持ちに余裕がなかった。 2013年12月26日。 世間的には、クリスマス翌日という何気ない一日。 個人的には、僕が好きな子にフラれた翌日という特別な一日だ。 「めっちゃ好きだったんだよな…」 僕が今絞り出せるのは、未練と後悔だけ。 ―――――――――――――――――――――――――――――

【短編小説風】ミニマリスト

最近、ミニマリストという言葉を知った。 大量生産・大量消費の現代社会において、必要最低限…

oil
2年前
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【短編小説】友達に追加しました

僕には、一人も友達がいない。 通っている高校でも同級生とほとんど話したことがない。 昔か…

oil
2年前
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【短編小説】人生ログアウト

友達との会話に詰まると、インスタを開く。 ここ数年はそれが当たり前になってきた。 このカ…

oil
2年前
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【短編小説】3月20日

ずるずるずる。 朝のラーメンは沁みる。 隣を見ると、海斗のラーメンはもう残り半分ほどにな…

oil
2年前
19

どうせなら命張って生きないとな

24歳の頃、中学と高校が一緒だった同級生が亡くなった。 今からもう7年前の出来事だ。 彼は高…

oil
2年前
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ストーリー・オブ・ファーストキス

「まだ着かないの?海」 こういう時は、大体言い出しっぺが一番最初にボヤき始めるものだ。 …

oil
2年前
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笛の音が聞こえたら、どこでも飛んでいくから

実家の僕の部屋には、木で出来た笛が置いてある。 吹くと、フクロウの鳴き声に似た音を奏でる。 もうかれこれ20年程吹いていないけど、それは僕にとってかけがえのない宝物だ。 『親友の証な』 そんな言葉と共に笛を僕にくれたのは、小学校の同級生だった。 彼は3年生の頃に転校してきた。 僕と仲良くなったのは5年生の頃。出席番号が一つ違いだった僕達は、自然とよく話すようになった。 話してみると、不思議なくらい気が合った。 友達グループ3、4人で遊ぶこともあったけど、2人で会うこ